冷蔵庫を処分する方法とは?
家庭に1台は必ずある冷蔵庫。家族構成が変わり大型タイプもしくは小型タイプへの買い替えをしたり、最近の電気代の値上げにより省エネタイプへの買い替えを行うなど、新しい冷蔵庫を購入した際、今ある冷蔵庫の処分はどのようにされる予定ですか?
実は、冷蔵庫は通常の不燃ゴミや粗大ゴミとして捨てることができません。冷蔵庫は「家電リサイクル法」の対象製品となっており、法律で定められた方法で処分しなくてはなりません。この記事では、冷蔵庫の処分方法とその際の注意点、費用相場について紹介します。正しい知識で正しい処分を行うようにしましょう。
冷蔵庫の6つの処分方法
1:新しい冷蔵庫に買い替える場合、購入するお店に処分を依頼する
家電量販店など新しい冷蔵庫を購入するお店に、古い冷蔵庫を引き取って処分してもらう方法です。処分の手順は以下の通り。
1. 冷蔵庫を購入するお店に今ある冷蔵庫の処分を依頼する
2. そのお店で家電リサイクル券を発行してもらう
3. お店から依頼された引き取り業者が自宅まで来て回収をしてくれる
2:買い替えずに処分のみの場合、その冷蔵庫を購入したお店に処分を依頼する
新しい冷蔵庫を買う予定がなく処分だけしたい場合、その冷蔵庫を購入したお店でリサイクルしてもらう方法です。処分の手順は以下の通り。
1. 今ある冷蔵庫を購入したお店に処分を依頼する
2. そのお店で家電リサイクル券の発行をしてもらう
3. お店から依頼された引き取り業者が自宅まで来て回収をしてくれる
このように、お店に回収を依頼する際は処分の手間はかかりませんが、別途「リサイクル料金+収集運搬料」がかかるので、その分費用を見ておく必要があります。
3:購入したお店が不明な場合、自治体が指定する回収業者を利用する
冷蔵庫を購入したお店がなくなったり、引っ越しなどでお店が遠くなったりしてしまった場合などは、今住んでいる市区町村に問い合わせしてみましょう。引き取りを依頼できるお店や業者を紹介してもらえます。また、市区町村自体が回収を受け付けているケースも。一般的な処分の手順は以下の通りです。
1. 郵便局で家電リサイクル券を購入し必要事項を記入する
2. 自治体から指定された業者に連絡して回収の依頼をする
3. 連絡した指定業者が自宅まで来て回収をしてくれる
この場合も「リサイクル料金+収集運搬料」が必要ですが、リサイクル券のみ購入し指定取引場所に自分で持ち込みをする方法も。そうすることで収集運搬料を払わず、リサイクル料金のみとすることができます。指定取引場所は、一般財団法人家電製品協会のサイトから調べることができるので、確認してみるとよいでしょう。
4:リサイクルショップで買い取りをしてもらう
リサイクルショップでは、冷蔵庫の買い取りを行っているお店が多くあります。手順は以下の通り。
1. リサイクルショップに買い取りを依頼する
2. お店が電話やWEB、出張にて査定を行ってくれる
3. 自分で持ち込みするか、お店から出張で買い取ってもらう
製造年から10年以内で、外観や使用上問題がなければ買い取りとなるでしょう。さらに、3年以内だと高値で買い取ってもらえるようです。回収料金と相殺してもらえるので冷蔵庫を割安で処分できます。しかし、買取不可と判断された場合は通常のリサイクル扱いとなり、リサイクル料金・収集運搬料が発生しますので、製造年や使用状況を確認した上で査定してもらうようにしましょう。
5:フリマアプリやネットオークションを利用する
フリマアプリやネットオークションを使って冷蔵庫を処分する方法もあります。手順は以下の通り。
1. 出品の方法をきちんと確認する
2. 出品する冷蔵庫を数枚撮影し、外観や状態がわかるよう説明文を入れ発送方法を入力して出品
3. 入札などにより値段が確定したら購入決定となり、そのあと発送準備と手配を行う
個人で売買を行うことになりますので「リサイクル料金+収集運搬料」はかかりませんし、売却できた分は臨時収入となります。ただし、発送料金がかかるのと買い手の住所によっては送料が高額になるので、差し引き損をしないようあらかじめ価格相場を見ておくとよいでしょう。
発送する際の搬出の手間や送料については、各配送業者によっても異なりますので事前に確認しておきましょう。
6:民間の不用品回収業者に引き取りを依頼する
不用品回収を行っている民間の業者に依頼する方法です。利用する手順は以下の通り。
1. 業者に連絡をして回収、または買い取りを依頼する
2. 依頼した業者が自宅まで来て回収をしてくれる
電話やネットで依頼するだけなので、一番簡単に冷蔵庫を処分できる方法といえるでしょう。特に引越しなどで他にも不用品がある場合は、まとめて引き取ってもらえるので便利です。
ただし、業者選びには注意が必要で、無料回収と謳いながら法外な料金を請求したりするいわゆる「悪徳業者」も。回収したものを不法投棄をする業者もいるようなので、安易に依頼しないようにしましょう。
処分費用の相場は?
基本的な冷蔵庫の処分費用としては、「リサイクル料金」と「収集運搬料金」がかかります。「リサイクル料金」はメーカーや製品ごとに決められていて、家電製品協会家電リサイクル券センターから確認できます。
また、「収集運搬料金」は購入するお店ごとに異なりますが、大手家電量販店の「ヤマダ電機」「ケーズデンキ」は同じ料金設定となっています(2021年2月時点)。以下、処分費用の目安を紹介します。
170L以下の冷蔵庫では、リサイクル料金:約3,700円、運搬料:約3,200円、合計:約7,000円 171L以上の冷蔵庫では、リサイクル料金:約4,600円、運搬料:約3,200円、合計:約7,900円です。
処分方法の中でも紹介しましたが、これより安くしたいという方は、指定引取所に自分で持ち込む方法も。その場合はリサイクル料金のみとなります。さらに無料で処分したい場合は、リサイクルショップで売却する方法があります。
最後に
2001年から施行された、家電リサイクル法。最近では循環型社会、SDGs、サスティナブルといった言葉もよく耳にするでしょう。家電に限らず、持続可能な社会を継続していくためにもリサイクルは欠かせない活動です。今回は「冷蔵庫」といった家電製品について紹介しましたが、これを機にサスティナブル商品や、世の中の取り組みなどに興味を持ってみるのもいいかもしれません。
監修
藤井円工(ふじい・かずのり)
某大手電機メーカーにてシステムキッチンの商品企画開発に20年従事。
趣味は流行りの“ソロキャンプ”。最近では『商品企画が上手い人 提案が通らない人』と題した電子書籍を出版2021年ビジネスプロジェクト管理部門1位獲得。
2級建築士有資格。
ライター所属:京都メディアライン
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