婉曲表現の多用に気を付ける
婉曲表現を多用すると、かえってネガティブな印象を与える可能性があります。場合によっては、「物事をはっきりと伝えられない人」と受け取られてしまうこともあるでしょう。
メールでは、婉曲表現を冒頭のあいさつや締め言葉などに用いるのがおすすめです。本文で直接的な表現を用いることで、伝えるべき内容が明確になります。不安なときはメール文を読み返したり、社内の人に確認をとったりしてみましょう。
遠回しになりすぎないようにする
婉曲表現は、物事を遠回しに伝える表現です。場合によっては、露骨な表現を避けるあまり内容が伝わらない可能性があります。
とくに、ビジネスシーンでは注意が必要です。伝えるべき内容が伝わらないと、業務に影響が出てしまうかもしれません。
メールの場合は電話に比べ、内容が伝わりづらくなります。相手を気遣うことはもちろんですが、文章の読みやすさも意識しましょう。
相手に合わせて使い分ける
婉曲表現は、相手に合わせて使い分けましょう。目上の人に婉曲表現を使うのはもちろんですが、親しい間柄で婉曲表現を使っていると相手との間に距離が生まれてしまうかもしれません。
また、明確な意見を求められている場合は、直接的な表現が必要です。クレームを受けている場合、あやふやな返答を続けていると不信感を抱かれてしまいます。婉曲表現は、相手との関係性や状況に応じて使い分けていきましょう。
「婉曲」の類語や言い換え表現
「婉曲」の類語や言い換え表現には、以下2つが挙げられます。どちらも直接的な表現や関わりを避ける言葉です。ここでは、それぞれの意味や言葉の使用例についてご紹介します。
遠回し
「遠回し」は、物事をそれとなく伝えることです。「婉曲」と同様に、直接的な表現を避けた言い方を意味します。
「婉曲」では婉語でやわらかな表現へと言い換えますが、「遠回し」の場合はとくに言い換え用の語句はありません。主に言いづらいことや、あやふやにしたい事象を伝える際に用いられます。
・これ以上、遠回しな言い方はやめてください。
・遠回しな表現では伝えたいことも伝わらないよ。
間接的
「間接的」とは、何かが間に立った状態で物事が関係することです。対義語には「直接的」が挙げられます。直接的な表現を避けるという点で「婉曲」と似た意味合いをもつ言葉です。日常生活やビジネスシーンでは、主に以下のように用いられます。
・間接的ではあるものの、彼はチームに大きく貢献した。
・直接的なものはもちろん、間接的な意見にも耳を傾けるようにしている。
「婉曲」への理解を深めビジネスに活かそう
「婉曲」とは、角が立たないように物事を遠回しに伝えることです。「恐れ入りますが」「残念ですが」なども、婉曲表現にあたります。他者とのコミュニケーションを、円滑に進められる表現です。
一方で、婉曲表現の多用や使うシーンによっては、相手に悪い印象を与えてしまう可能性があります。とくに、物事が伝わりにくいメールなどは注意が必要です。状況によっては、婉曲表現を使わない直接的な回答が求められます。
「婉曲」の正しい意味や使い方への理解を深め、ビジネスのやり取りに活かしていきましょう。
メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock
あわせて読みたい