ダイエットに必要なのは、食事制限ではなく「賢い食べ方」
薄着の季節が到来。身体をすっきりさせて、夏のおしゃれに備えたいところです。でも、仕事に家事に忙しくて厳しい食事制限はとても無理…というそこのあなた。食べて痩せる方法は、あるんです! 国内最大級の食事管理アプリ『あすけん』のビッグデータが導き出した「賢い食べ方」をご紹介します。
あすけんは、毎日の食事をスマホで簡単に管理できるダイエットの強力な助っ人。サービス開始以来800万人以上の食事管理を見守り続け、ユーザーはなんと3ヶ月で平均4.66kg減量に成功しているという調査結果も! だからこそ、その膨大な“成功例”から「食べて痩せる」方法をみなさんに伝授できるわけです。
▲食べたものは画像や商品バーコードから登録できるので簡単。不足している栄養素も、AI栄養士のアドバイスやグラフでばっちりわかります
あすけん管理栄養士であり、同アプリ初の書籍『結局、これを食べるが勝ち』の著者である道江美貴子先生は「ダイエットに成功したユーザーの方々は特別な食事制限をすることなく、毎日の食事をうまくコントロールしている」といいます。1日の流れのなかで、そのコツを見ていきましょう。
【午前中】バタバタの朝、ちゃんとした食事を準備している余裕がない…どうしたらいい?
「食は体内時計と関係が深く、何をどのタイミングで食べるかも重要です」と道江先生。朝食には、体内時計をリセットする役割が。朝食を抜くことで身体のリズムが崩れ、ストレスやイライラの原因になるだけでなく、肥満や高血圧のリスクが高まることも明らかになっています。朝食抜きは、ダイエットの大敵といえるでしょう。
朝食は炭水化物+タンパク質の組み合わせで体内時計をリセット
体内時計の調整をスムーズにするには、炭水化物とタンパク質をセットで摂ることが大切。「トースト+チーズやハム」「ごはん+納豆や鮭フレーク、卵」というように、簡単なものでもOKなので、主食とタンパク質の多い食材を上手に組み合わせるのがおすすめです。近年の糖質制限ブームもあり、炭水化物はダイエットの敵…なイメージもありますが、あまり神経質になるのは禁物。糖質は効率よく身体を動かすエネルギーであり、実は筋肉を作るのにも不可欠な存在です。筋肉量を維持して代謝を下げないためにも、1日130gは摂るよう心がけましょう。
また、たんぱく質は食後に体温をあげる効果が高く、朝に摂ることで1日の代謝量をアップさせることができるそう。さらに高血圧予防効果や幸せホルモンのセロトニン、安眠を促すメラトニンの生成にも有効とメリットだらけです。厚生労働省によるたんぱく質の摂取量目安は、最低でも女性50g、男性60g。つまり1食20gは摂取しておきたいところです。
とはいえ、朝の出勤前はバタバタしてちゃんとした食事を準備している余裕がない…ということもあるでしょう。そんなときは「せめてコーヒー1杯だけでも欠かさずに飲みましょう!」と道江先生。どんなに忙しくても、体内時計のリセットだけは忘れずに。ポイントは、「起きて1時間以内に摂ること」です。
【日中】仕事中の昼食・おやつ・間食、これだけは覚えておきたいルールは?
平日のうちもっとも長い時間を過ごす職場。忙しく働いていると、ついランチも適当になってしまったり、小腹が減っておやつをつまんでしまったり。でも、すべてを我慢するのは無理! 3つのルールを覚えて、上手にビジネスタイムを乗り切りましょう。
「セカンドミール効果」を味方に! 昼食30分前の野菜ジュース習慣
通常、食後の血糖値は20分〜30分かけて徐々に上昇しますが、食事までの空腹時間が長かったり、一度に大量に食べたりすると血糖値は一気に急上昇します。すると体はインスリンというホルモンを大量に分泌し、余った糖を脂肪に変えてしまいます。ダイエットのためにも、血糖値を急上昇させないのは大切なポイント。
そのために味方にしたいのが、「セカンドミール効果」です。これは、その日の1回目の食事が、2回目(セカンドミール)の食後の血糖値上昇に影響を及ぼす効果のこと。たとえば朝食で食物繊維の多い「低GI」の食事をすることで、昼食後の血糖値を上がりにくくすることができるのです。
きちんとした朝食を食べられなかった日や、朝食と昼食の間があいてしまった場合は、ランチの30分前に野菜ジュースを飲んでおくのがおすすめ。これだけでも「セカンドミール効果」を期待することができます。
午後からもうひとがんばり。おやつの「ゴールデンタイム」は10時〜15時
甘いものはやめられないからと、ランチのお米を抜いて辻褄をあわせている…という人もいるのでは? 同じ糖質でも、お菓子に含まれる砂糖類と、主食に含まれる多糖類は「似て非なるもの」。ダイレクトに血糖値を上昇させる砂糖類は、やはりダイエット中にはなるべく避けたいものです。
道江先生は「だからといって、おやつを食べるなとは言いません。食べるなら、1日のうちでもっとも脂肪になりにくい10時〜15時に」と言います。14時〜15時は、1日のうちで食べたものがもっとも脂肪になりにくい時間帯。これは脂肪の合成を促す時計遺伝子・BMAL1(ビーマルワン)の働きが少なくなるからだそう。また、午前中はそもそも代謝が高いので、10時〜15時は太りにくい時間帯と考えて良いとのこと。
「甘いものを食べたいときは、自分が一番好きなものを食べるのがおすすめ。量の目安は1日200kcal以内。甘いものは心の栄養なので、食べて心が満足できるものを選びましょう」(道江先生)
量を食べたいときは、食物繊維が豊富で低カロリーな寒天ゼリーやこんにゃくゼリー、干し芋や甘栗がおすすめ! 食物繊維に加えて、ポリフェノールも摂れる高カカオチョコも良いでしょう。個包装されたものなら、少量ずつ楽しんで食べすぎを防ぐことができるはず。
今日は残業決定。帰りが遅くなる日のテクニック「主食を先取り」
忙しく働いていると、帰宅が遅くなり夕食が21時をまわるようなこともあるでしょう。前述の通り、食事と食事の間隔が開くと血糖値の急上昇を招き、脂肪を溜め込みやすくなってしまいます。これを避けるポイントを道江先生に聞くと、「18時頃に間食でおにぎりを1個食べ、後でおかずを食べるようにすると太りにくくなります。夕食の主食を軽く先取りして、空腹になりすぎないようにしましょう」とのこと。この場合も食物繊維を一緒に摂ってセカンドミール効果を活用したいところ。コンビニで買うなら、わかめやひじきが入ったものが良さそうです。
【夜】時間を味方につけて、夕食もストレスなく楽しもう
仕事を終えてクタクタになって帰宅…。夕食は、その日を締めくくる癒しの時間! ダイエット中だからと過度な我慢は禁物です。せっかくの食事を心置きなく楽しめるように、「食べる時間帯」を味方につけましょう。
夕食のタイムリミットは「朝食から12時間以内」
代謝を高める成長ホルモンは、深い眠りのときに分泌されます。日々の安眠は肥満予防にも不可欠ということ。寝る直前に食事をすると、消化器官が動いているなかで眠りにつくことになり、睡眠の質が下がってしまいます。そのため、夕食は朝食から12時間以内、寝る2〜3時間前までに済ませるのが理想的。脂肪の合成を促すBMAL1が活性化する22時以降の食事は、避けておきたいところです。
深夜、お腹が空いて眠れない。救世主になる夜食は「低脂肪ヨーグルト」
ところが、お腹が空いて眠れず、安眠どころではない夜もありますよね。そんなときは、夜食に低脂肪のヨーグルトを。ヨーグルトに豊富なカルシウムは夜の時間帯のほうが吸収率が高まります。夜食を利用して、上手に補いましょう! 骨の合成に必要なビタミンDも、日頃から積極的に摂取するのがおすすめです。
「日本人は深刻なカルシウム不足で、特に女性は閉経後の骨量の低下に備えて、毎日コツコツ補給したいところ。カルシウムは乳製品に豊富ですが、飽和脂肪酸を摂りすぎないよう、低脂肪のヨーグルトを」(道江先生)
賢く選択して、きちんと食べる。ダイエットは前向きに楽しんで!
健康的な食事に大切なのは、「何を食べるか」だけでなく、「いつ食べるか」も重要なポイント。「何より成功している人は、前向きに楽しんでダイエットに取り組んでいます。『無理をして食べない』のではなく、『賢く選択しながら、きちんと食べる』のです」と道江先生。毎日の食事は人生を豊かにするもの。だからこそ、我慢せずに「賢い食べ方」を身につけていきましょう!
イラスト/蟻子
教えてくれたのは…
あすけん管理栄養士・道江美貴子
女子栄養大学栄養学部卒業後、大手フードサービス企業に入社。100社以上の企業で健康アドバイザーを務めた後、2007年、新規事業の立ち上げメンバーとして株式会社askenに参画し、以後『あすけん』の企画・コンテンツ制作・開発管理などに携わる。現在、株式会社asken取締役としてあすけん事業統括責任者を務める。著書『なぜあの人は、夜中にラーメン食べても太らないのか?』(クロスメディア・パブリッシング)など。
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