「バリュー」とはどういう意味?
バリューは「価値」「価格」を意味する英単語ですが、ビジネスシーンでは企業の持つ価値観を表します。企業のバリューとはどのようなものかを紹介します。
企業の価値観のこと
「バリュー(value)」とは、「価値」「価格」などの意味を持つ英単語です。ビジネスの世界では、企業の価値観を表す言葉としてバリューが使われる傾向にあります。
バリュー
1 価値・値打ち。対価。また、評価。「ニュース—」「ネーム—」
2 絵画で、色彩の明暗。また、その度合い。色価。
(出典:小学館 デジタル大辞泉)
企業が果たすべき使命や目的に対して、それをどのように達成するのかを示す指針となるのがバリューです。企業で働く従業員にとって、行動や意思決定を行う際の基準となる、非常に重要な考え方といえます。
企業全体にバリューを浸透させることで、大勢の従業員が同じ方向に向き、目的を達成できるのがメリット。企業の根本的な考えや価値観を意味するバリューは、使命や理想をどのようにかなえるかを示す言葉といえるでしょう。
「クレド」との違い
「クレド」とはミサ典礼の式文の一つであるラテン語で、「信条」「志」「約束」などといった意味合いで使われています。行動の指針となるものを表している点で、バリューと近い意味を持った言葉といえます。
ただし、バリューはあくまでも企業の判断基準を表す言葉です。クレドは企業全体というより、そこで働く従業員個人に対しての指針として使われている傾向にあります。
企業の価値観を表すバリューは内容が抽象的に感じられることが多いのに対し、クレドはより具体的なので実際の行動に生かしやすいかもしれません。
「バリュー」の必要性
企業全体の指針となるバリューは、企業にとって何が大切かを示す価値基準でもあります。バリューを定めておくことで、従業員の行動や考えが同じ方向を向く助けにもなり得るのです。
大勢の従業員が属している企業では、個人の判断に頼るだけでは個々の行動がバラバラになってしまう恐れも。分かりやすい判断基準がほしいなら、バリューを示すのも一つの方法でしょう。
バリューを示して企業側の価値観を明確にすることは、最終的な目標の達成にもつながっていきます。企業全体のパフォーマンスを上げるためにも、バリューという形で考え方を共有することが重要とされているのです。
「ミッション」「ビジョン」との違い
企業全体の目標を表す言葉には、「ミッション」や「ビジョン」などがあります。バリューとの違いや、それぞれの特徴を解説します。
「ミッション」は企業の目的・使命
ミッション(mission)とは、「使命」「任務」などの意味を持つ英単語です。ビジネスシーンでは企業の目的や使命という意味で用いられており、企業理念に近い概念を持ち合わせています。
1 使節。また、使節団。「政府が—を派遣する」
2 使命。重要な任務。「—を遂行する」
3 キリスト教の、伝道。布教。宣教。また、伝道団体。伝道組織。
4 「ミッションスクール」の略。
5 「トランスミッション」の略。
(出典:小学館 デジタル大辞泉)
バリューが企業の価値観を表すのに対して、ミッションは企業の存在意義にあたる言葉です。企業の使命であるミッションを実現するために、判断の指針となるバリューが必要になることを理解する必要があるでしょう。
ミッションは、サービス・製品を提供する際の基準としても役立つ考え方です。企業が何のために存在しているかを表すものでもあるため、基本的には長年変わらない指針として定められます。
「ビジョン」は企業の目標・理想
ビジョン(vision)は、「視覚」「映像」「空想」などさまざまな意味を持っています。日本語では「ビジョンを抱く」のように、将来的な見通しを表す言葉として使われるのが一般的です。
1 将来の構想。展望。また、将来を見通す力。洞察力。「リーダーに—がない」「—を掲げる」
2 視覚。視力。また、視覚による映像。
(出典:小学館 デジタル大辞泉)
ビジネスにおけるビジョンとは、企業がどのような姿を目指すかという理想像を表しています。将来的な目標となるビジョンを設定することで、そのためにすべきことが分かりやすくなるのがメリットです。
ビジョンは企業の経営方針にも関係するため、理解しやすい具体的な言葉で表現することも欠かせないといえるでしょう。明確なビジョンを示すことは、ミッションの達成につながる重要なポイントです。
「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)」の重要性
「MVV」とは、「ミッション(mission)」「ビジョン(vision)」「バリュー(value)」の頭文字を取った略称です。企業としてMVVを設定し、従業員や顧客に対して示す意義を解説します。