「ドッペルゲンガー」を知っていますか
「ドッペルゲンガー」という言葉を知っていますか? 「ドッペルゲンガー」は都市伝説などでも取り上げられる現象ですが、それほど知られていないかもしれません。
「ドッペルゲンガー」が何を指すのか、似た言葉を見ていきましょう。また、最近話題の「ドッペルゲンガードメイン」についても、紹介します。
意味
ドッペルゲンガー【(ドイツ)Doppelgänger】
読み方:どっぺるげんがー
自分とそっくりの姿をした分身。自己像幻視。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「ドッペルゲンガー」は、ドイツ語です。自分とそっくりの存在を認識することを指しますが、それは「ちょっと似ている」「どこか似ている」というレベルではありません。「ドッペルゲンガー」は、鏡を見ているかのごとく、自分とそっくりな誰かを外に認識することを指すのです。
「ドッペルゲンガー」は超常現象?
「ドッペルゲンガー」は、「自己像幻視」と呼ばれる幻覚の一種とされてきました。自己像幻視は、自分の姿を見る現象のことで、視覚にのみ現れます。短時間で消えることが多く、鏡に映っているかのように自分の姿勢や動きを真似しますが、意図やアイデンティティを持つことはないとされています。
しかし、第三者がまったく違う場所でその人を目撃したという例や、同じ人物が同時刻に別の場所で確認された例、それが複数に及んだ例などがあるとされ、これらを現在の自然科学で説明することは難しいとする側面も。そのため「ドッペルゲンガー」は、都市伝説や超常現象の一つとして扱われることがあります。
「ドッペルゲンガー」の使い方
「ドッペルゲンガー」という言葉は、どのように使うのでしょうか? 例文を挙げて紹介します。
例文で使い方を確認
《例文》
・ドッペルゲンガーについて調べれば調べるほど、恐怖を感じた
・ドッペルゲンガーを見たら、どうすればいいのだろう
・ドッペルゲンガーと出会ったら、死んでしまうって本当ですか?
・私のドッペルゲンガーがいるとして、どのような人生を送っているのかと考える
「ドッペルゲンガー」は、「見る」「いる」「出会う」などの言葉とともに使うことが多いでしょう。
「ドッペルゲンガー」と似た言葉は
ここからは、「ドッペルゲンガー」と似た言葉を紹介します。それぞれの意味をチェックしていきましょう。
「分身」
一つの本体が二つ以上に分かれることや、そうして分かれて生まれた身のこと。「ぶんしん」と読みます。「分身」には他にも意味があり、生まれた自分の子供を指す場合や、仏・菩薩(ぼさつ)が人々を救うために、仮の姿でこの世に現れることを指すこともあります。「ドッペルゲンガー」と意味は近いと考えていいでしょう。
《例文》
・街で見かけた男性が彼にそっくりで、彼の分身かと思うほど似ていた
「そっくり」
非常によく似ているさまを表します。区別がつかないほど同じように見えたり、感じたりすることを指すと考えてください。ちょっとだけ似ているというよりは、見分けがつきにくいと感じるほど似ている場合に使われます。
《例文》
・友達と双子コーデをしたら、「そっくりで見分けがつかない」といろんな人に言われた
「瓜二つ」
縦に二つに割った瓜のように、親子・兄弟などの顔かたちがよく似ていることのたとえ。この言葉も見た目がそっくりなことを表しますが、親子や兄弟に対してのみ使います。「ドッペルゲンガー」とは意味が異なりますね。
《例文》
・親戚が言うには、私は亡くなった祖母に瓜二つだそうだ
「生き写し」
外見・態度の見分けがつかないほどよく似ていること。肉親や特定の人にとても似ていることを指します。
《例文》
・娘さんは、あなたのお母さまの生き写しで私は驚きました
「酷似」
非常によく似ていることを表す言葉です。人に対してだけでなく、物に対しても使われています。
《例文》
・私と彼女は、外見が酷似しているとお互いに思っている
「ドッペルゲンガードメイン」とは
インターネットの世界で知られる、「ドッペルゲンガードメイン」について紹介します。インターネットにおける詐欺に関連することですので、把握しておくことをおすすめします。
「ドッペルゲンガードメイン」について
「ドッペルゲンガードメイン(doppelganger domain)」は、正規の企業やサービスなどのウェブサイトのドメインと、わずかに綴りが異なるものを指します。ユーザーのタイプミスや見間違えなどを利用し、Webサービスのドメイン名を見かけ上、そっくりと認識させ、ユーザーを誤認させることを意味すると考えてください。
「ドッペルゲンガードメイン」は、フィッシング詐欺(クレジットカード番号や暗証番号などを不正入手する詐欺行為)や、個人情報を不正に収集する悪意あるサイトなどで用いられているとされます。
また、中間者攻撃(コンピューターネットワークなどで、暗号通信を行なう二者の間に悪意ある第三者が割り込み、盗聴したり介入したりする手法)などにも悪用されることがあります。
「ドッペルゲンガードメイン」の特徴
「ドッペルゲンガードメイン」のサイトは、正規のサイトと見分けがつかないほど類似しています。そのため、ユーザーは気がつかずにIDやパスワード、クレジットカード番号などの個人情報を入力してしまい、トラブルにつながることがあります。
また、ユーザーの入力ミスをあらかじめ想定し、「ドッペルゲンガードメイン」を取得している場合や、悪意あるサイトが意図的に取得し、ユーザーにメールなどでURLを案内するというケースがあります。
「ドッペルゲンガー」は作品にもなっている
都市伝説の一つとされる「ドッペルゲンガー」は、様々なジャンルの作品にもなっています。日本の文学作品では、芥川龍之介の短編『二つの手紙』(1917年)に登場。この時点で「ドッペルゲンガー」は、人々に知られていたということがわかりますね。
現代においては、ファンタジーやミステリー、アニメなどの分野で取り上げられています。科学では説明できないという側面を持つため、今後も人々の興味をひき続けるでしょう。
最後に
「ドッペルゲンガー」について紹介しました。自然科学では解明できないこともあり、都市伝説や超常現象の一つとして扱われることもあります。本文で紹介した「ドッペルゲンガードメイン」は、詐欺に悪用されることが多いため、これは内容や意味をきちんと把握しておきたいですね。
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