「主査」と聞いて、どのような役職か、すぐにわかるでしょうか? 主に地方自治体で使われることの多い役職です。「主査」には、高度な専門性が求められますよ。本記事では、「主査」の具体的な職務内容や他の役職との違い、英語表現について解説していきます。
主査の定義と役割とは?
まずは、「主査」の定義を確認し、業務内容について見ていきましょう。
主査の定義と基本的な役割
「主査」は、「しゅさ」と読みます。辞書の定義を確認すると、次のように説明されていますよ。
しゅ‐さ【主査】
主になって調査・審査をすること。また、その役目の人。「卒業論文の―」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
つまり、「主査」とは調査や審査を主導する役割を持つポジションです。特に国の機関や地方公共団体において、専門的な業務を担当する役職として位置づけられています。
また、一部の民間企業でも「主査」という役職を設けている場合がありますよ。その場合、業界や企業によって役割が異なり、主にプロジェクトの管理や審査、分析業務などを担当することが多いでしょう。

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主査は他の役職とどう違う? 主任・係長・課長との比較
「主査」という役職は、主任、係長、課長とどのように異なるのでしょうか? それぞれの役割を比較しながら、主査の独自性を明確にしていきましょう。
主査と主任との違いは?
「主任」の定義を確認します。
しゅ‐にん【主任】
その任務を中心になって行う人。また、その任務の担当者の中で上席の人。「数学科の―」「警備―」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
主任は、現場業務のリーダー的な存在であり、特定の業務やプロジェクトの管理を担当します。例えば、特定の部署やチームで業務を進める際、実務レベルでの責任を負い、メンバーを指導する立場です。
一方で、主査は主任よりも上位のポジションとなることが一般的です。主査の役割は、組織全体の目標達成に向けた統括的な業務を担います。単なる現場リーダーではなく、より広範な視野で調査・分析を行いますよ。
主査と係長との違いは?
「係長」の定義を確認します。
かかり‐ちょう〔‐チヤウ〕【係長】
官庁・会社などでの役職の一。その部署の係員の長で、普通は課長の下の地位。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
係長は、課長の下でチームをまとめる役職であり、現場の業務執行を管理するリーダー的な立場です。部下を統率し、チームの目標達成に向けて調整を行う役割が求められます。一方、主査は特定の専門分野において調査・分析を担うポジションです。
組織によっては、主査と係長が同じ職位に位置付けられることもありますが、主査は専門性を生かした業務遂行が求められるのに対し、係長はチームマネジメントに重きを置くという点が違いとなるでしょう。
主査と課長との違いは?
「課長」の定義を確認します。
か‐ちょう〔クワチヤウ〕【課長】
官庁・会社などで、一つの課を統括・管理する職。また、その人。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
課長は、課の責任者として組織全体を統括し、意思決定を行う管理職です。係長を取りまとめ、部下の業務を調整しながら、組織の目標達成を推進します。一方、主査は専門的な業務を担うポジション です。
組織によっては、主査は係長と同等の職位とされることもあれば、課長補佐級として位置付けられることもあります。いずれにしても、主査よりも課長の方が上位です。

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主査の英語表現は?
英語で役職や肩書を表現する際は、実際の仕事内容を踏まえた上で適切な単語を選ぶことが重要です。「主査」は、組織によって職務内容が異なるため、以下のような英語表現が適切だと考えられます。
・Assistant Manager:管理職の補佐的な立場である場合に適用される表現
・Project General Manager:特定のプロジェクトを統括する立場で使われる表現
最後に
「主査」という役職は、組織によって位置付けや役割が異なります。しかし、共通しているのは専門的な知識や経験を生かし、調査・分析・企画立案などの重要な業務を担うポジションであるということです。
「主査」という役職に就くことで、業務の幅が広がり、より大きな視野で組織運営に関わる機会も増えます。将来的に管理職やさらに上位のポジションを目指すためのキャリアアップのステップ としても重要な役職の一つといえるでしょう。
それぞれの組織で求められる「主査」の役割を理解し、適切なスキルを身につけることで、さらに活躍の場を広げてくださいね。
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