結婚ソングとは
友人の結婚式に参加した際、「式や披露宴での演出に感動した! 」という経験をした人は多いことでしょう。それには演出の内容はもちろん、それに合うようにチョイスされた結婚ソングが大きな役割を担っていると思いませんか? 賑やかなシーンや感動的なシーンでは、BGMのサビに合わせて盛り上げる演出が行われていることが多く、見ているゲストも自然に感情移入することができます。
やることがたくさんある結婚式準備の中で、楽しくもあり大変な作業でもある結婚ソング選び。新曲から定番曲まで数ある曲よりセレクトすることは、人生のビッグイベントを素晴らしい空間にするために、非常に重要な作業です。
ここでは、結婚式でのそれぞれの演出シーンやエンドロールに使用できそうな、流行りの曲から結婚式の定番ソングまでシーン別に紹介していきます。
結婚ソングの選び方
結婚式を楽しく盛り上げるのも、ゲストの感動を誘うのも、「BGM次第」と言っても過言ではないかもしれません。せっかくなら、曲を聴くだけでふたりの結婚式のシーンが思い浮かぶような曲選びをしたいもの。結婚ソングを選ぶタイミングや、選び方の基本を紹介します。
結婚ソングを選ぶ時期
結婚式で使用する曲を決める際には、結婚式のプログラムが本格的に決まっていなくても、早い段階で好みの曲を何個かチョイスしておくのがおすすめ。事前に自分たちらしい雰囲気の曲をチェックしておくことで、選択肢が広がります。結婚式の3、4か月前に探し始めると、「直前に焦って妥協してしまった…」なんて後悔することも。そんなことにならないよう、早めの準備を意識してみてください。
式場にもよりますが、結婚ソングの最終決定時期は、結婚式のプログラムの内容が決定する「挙式約1か月前」を目安に定められていることが多いようです。
どうやって選ぶ?
ふたりがそれぞれランダムに好きな曲をピックアップしていくのではなく、最初に「結婚式のテーマ」を決めましょう。「感謝を伝える」「感動的な場面にしたい」「みんなで楽しく盛り上がりたい」というように、それぞれの演出ごとに合うテイストの曲をリストアップしてから、構成に取り掛かるのがベスト。
「好きな曲だから」という理由で選ぶのももちろんOKですが、あまりに演出とちぐはぐな結婚ソングを選ぶことは避けたほうがベター。たとえば、両親に手紙を読む感動的なシーンで賑やかな曲を使用すると、「アンバランスな披露宴だなぁ…」とマイナスの印象をゲストに与えてしまう可能性もあるので、注意が必要です。
シーン別おすすめの結婚ソング
結婚ソングは必ずしも定番のものに限らず、基本的には好きなテイストの曲を選んでOKです。しかし、好きだからといってたとえばアップテンポの音楽がずっと続くと、人によっては居心地が悪いかもしれません。結婚式のBGMに迷ったら参考になりそうな、シーン別おすすめの結婚ソングを紹介します。
挙式
挙式では、穏やかで神聖な雰囲気の結婚ソングが人気です。挙式には指輪交換などプログラムが何個もあるので、日本語の歌詞の曲だとなかなか挙式に集中できないかもしれません。シンプルで定番の曲が人気が高い傾向にあります。
『Amazing Grace』Celtic Woman
『You Raise Me Up』Celtic Woman
『The Rose』手嶌葵
披露宴入場
披露宴の始まりは誰もが知ってるような、ハッピーになれる華やかな雰囲気の定番ソングでスタートするのはいかがでしょうか。どれも時代を感じさせず、一気に結婚式ムードを高めてくれるものばかりです。
『Baby I Love U』Che’Nelle
『CAN YOU CELEBRATE?』安室奈美恵
『The Gift』Blue
ファーストバイト
ファーストバイトは、ゲスト全員がノリノリになれるような明るい曲が人気です。サビの盛り上がるところに合わせて、ケーキに入刀しましょう!
『Sugar』Maroon 5
『バンザイ ~好きでよかった~』ウルフルズ
『気まぐれロマンティック』いきものがかり
中座
エスコート役のゲストと共に退場する中座シーンでは、個性を出してOK。それぞれが自分の演出したい雰囲気に合わせて、おすすめの曲を選んでください。感謝の気持ちを伝えて感動的なシーンにしたいときは、歌詞に思いが込められていてサビが盛り上がるような曲がおすすめ。昔からある曲が根強く人気が高い傾向にあります。
『愛をこめて花束を』Superfly
『Marry You』Bruno Mars
『ともに』WANIMA
手紙
両親への感謝の手紙のシーンでは、感動的な歌詞のものを選ぶ方が多いです。今までの親子の絆を感じさせるような曲選びをすることで、ゲストも感情移入できるでしょう。
『ママへ』AI
『未来へ』Kiroro
『ありがとう』いきものがかり
退場
退場時のBGMは、これから新たな人生を歩んでいくふたりを応援するような前向きな歌詞のものや、感動的な歌詞の楽曲が選ばれる傾向にあります。
『君とつくる未来』ケツメイシ
『瞬き』back number
『糸』中島みゆき
エンドロール
エンドロールは新郎新婦と両親が退場した後、ゲストに「結婚式に参加してくれてありがとう」の感謝の気持ちを伝えるウエディングムービーです。最後は感動的に締めるのがベスト。自分たちらしい楽曲をチョイスしましょう。
『愛にできることはまだあるかい』RADWIMPS
『にじいろ』絢香
『Wherever you are』ONE OK ROCK
結婚ソングを選ぶときに気をつけるべきこと
結婚式の打ち合わせが進み、BGM選びの段階になると音源に関してプランナーから説明があります。しかし、早い段顔で結婚ソングを探しておきたい方は、結婚式の音源に関しては念のため早めに、式場に「著作権に関連するルール」の確認をしておきましょう。
式場により音源のルールが異なるので、「CDやデータ音源の持ち込みのみ可能なのか」「式場が所有している音源から選ぶのか」など詳細を確認してから、具体的なBGM選びのステップに進んでください。確認せずに曲選びを始めると、思いがけず「使用不可の曲だった」という残念なケースも少なくありません。
最後に
結婚式で流す曲は、全体の空気やゲストの心情を決める重要な役割があります。どちらか一方に任せるのではなく、ふたりがそれぞれこだわって選曲してください。
必ずしも、定番の結婚ソングを選ぶ必要はありません。自分たちの思い出の曲と、演出したい雰囲気を上手く組み合わせて選曲することが大切です。素敵な結婚ソングを選んで、自分たちらしい結婚式にしましょう。
執筆
吉川沙織(よしかわ・さおり)
結婚式場内の衣装室や路面店にて衣装スタイリストとして勤務。挙式当日の着付けや、前撮り撮影などに携わる。趣味はピクニック。海外・国内ウエディングの流行チェックも好きです。
ライター所属:京都メディアライン