結婚10年!ベッドを買い替えようとしたら問題が発生
理沙さん(仮名)は結婚10年目の44歳。新婚当時に買った家具の買い替えを考える時期になっていることから、ベッドも買い替え、それをきっかけに夫婦の寝室を別にしたいと考えたそう。しかし快く同意してくれるものだとばかり思っていた夫との関係が、“ベッド問題”を機におかしくなってしまったと言います。
「ちょうど2年前にマンションを買って、ほとんど使っていない部屋がひとつあるので、私はそこを自分の寝室にして、夫には今まで通りの部屋で寝てもらえたらって考えたんです。新婚当時、コスパ重視で家具を揃えたので、10年目にしてベッドの寝心地も悪くなったので買い替えなくちゃいけないし。
でも夫は『寝室を別にするってことは、仮面夫婦になるってことじゃないか?』と難色を示してしまって…」
理沙さん夫妻には子どもがおらず、新婚当時に子作りに着手した時期はあったけれど恵まれないままだったとのこと。現在は子作りは卒業し、夫婦ふたりだけで穏やかな毎日を送ってきたそうです。
もともと信頼関係は希薄。寝室を別にしたらもっと溝が深まる?
「夫と私は、子どもがいないこともあって信頼関係は希薄なほうだと思います。新婚当初から熱烈なラブラブって感じでもなく、でもお互いを尊重し合うような静かな関係でした。お互いがあまり干渉しないので、外に出たら相手が何をしているかは知らないし、そういう意味では他所の夫婦よりも冷めていたかもしれないですね。
今回、寝室をわける話を私がしてから、夫はさらに私に対してよそよそしい態度になっているし、このまま強行突破したら、本格的に夫婦の溝が深まるのは間違いなさそうな気がしてきました。
でも、これからまたしばらく夫と同じベッドで寝室をともにすると考えると、それもまたウンザリだし…。すでに夫婦の営みがご無沙汰になって数年経っているし、私はもうこの機会に寝るときくらいはひとりになりたいのだけれど…」
結局、寝室問題は決着がつかないまま、数週間が経過中と理沙さん。期限が定まっている話ではないだけに、このまま“うやむや”になってしまうのも嫌だと話します。
「これをきっかけに離婚問題まで発展するのは困りますが、夫は自分の思い通りにならないと露骨に不機嫌になる人なので、解決するには私が折れるしかないのかなって。でも、嫌だなって思いながらまた寝室を一緒にしたら、今度は私が夫に対して嫌悪感が強まりそうで、結局はうまくいかないんじゃないのって気もして、悩ましいです」
住宅事情にも左右されますが、結婚生活が長くなるにつれ、寝室を別にする夫婦も珍しくはありません。結婚していても、ひとりの時間をもつことで仲が深まる夫婦もいる一方で、理沙さんの夫のように物理的な距離を置く提案を、あからさまに嫌がる男性もいるでしょう。「寝室を別にしたい」とストレートに言葉にしてしまうと、まるで自分が拒絶されたように感じる男性もいるだけに、今回の理沙さんのようなケースでは、あえて言葉にはせずに自然な形で“既成事実”を積み重ねられればベターなのかもしれません。まずは月に何度か「体調がすぐれないから、別々に寝る」などと言い、まずは少しずつ別の部屋で寝る習慣をつくっていくと、最終的に寝室を別にすることになっても、夫の抵抗感は少なくなるかもしれません。
取材・文/並木まき
※個人が特定されないよう、エピソードには一部の脚色を加えています。