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【目次】
二槽式洗濯機の特徴
洗濯から脱水までが一槽で完結する全自動タイプが主流な現在、二槽式洗濯機の特徴にピンとこない人は多いかもしれません。全自動タイプと異なる点や、二槽式洗濯機ならではのメリットを解説します。
洗濯槽と脱水槽に分かれている
二槽式洗濯機は洗濯槽と脱水槽がそれぞれ独立している構造です。同時に動かせるため「洗濯をしながら脱水をする」といった使い方ができます。洗濯物の量が多く複数回に分けたいときに、より効率的に洗濯できます。
工程ごとに使う槽が分かれている二槽式洗濯機は、全自動洗濯機よりも各槽やモーターの構造がシンプルで、耐久性が高いのも魅力です。複数槽が重なった全自動洗濯機と比べて、カビが生えにくい傾向もあります。
洗浄力や節水効果も高い傾向にある
二槽式洗濯機は、全自動タイプよりも槽のサイズが小さいのも特徴です。縦型洗濯機は、洗濯槽に入った衣類・洗剤・水をパルセーター※によって起こした水流で攪拌(かくはん)させることで、衣類同士をこすり合わせます。
二槽式洗濯機に使われる単層構造かつサイズの小さい洗濯槽は、複数槽で大きな洗濯槽に比べてモーターの回転力が伝わりやすくなります。洗剤がよく泡立ち、衣類の汚れを落としやすいのがメリットです。洗濯槽に必要な水も少量で済むため、節水効果も期待できます。
※パルセーター:洗濯槽の底にある凹凸のことで羽根ともいわれる。十字形やアステリスク形などメーカーによってさまざま
手動の操作が必要
ワンタッチで洗濯・すすぎ・脱水が完了する全自動タイプとは異なり、洗濯・すすぎと脱水の間には手動で移し替えや設定が必要です。一方で、洗濯・すすぎ・脱水の工程ごとに洗濯物の状態を確認できるため、汚れが落ちきっていない衣類に気づきやすいというメリットもあります。
洗濯・すすぎが終了した時点で洗い残しが気になる場合には、脱水をかける前に洗い直しができます。使用時間と電気代の両面で、より効率的です。
二槽式洗濯機を選ぶポイント
全自動洗濯機やドラム式洗濯機に比べると、現在はメジャーとはいえない二槽式洗濯機であるからこそ、選ぶポイントを知っておくことが大切です。サイズ・機能・容量・素材の観点からそれぞれ解説します。
設置場所や搬入経路などに収まるサイズ感
全自動洗濯機から二槽式洗濯機へ買い換える場合は特に、洗濯機を置く「防水パン」のサイズに注意が必要です。防水パンは横長タイプ(約74×64cmまたは約80×64cm)と正方形タイプ(約64×64cm)があり、近年は正方形の方が主流です。
二槽式洗濯機の幅はコンパクトなもので約55cmのものから、メイン使いを想定した約80cmのものまであります。賃貸などで片側が壁にぴったりとつくように正方形の防水パンが設置されていた場合、洗濯機の横幅の方が広く載らないこともあります。
また、搬入経路の確認も必要です。ドアは、縦・横ともに「本体+10cm程度」の余白が必要です。また、共用部や玄関先の廊下が細長い場合、途中で問題なく曲がれるかも確認しましょう。
生活スタイルに合った稼働タイプと便利機能
二槽式洗濯機の操作部は、ダイヤル式がほとんどです。つまみを回して、給水量や洗い・すすぎ・脱水の時間を調節できます。衣類の汚れ具合に合わせて洗い時間を増やしたり、給水量を少なめにしたりすることも可能です。
「毎回同じ設定で回すので、都度つまみを操作するのは大変」という人は、ボタンで設定できる半自動式を選ぶとよいでしょう。
そのほか、洗濯機自体の機能としては、終了したらブザーで知らせてくれるような「お知らせ機能」があると便利です。ウールなどに対応した「ソフト洗い」や、衣類のごみをキャッチする「糸くずフィルター」も快適な洗濯をサポートします。
家族の人数や用途を考慮した容量
二槽式洗濯機をメインで使う場合には、家族の人数に合った容量選びが大切です。毎日洗濯をする場合、1日に出る洗濯物の量は1人あたり約1.5kgと考えられています。例えば4人家族であれば、「約1.5kg×4人=約6.0kg」です。
シーツ・ブランケットといった大きい洗濯物を洗う機会を考慮すると、約2kgを足した数を目安と考えるとよいでしょう。4人家族では、「約1.5kg×4人+約2.0kg=約8.0kg」が容量の目安です。なお、同条件の場合で、週末などにまとめて洗濯をするならば、大容量タイプの12.0kgでも問題ありません。
一方で、全自動タイプをメインで使っている場合には、サブとして二槽式洗濯機を購入する方法もあります。サブの二槽式洗濯機には、容量4.0kg未満で持ち運びがしやすい小型タイプがおすすめです。
洗濯槽と脱水槽の素材も大切
洗濯槽・脱水槽に使われる主な素材には、プラスチック・ステンレスが挙げられます。プラスチック製の槽はさびにくいので、ベランダのような屋外利用に向いています。
一方、黒カビが発生しにくいステンレス製は、衛生面を重視する人にもおすすめです。一般的に洗濯槽はカビ対策として、定期的に洗濯槽クリーナーなどを用いたお手入れが必要。ステンレス槽ならカビが発生しにくい分、お手入れの頻度を減らすことも期待できます。
また、洗濯槽は運転時に衣類が当たることでついた細かな傷から、汚れが入り込みがちです。丈夫なステンレス槽なら傷がつきにくく、汚れの原因を防ぎながら長く使えるでしょう。なお、ステンレス素材は、脱水槽にのみ使われている商品も少なくありません。
【洗濯容量6.0kg以下】日本製の二槽式洗濯機
洗濯容量6.0kg以下でシンプルなデザインが特徴的な、日本製の二槽式洗濯機を紹介します。
パナソニック「2槽式洗濯機 NA-W50B1」
洗濯・脱水容量がそれぞれ5.0kgの二槽式洗濯機は、大きくて回しやすいダイヤルが特徴的です。洗濯槽には糸くずフィルターがついており、洗濯しながら衣類に付着した繊維をキャッチします。水流を標準・弱に切り替えられるので、衣類の素材に合わせた洗濯も可能です。
また、質量約1.4kg以下の軽い毛布や、約1.2kg以下の肌掛けふとん(中わたが約0.6kg以下)の洗濯にも対応しています。白を基調としたシンプルなデザインで、設置場所の雰囲気を選びません。
商品名:パナソニック「2槽式洗濯機 NA-W50B1」
日立「2槽式洗濯機 青空 PS-55AS2」
標準・ソフトの2段階に調節可能なダイヤル式で、5.5kgまでの衣類などの洗濯・脱水に対応しています。脱水槽がステンレス製のため、黒カビの発生リスクが少なく済むのもポイントです。
洗濯・すすぎ・脱水が終了するとブザーで知らせる機能は、洗濯物の取り忘れ防止に役立ちます。質量約2.0kg以下の毛布も洗濯できるので、軽いブランケットなら自宅での手入れが可能です。
白を基調としながらも、脱水槽のフタやダイヤルの周囲にブルーを使ったデザインで、爽やかな雰囲気も併せ持つデザインです。
商品名:日立「2槽式洗濯機 青空 PS-55AS2」
MAXZEN「6.0kg 二槽式洗濯機 JW60KS01」
洗濯・脱水容量がそれぞれ6.0kgの二槽式洗濯機は、時間・水流などを調節できる三つのダイヤルが特徴的です。つけ置き洗い機能があるので、汚れが強い洗濯物のまとめ洗いで家事の負担を軽減できます。
また、ソフト洗い機能を使うと、手洗い表示のある「毛100%」の衣類も自宅で洗えます。脱水槽はステンレス製でカビが発生しにくく、衛生的に使えるのもポイント。サイズは約77×41.2×90.2cmと、比較的コンパクトな商品です。
商品名:MAXZEN「6.0kg 二槽式洗濯機 JW60KS01」
【洗濯容量5.5kg以下】海外メーカーの二槽式洗濯機
海外メーカーの二槽式洗濯機は、日本製よりもリーズナブルな傾向にあります。人気海外メーカーの二槽式洗濯機をピックアップして紹介します。
アクア「二槽式洗濯機 AQW-N401」
容量4.0kgの洗濯・脱水に対応した、ダイヤル式の二槽式洗濯機です。洗濯槽の左横についた「風呂水専用給水口」には、市販のポンプ用ホースを固定できます。バケツで浴槽の水を洗濯槽に入れる必要がないため、負担を抑えて節水を目指せます。
洗い・すすぎの終了をブザーで知らせてくれるため、洗濯機を回しながら別の用事を進められるのもポイントです。ブザーの音量はダイヤル調節でき、状況に合わせて大きさを変えられます。
商品名:アクア「二槽式洗濯機 AQW-N401」
ハイアール「5.5kg 二槽式洗濯機 JW-W55G」
洗濯容量5.5kg・脱水容量5.0kgの商品は、左右両方の排水が可能です。給水切り替えに対応しているため、洗濯槽・脱水槽の両方へ水を溜められます。
どろどろに汚れてしまった洗濯物をあらかじめ脱水槽ですすいでから、洗濯槽で洗い始めることも可能です。また、洗濯・脱水槽を同時に使えるので、白いシャツと色がついた衣類の分け洗いもできます。
黒カビが発生しにくいとされるスレンレス製の脱水槽採用で、衛生面を重視する人にも向いています。
商品名:ハイアール「5.5kg 二槽式洗濯機 JW-W55G」
【洗濯容量8.0kg以上】大型の二槽式洗濯機
メインの洗濯機を二槽式洗濯機に買い換えるなら、洗濯容量8.0kg以上の大型タイプがおすすめです。主力となり得る、容量8.0・12.0kgの二槽式洗濯機をピックアップして紹介します。
MAXZEN「8.0kg 二槽式洗濯機 JW80KS01」
サイズ約91×54×100.6cmの二槽式洗濯機は、容量8.0kgまでの洗濯・脱水が可能です。洗濯槽に残った洗濯後の水を再利用できるため、汚れの少ない衣類から洗って節水する方法もあります。
つまみを回して時間・水流などを調節するダイヤル式で、衣類の種類・汚れ具合に合わせてつけ置き洗い・ソフト洗いの設定ができます。
洗濯槽についた糸くずフィルターが衣類に付着したほこりなどをキャッチし、手入れの負担を軽減。さらに糸くずフィルターは取り外せるので、手入れがしやすいのもポイントです。
商品名:MAXZEN「8.0kg 二槽式洗濯機 JW80KS01」
ハイアール「8.0kg 二槽式洗濯機 JW-W80F」
衣類の摩擦を抑えながら、しっかりと洗浄する「らせん状水流」の二槽式洗濯機です。底部に独自の形状の「スパイラルパルセーター」を使用することで、強力な洗浄力を実現しています。
洗濯容量8.0kg・脱水容量5.0kg対応ながら、サイズは約82×46.5×99.5cmと、大型二槽式洗濯機にしては比較的コンパクトなのもポイントです。
洗濯用洗剤のほか粉せっけんも使えるため、赤ちゃんの衣類・シーツなどの手入れにも役立ちます。
商品名:ハイアール「8.0kg 二槽式洗濯機 JW-W80F」
【洗濯容量4.0kg未満】小型の二槽式洗濯機
小型タイプの二槽式洗濯機は、汚れの強い衣類やペット用品の洗い分けにも便利です。2台使いにもおすすめな、洗濯容量3.6kg・脱水容量2.0kgの二槽式洗濯機を紹介します。
WEIMALL「二槽式洗濯機」
サイズ約55×36×59cmの商品は、白を基調としたシンプルなデザインが特徴です。ホワイト1色のほか、フタの色が異なるツートンタイプもあり、ベージュ・グレー・ブラック・ブルーから選べます。
本体の背面に、排水ホースやアース線、電源コードがついており、前面からはスッキリとした見た目を実現。
また、脱水用の抑えフタや給水ホースもセットなので、すぐに使い始められるのもポイントです。「瞬時反転方式」のモーターが洗剤と衣類をよくかき混ぜ、コンパクトタイプでもしっかり汚れを落とします。
商品名:WEIMALL「二槽式洗濯機」
シービージャパン「小型洗濯機 ウォッシュマン TOM-05w」
ホワイト×グレージュのシンプルなデザインは、部屋のインテリアや雰囲気を選びません。約11kgの本体には、両サイドに取手がついているため、好きな場所に移動しやすいのが特徴です。
同時に洗濯・脱水ができるので、手強い汚れの衣類を洗っている間に、手洗いした小物の水気を飛ばす方法もあります。
洗い方や時間を調節できる三つのダイヤルや、ステンレス製の脱水槽で快適な洗濯をサポートします。洗濯槽に設置された糸くずフィルターが衣類についたほこりをキャッチしてくれるので、手入れの負担が済むのもポイントです。
商品名:シービージャパン「小型洗濯機 ウォッシュマン TOM-05w」
エスケイジャパン「ミニランドリー SW-A252」
白を基調としたシンプルなデザインの商品は、どのような部屋に置いても清潔感を演出します。
つまみを回して洗濯・脱水時間を設定するダイヤル式で、デリケートな衣類にうれしいソフト洗い機能つきです。脱水槽には、カビが発生しにくいステンレスが使われており、手入れの負担を軽減します。
本体の重さは約11kgで、両サイドに取手がついているため移動の手間がかからないのもポイント。脱水用の抑えフタや糸くずフィルターもついています。
商品名:エスケイジャパン「ミニランドリー SW-A252」
二槽式洗濯機に関するQ&A
全自動タイプしか使った経験がなく、二槽式洗濯機の使用に不安を感じている人もいるかもしれません。最後に、二槽式洗濯機を使う際に抱きやすい疑問をピックアップして解説します。
洗濯の基本的な流れは?
二槽式洗濯機は一般的に、以下のような流れで洗濯・すすぎ・脱水の工程を行います。
1.水を規定量まで溜める
2.水が溜まったら洗剤を入れ、洗濯を開始
3.洗い終わったら脱水槽へ入れ替える
4.脱水終了後、洗濯槽へ移し替えてすすぎ(必要な場合は柔軟剤を入れる)
5.すすぎ終わったら再度、脱水槽へ入れ替える
6.脱水が終わったタイミングで洗濯完了
全自動タイプと異なるのは、工程ごとに排水・水溜め・入れ替えが必要な点です。脱水槽に衣類を入れ替えるタイミングで排水し、すすぎ用の水を溜めておくことで洗濯時間を短縮できます。
使用上の注意点はある?
二槽式洗濯機を使う際に注意したいのは、運転音の大きさです。洗濯中はもちろん、脱水槽のフタが閉まっていない場合には、音が大きくなる点に注意が必要です。
特にアパート・マンションのような集合住宅で生活している場合は、使用する時間帯にも配慮します。また、赤ちゃんがいる家庭は、音の大きさで昼寝が中断されるケースも否めません。
環境省の騒音基準によれば、住宅専用地域では運転音が45dB以下の二槽式洗濯機を選ぶと、騒音によるトラブルのリスクを軽減できるといえます。また、防振ゴムや防振パッドなどを使った防音対策もおすすめです。
商品名:東京防音「洗濯機用防振ゴム ニューしずか (4個入り) TW-660」
手入れの方法は?
洗濯機は電動のため、二槽式洗濯機に限らず感電のリスクがあります。手入れをする前には、必ずコンセントから電源プラグを抜きましょう。
水を含ませたやわらかい布をしっかりと絞り、洗濯槽・脱水槽の汚れを拭き取ります。ひと通り汚れを拭き取ったら、フタを開けたままにして洗濯槽・脱水槽内の湿気を飛ばすことが大切です。
時間がない人には、市販の「洗濯槽クリーナー」の使用もおすすめ。高水位までぬるま湯(約30~40度)を溜めて、クリーナーを投入します。短時間運転後につけ置きし、排水するだけで完了します。
なお、洗濯槽クリーナーには塩素系と酸素系があります。塩素系の場合、酸性洗剤などと混ざると有害ガスが発生する恐れがあるため、注意が必要です。
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