「経過する日」とは当該日を含む、その日のこと
「経過する日」とは、当該日を含む、その日のことです。たとえば、「実行した日から3か月を経過する日」なら、実行の日から3か月後の日を指します。
決議や契約などが午前0時ちょうどに行われた場合は、「実行した日から3か月を経過する日」は実行した日からカウントを始めますが、午前0時ちょうどではない場合は、実行した日の翌日からカウントを始めます。
決議や契約が真夜中に実施されることは少ないため、実行した日の翌日からカウントを始めることが一般的です。たとえば、4月25日に決議や契約をした場合、4月26日が起算日、7月25日が3か月を経過する日です。
また、「実行した日の翌日から3か月を経過する日」と記載されていることもあります。この場合も「実行した日から3か月を経過する日」と同じで、決議や契約などをした日の翌日が起算日です。4月25日に実行するなら、4月26日が起算日、7月25日が3か月を経過する日です。
「経過した日」とは当該日翌日を含む、その日のこと
「経過した日」とは、当該日の翌日のことです。たとえば、「実行した日から3か月を経過する日」なら、決議や契約をした日から3か月と1日後を指します。
「実行した日から3か月を経過した日」は、決議や契約が午前0時ちょうどに行われた場合を除いて、実行した日の翌日からカウントを始めます。4月25日に実行した場合、4月26日が起算日、7月25日が3か月を経過する日、7月26日が3か月経過した日です。
また、「実行した日の翌日から3か月を経過した日」と記載されている場合も、「実行した日から3か月を経過した日」と同じで、決議や契約をした日の翌日からカウントを始めます。
4月25日に実行するなら、実行した日の翌日である4月26日が起算日、7月25日が3か月を経過する日、7月26日が3か月経過した日です。
「経過」が使われる専門用語
「経過」という言葉は、さまざまな業界で使われます。業界固有の用語として使われることもあるため、意味を正確に把握しておくことが大切です。特定の業界で使用されるだけでなく、業界外でも耳にすることが多い専門用語についていくつかご紹介します。
【看護】経過記録
看護師は、患者の病状の変化を「経過記録」として記録しておくことが求められます。詳細な経過記録を記載することで、患者にとってどのような治療やアプローチが有効であったのか、反対に効果が見られない治療やアプローチはなにかを特定しやすくなります。
また、近年、チーム医療を実践している医療機関が増えました。さまざまな医療従事者がチームとして一人の患者に対応することで疾病の早期発見や重症化予防、生活の質の向上を期待できるだけでなく、医療の重複を回避し、医療従事者の負担軽減も実現できます。
チーム医療を円滑に進めるためにも、経過記録が欠かせません。看護や治療の記録を正確に記録することで、チーム全員が正確な情報を共有できます。なお、看護の経過記録には、以下の情報などを含めることが一般的です。
・患者情報
・アセスメント
・看護計画
・看護実施記録
・看護評価
【医療】経過観察
医療では、「経過観察」という言葉が使用されることがあります。経過観察とは、積極的な治療を行わず、症状の変化を時間をかけて観察することです。
たとえば、画像検査から良性の可能性が高いと判断される腫瘍については、切除などの処置を行わずに経過観察することがあります。また、自然治癒する可能性がある場合も、患者の身体に与える負担を軽減する目的で、経過観察を選択することもあります。
【医薬品・歯科材料】経過措置
日常会話の中でも「経過措置」という言葉が使われますが、医薬品・歯科材料では特別な意味で用いられることがあるため注意が必要です。医薬品・歯科材料関係で「経過措置」というときは、品名変更や供給廃止のための期間を指します。
販売されている医薬品や歯科材料は、需要がないなどの理由から製薬会社が供給を停止したり、医療事故防止のために類似した名称が変更されたりすることがあります。
経過措置の期間中は保険請求が認められますが、経過措置期間が終了すると当該薬品・材料は保険請求できません。
【インボイス】経過措置
インボイス(適格請求書)でも、「経過措置」という言葉が使われることがあります。
インボイス制度が施行されたことで、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入については仕入税額控除を実施できなくなりました。
しかし、2023年10月1日から一定期間内は、経過措置として仕入税額相当額の50~80%を仕入税額とみなして控除することが可能です。
【ビジネス】経過報告書(経緯報告書)
ビジネスにおいてミスやトラブルが発生したとき、「経過報告書」の提出を求められることがあります。経過報告書とは発生したトラブルの経緯を共有するための書類で、問題が解決していない段階で作成・提出することが一般的です。「経緯報告書」と呼ぶこともあります。
経過の意味や使い方を正確に理解しておこう
「経過」は日常会話でも用いられる言葉ですが、法令や契約でも使う言葉のため、意味を正確に理解していないとトラブルに発展することもあります。
とくに「経過する日」と「経過した日」は使用頻度が高いため、正確に意味を理解しておきましょう。
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