「泰」の意味とは?
「泰」は音読みで「たい」と読み、訓読みではやす(らか)と読むことができます。大きい、広いなどさまざまな意味を持つ漢字です。「安泰」や「天下泰平」「泰然自若」など良い意味の言葉に含まれており、名前で使われることも多い漢字です。
ここでは、「泰」の意味や言葉の由来、名前での使われ方などをみていきましょう。
■さまざまな意味がある
「泰」には、次のようにさまざまな意味があります。
・やすらか
・穏やか
・大きい
・広い
・落ち着いている
・緩やか
・はなはだしい
・豊か
・果て
・極み
このほか、国名の「タイ」も漢字表記で「泰」もしくは「泰国」と表示します。「安泰」や「泰然」など泰を含む言葉もあり、名前に多く使われる漢字としても有名です。
「泰」には良い意味が多い一方、「おごる」「おごりたかぶる」といったネガティブな意味もあります。
■言葉の由来
「泰」という漢字は、「大」「廾」「水」の3つを組み合わせてできています。「大」は人が両手を広げている様子を表し、「廾」は「こまぬき」という部首で、両手を表すものです。
「水」はそのまま水という意味で、これらを合わせ「たっぷりの水を両手で受けて洗い流す」様子を表現しています。そこから連想し、「広い」「豊か」という意味があるとされています。
■名前によく使われる
「泰」は名前によく使われる漢字です。「やすし」「やすこ」など、従来は訓読みで使われるのが一般的でしたが、近年は音読みの「たい」も人気があります。
「泰」を使った男の子の名前ランキングでは「泰雅(たいが)」「泰生(たいせい)」「泰志(たいし)」など、「たい」の読みを使った名前が上位にランキングされています。
「泰」を使った言葉
「泰」を使った言葉には、無事で安らかという意味の「安泰」や、落ち着いている様子を表す「泰然」などがあります。また、世の中が平和なことを意味する「泰平」という言葉もあり、どれもゆったりとしている様子を表しています。
また、西洋を表す言葉に「泰西」がありますが、現代ではあまり使われていません。
ここでは、「泰」を使った言葉をいくつかみていきましょう。
「安泰」
安泰は「あんたい」と読みます。危険や心配がなく、安らかな様子を表した言葉です。
「安」と「泰」はどちらも「やすらか」や「落ち着いている」という意味を持ち、合わせることで言葉の意味合いを強めています。
〈安泰を使った例文〉
・上司に目をかけられ、彼の地位は安泰だ
・彼女には十分な貯金があり、老後も安泰である
・優れた後継者が現れたので、我が社は今後も安泰だろう
「泰然」
泰然は「たいぜん」と読みます。落ち着いていて、物事に動じない様子を表す言葉です。「然」は状態を表しています。肯定的な意味のある言葉で、「彼は泰然としていて仕事が遅い」といったネガティブな使い方はしません。
〈泰然を使った例文〉
・彼女は驚く知らせを受けても慌てず、泰然と構えていた
・彼はまだ若いのに、いつも泰然とした様子を見せている
・上司は報告を受けても眉ひとつ動かさず、泰然としていた