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2025.01.07

役職定年とは? 制度の基本から最近の動向まで分かりやすく解説【社労士監修】

人材流出リスク

役職定年制度には、人材流出のリスクが高くなるというデメリットも。特に、経験豊富で優秀な人材が、役職定年後に転職していってしまうというケースはよく耳にします。一律に年齢で判断するのではなく、仕事の成果に応じて評価される仕組みを作ることも大切でしょう。

制度への批判と年齢差別問題

役職定年制度は、現時点では、高年齢者雇用安定法などの法律に沿った合理的なものであれば、違法とはみなされません。ただ、「年齢で一律に判断されるのは、年齢差別では?」という批判も出てきているのも事実です。さらに、「今の時代に合っていないのでは?」という意見も。

なお、厚生労働省は、役職定年に関して見直しが求められていると呼びかけていますよ。そのため、最近では役職定年制度を廃止するという企業も。今後は、多様な年代が活躍できる企業づくりが求められているともいえるでしょう。

参考:令和6年9月30日厚生労働省報道発表資料「高齢者の活躍に取り組む企業の事例を公表します」

役職定年制度廃止や新たな動き

近年、役職定年制度を廃止する企業や、新しい取り組みを実践している企業も増えてきています。ここからは、制度廃止や、新たな取り組みの事例も見ていきましょう。

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(c) Adobe Stock

制度廃止の動きとその理由

役職定年制度を廃止する動きが出てきた背景には、前述の通り、厚生労働省が、「働く意欲がある人が、年齢にかかわりなく働けるような組織づくり」を呼びかけているということがあります。

また、少子高齢化や働き手の不足、採用難などの理由もあるでしょう。そのため、役職定年制度を廃止し、成果やスキルに応じた評価制度へ切り替えるケースも増えてきています。

役職定年を補完する新たな取り組み

一定の年齢になった時に、働き方やポジションを選べるような制度に変えている企業も。例えば、ある企業では、50歳時点で、希望や成果に応じて、今後の仕事内容や働き方を選べるような制度を導入しました。

例えば、これまでの専門的な知識を活かして働く「プロフェッショナルコース」や、「新人教育担当コース」など、さまざまなコースを用意しています。また、引き続き管理職として活躍することも選べるようにしているというのも注目すべきポイントでしょう。

最後に

この記事では、役職定年制度の基本や背景、最近の動向や新しい取り組みなどを解説しました。多様な人材の活躍が注目されている現代、役職定年は何かと話題になっている制度です。今後のキャリアプランなどにも大きく関わってくるキーワードですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

TOP画像/(c) Adobe Stock

画像ALT

執筆

塚原社会保険労務士事務所代表 塚原美彩(つかはら・みさ)

行政機関にて健康保険や厚生年金、労働基準法に関する業務を経験。2016年社会保険労務士資格を取得後、企業の人事労務コンサル、ポジティブ心理学をベースとした研修講師として活動中。趣味は日本酒酒蔵巡り。
事務所ホームページ:塚原社会保険労務士事務所

ライター所属:京都メディアライン

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