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LIFESTYLE 雑学

2025.02.24

オープン・クエスチョンとは? 相手の本音を引き出す質問テクニック

回答者がプレッシャーを感じやすい

大きなデメリットとして挙げられるのが、回答者にとっては負担がかかりやすいという点です。自由に答えられる反面、どう答えればよいか悩む時間が必要にもなるからです。

たとえば「今後のキャリアについてどう考えていますか? 」と聞かれた場合、回答者は自分の経験や将来の展望を整理し、言葉にまとめる必要があるでしょう。これには時間と思考力を要します。

また、プライベートな内容を聞かれると、どこまで話すべきか判断に迷うこともあるはずです。したがって、状況や相手との関係性を考慮し、適切に使用することが重要といえます。

話がそれる可能性がある

オープン・クエスチョンは、相手の自由な発言を促す反面、話がそれてしまう可能性も。

たとえば、おすすめの旅行先を聞き出す目的で「旅行で印象に残った場所はどこですか? 」と尋ねた場合、相手は好印象だった旅行先の情報だけでなく、記憶に残った景色や食事など、さまざまな話題に触れるかもしれません。これは新たな情報を得る機会にもなりますが、本来の目的から外れてしまうことにもなり得ます。

特にビジネスの場面では、質問できる時間には制約があるため、話が脱線すると効率が落ちる場合があります。また相手が話好きな場合、質問の意図とは異なる方向に会話が進んでしまうこともあるかもしれません。

回答の質が信頼関係に左右される

オープン・クエスチョンの効果は、相手との信頼関係に大きく左右されます。信頼関係が築かれていない状況では、相手は本音を語ることをためらい、表面的な回答に終始するケースもあるかもしれません。

たとえば「仕事の満足度はどうですか? 」という質問に対し、信頼関係が薄い上司に対しては「普通です」と曖昧な返答をしがち。一方、信頼できる上司には「実は新しいプロジェクトに挑戦したいと考えています」などと本音を打ち明けるかもしれません。

このように、オープン・クエスチョンの効果を最大限に引き出すには、日頃からの良好な関係構築が欠かせないといえるでしょう。

クローズド・クエスチョンもチェック

オープン・クエスチョンの対義語が「クローズド・クエスチョン」です。ここでは、クローズド・クエスチョンの基礎知識を解説します。オープン・クエスチョンに関する知識とセットで押さえましょう。

部下 無反応

(c)AdobeStock

限定した選択肢から回答を促す質問を指す

クローズド・クエスチョンは、回答者に限定された選択肢から答えを選んでもらう質問手法です。

たとえば「今の仕事で充実感を得られていますか? 」といった「はい」か「いいえ」で即答できる質問や、「お気に入りの季節はいつですか? 」のように複数の選択肢から一つを選ぶ形式の質問がクローズド・クエスチョンに当たります。

クローズド・クエスチョンは、具体的な情報を素早く収集したい場合や、回答者の意見を明確に把握したいときに効果的とされます。

クローズド‐クエスチョン(closed question)
回答を限定する質問。選択肢を用意して、その中から選ばせる質問。「はい」か「いいえ」を選ぶものや、「犬と猫ではどちらが好きか」といった質問など。⇔オープンクエスチョン。
引用:小学館 デジタル大辞泉

クローズド・クエスチョンの例文

クローズド・クエスチョンの例文には、以下のようなものが挙げられます。

・この商品を購入する予定はありますか?
・間食を食べる習慣はありますか?
・A社とB社、どちらの製品が良いと思いますか?
・来週末に何か予定はありますか?
・新しい職場環境には慣れましたか?
・このサービスを友だちに勧めますか?

これらの質問は、「はい」か「いいえ」、もしくは限定された選択肢から回答を選ぶ形式になっているため、クローズド・クエスチョンといえます。

クローズド・クエスチョンの活用シーン

クローズド・クエスチョンは、特定の状況下で非常に効果的です。たとえば、時間が限られている場合や、具体的な事実確認が必要なとき、会議の日程調整や簡単な意思決定の場面でも活用できます。

また、アンケート調査や顧客満足度調査などでも頻繁に使用される傾向にあります。選択肢が明確なため、回答の集計や分析が容易になるのです。

ビジネスシーンでは、商談の最終段階で購買意思を確認する際にも効果的といえます。「こちらの商品をご購入いただけますか? 」といった直接的な質問をすれば、相手の意志を齟齬なく確認できるでしょう。

クローズド・クエスチョンのメリットとデメリット

オープン・クエスチョンと同様に、クローズド・クエスチョンにも長所と短所があります。相手と会話を楽しむために知っておきたい、クローズド・クエスチョンのメリットとデメリットを見ていきましょう。

会話する男性と女性

(c)AdobeStock

【メリット】回答者が答えやすい

クローズド・クエスチョンのメリットとして挙げられるのが、回答者が答えやすいという点です。選択肢に絞られているため、回答者は迷わずに答えることが可能です。たとえば「今日の気分は良好ですか? 」という質問に対しては「はい」か「いいえ」で比較的簡単に答えられるでしょう。

適切な選択肢さえ用意できれば、回答者は直感的に当てはまる方を選んで回答することができます。クローズド・クエスチョンを使用する際は、質問の意図を明確にし、相手が答えやすい選択肢を用意することが重要です。

【デメリット】回答者にストレスを与えかねない

クローズド・クエスチョンは一見便利ですが、回答者にストレスを与える可能性も考えられます。限られた選択肢から答えを求められるため、自分の考えを十分に表現できないフラストレーションを感じることもあるかもしれません。

たとえば「現在の仕事に納得できていますか? 」という質問に対し、単純に「はい」か「いいえ」では答えられない複雑な感情を抱いている場合、回答者は困惑してしまう可能性も。

また、用意された選択肢が回答者の意見を反映していない場合、合致しない回答を選ばざるを得ない状況に陥ることもあるでしょう。これは正確な情報収集を妨げ、誤った結論に導く可能性をはらみます。

さらに、プライベートな質問や微妙な話題について「はい」か「いいえ」で答えることを求められると、回答者は不快感を覚えるかもしれません。

メイン・アイキャッチ画像:(c)AdobeStock

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