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破風(はふ)と破風板(はふいた)について
家を建てたり、家のリフォームやメンテナンスをする際に耳にする「破風(はふ)」。破風は屋根の妻側(建物の屋根を見たときに、側面にある三角形の壁面のこと)にある部分のことを指し、家などを雨風から守る重要な役割を担っています。一般住宅でいうと、雨樋(あまどい)が付かない部分といったら、わかりやすいでしょう。
家は外観のデザインに意識が向きがちですが、破風や破風板の役割や性能をきちんと知り、デザインだけでなく性能に優れたものを選ぶのがポイントです。
破風板とは
破風には板が取り付けられており、それを破風板と呼んでいます。破風板は住宅や建物を守る大切な役割を担うため、耐久性や耐水性に優れた丈夫な素材が使われています。
破風板が担う役割って?
「風を破る」と書くように、建物に風が与える影響を防ぐ破風と破風板ですが、それ以外にもさまざまな役割を担っています。
役割1:雨風を防ぐ
上からの雨風を防ぐことに優れている屋根ですが、横や下から吹きこむ雨風にはそれほど強くないという特徴も。木材は木口部から水を吸収しやすいため、垂木など屋根組材の木口を塞ぐことで腐食を防ぐ役割があります。また、腐食を防ぐことで蟻害につながるリスクの軽減にもなります。
役割2:防火性を高める
もし火事が起こってしまったときに、短時間で炎が燃え広がらないようにする役割もあります。屋根裏には防火材が使われないため延焼しやすいのですが、破風板があることで火の回りを遅らせるのです。
役割3:屋根を飛びにくくしている
破風と破風板があることで、強風が吹いても屋根が吹き飛ぶのを防いでいます。破風板は側面や下からの風を遮断できるからです。
役割4:化粧性を演出
屋根を支える桁や母屋の小口(切断面)を隠し、外観に調和する役目を担っています。
破風板の色や材質は選べる
破風板の色や材質は選ぶことができます。色は外観に合ったものがベター。材質は木質系、金属系、窯業(ようぎょう)系の3種があり、以前はほとんど木質系が選ばれていました。しかし近年、一般住宅で使用される破風板は金属系や窯業系が主流になっています。
機能性はもちろん、デザイン性も兼ね備えた商品が普及しているので、屋根材や外壁と同系色を選ぶなどバランスを考えて選定することも重要なポイントです。
鼻隠しやケラバとは
鼻隠し(はなかくし)とケラバは、破風や破風板に似ていますが、それぞれ違いがあります。その違いについても知っておきましょう。
破風板と鼻隠しの違い
鼻隠しは、地面と平行になっている軒先についている板のことをいい、軒樋(のきとい)の下地の役割も担っています。破風板は桁や母屋の小口を隠し、鼻隠しは垂木の小口を隠します。
破風板とケラバとの違い
ケラバも、破風板と同様の役割を担うもの。破風板とケラバが違うのは場所で、ケラバは、破風板と外壁までの幅の屋根部分を指します。破風板とケラバでは材質が違うことも多いため、メンテナンス方法などが変わることもあります。
また、ケラバは外壁よりも突き出ているので、雨風の影響を受けやすいという特徴も。特に風の影響を受けやすく、台風など強風にさらされると、ケラバは傷みやすいです。