すぐにネットワークを切る! に限る
「お使いのMacコンピューターがウイルスに感染しました」。ある日こんなメッセージが出てドキッとしましたが、パソコン中のウイルスソフトからのメッセージではなさそうだし、なんだか怪しい。
静かにメッセージを閉じて、パソコンのウイルススキャンをしてみました(なにも発見されず)。
調べてみると、完全な「釣り」のようです。ウイルス駆除ツールをダウンロードするサイトに誘導されたり、最悪なときはフィッシングサイトに飛ばされることもあるそう。要注意です。
で、心配なのは、本当にウイルス感染しちゃったら? 前回も相談にのっていただいた、情報セキュリティ大学院大学の湯淺墾道先生に聞きました。
「かつてのウイルスは、メールの添付ファイルを開いたり、特定のホームページを見ると感染する、というものが主流でした。画面の異常やアイコンのおかしな動きなどから、異変がわかりやすかったのですが、今のウイルスは、表面上は変化なく、いつのまにかパソコンの中のデータが外部に流れ出ていくというケースが多いのです」
最悪なのは、ニュースでも耳にしたことのある「ランサムウェア」。突然にパソコンのファイルにアクセスできなくなって、フォルダをひらこうとすると、「パスワード入れてください」「ここにお金を払ったらパスワードを知らせます」…。こうなったら対処法はないのだそうです。
いちばん怖いのは、仕事上の大事な書類やデータが、流出してしまうこと。機密性の高いものをそもそもパソコンに保管しておかないことは大前提ですが、万が一感染したときはどうするか。
「とにかくすぐにネットワークを切る!」
これしかないそうです。LANケーブルならパソコンから回線を抜く。Wi-Fiならすぐに遮断する。
パソコンでWi-Fiを切る動作は、ふだんあまり使わないので、いざというとき焦ってしまいそうです。2ステップで簡単なので、覚えておきましょう。
パソコン上の扇のWi-Fiマークをクリックして、プルダウンメニューの中から<Wi-Fiをオフにする>を選ぶ。これで完了です。
また先生からは、「パソコンの中から情報流出の可能性があるときは、会社の上司、または仕事の発注元に、すぐに連絡すること。早いほどよいでしょう。場合によっては、大事なデータが流出したことで損害賠償になりかねません。感染しないためには、仕事のデータを扱うすべてのパソコンに、ウイルス対策ソフトを入れておくことをお勧めします」
会社のパソコンなら会社で対策してくれることが多いけれど、個人のパソコンには対策を怠りがち。テレワークがますます進むこれから、個人のパソコンで仕事をする可能性が少しでもあるなら、多少お金をかけても、対策ソフトは入れておいたほうがよさそうです。
ご参考までに、私が使っているウイルス対策ソフトは、ESET Cyber Security Pro。パソコンの動きが重たくならないという点で高評価のソフト。テスト版もあるので、よかったら試してみてください。
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南 ゆかり
フリーエディター・ライター。Cancam.jpでは「インタビュー連載/ゆとり以上バリキャリ未満の女たち」、Oggi誌面では「お金に困らない女になる!」、「この人に今、これが聞きたい!」など連載中。よろしければそちらも読んでくださいね。