水着は中性洗剤で手洗いが安心。洗濯機を使うときは、ネットに入れ、弱水流・短時間モードで負担を最小限にすること。
Summary
- 水着は素材がデリケート。正しい洗い方で型崩れや色落ちを防げます。
- 基本はぬるま湯+中性洗剤の手洗い。洗濯機派はネット&弱水流がカギ。
- 新品や競泳用水着は“水通し”と陰干しで長持ちケアを。
夏本番やプールに入るシーズンになると、頻繁に使う水着。しかし、うっかり自己流で洗ってしまうと型崩れや色落ちの原因になります。そこで、この記事では、初心者でも安心して水着を洗濯する方法を、創業80余年の歴史を持つ京都発祥の染み抜き・お直し専門店である「きものトータルクリニック吉本」さんにお聞きしました。
洗濯機を使いたい人向けのコツや、新品・競泳水着など特別なアイテムのケア方法も紹介。忙しい毎日でも実践しやすい工夫を詰め込みました。
水着を長持ちさせる洗濯方法とは? 初心者でもできる基本のケア
水着は、他の衣類とは違い、扱いに繊細さが求められるアイテムです。特に夏場は使用頻度が高まるため、洗い方を知らないまま使い続けると、あっという間に劣化してしまいます。ここでは、水着の基本的なケア方法を解説します。

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なぜ水着は特別な洗い方が必要なのか?
水着は、肌にフィットさせるためにポリウレタンやスパンデックスなどの伸縮性素材が使われています。これらの素材は、汗や塩素、日焼け止めなどと反応しやすく、放置すればすぐに生地が傷んでしまいます。加えて、乾燥機の熱や強い摩擦も劣化を早める原因に。
見た目は丈夫そうに見えても、実はとても繊細。こうした理由から、水着には通常の衣類とは異なる洗い方が求められます。
水着の洗濯、手洗いと洗濯機どちらが正解?
結論から言うと、時間と手間に余裕があれば手洗いが安心です。ぬるま湯に中性洗剤を溶かし、水着をやさしく押し洗いします。このとき、こすったり絞ったりせず、上下に軽く押すようにして汚れを浮かせるのがコツです。
一方、忙しい日常では手洗いが難しいこともあるでしょう。そんなときは、洗濯機に頼っても問題ありません。ただしその場合は、専用のネットに入れ、弱水流で短時間モードを選ぶなど、負担を最小限にする工夫が必要です。

洗剤選びと温度設定のポイント
水着は、洗剤の種類にも敏感です。一般的な粉末洗剤や漂白剤入りのものは避け、中性洗剤を選ぶと安心。中性洗剤は洗浄力を保ちつつ、素材を傷めにくいため、家庭でのおしゃれ着ケアに適しています。
水温にも注意が必要で、30℃以下のぬるま湯が推奨されます。温度が高いと、ポリウレタンなどの伸縮素材が硬くなりやすく、ひび割れや縮みの原因になります。洗剤量も必要最小限で十分。洗剤の入れすぎは、すすぎ残しによる肌トラブルにもつながるため注意が必要です。

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洗濯機使用時に避けたいNG行動
洗濯機を使う際に最も避けたいのが、脱水時間のかけすぎです。強い遠心力は水着の形を大きく変えてしまいます。脱水は10〜20秒以内にとどめ、あとはバスタオルで水分を吸わせると、型崩れを防ぎながら乾きも早まります。また、柔軟剤は使わない方が賢明です。仕上がりの香りや肌ざわりは向上しますが、素材本来の伸縮性を弱めてしまうことがあります。
最後に、ファスナー付き衣類やタオルなど毛羽立ちの多いものと一緒に洗うのは避けるのが無難です。水着が絡まったり、毛羽が付着してしまう場合があります。
新品・競泳水着はどう洗う? 特別なケアのコツ
一般的な水着と異なり、新品や競技用の水着には特別な配慮が求められます。買ったばかりの水着に色落ちや縮みが起きてしまうと、着用のたびにがっかりすることになります。そんなことにならないよう、ここでは新品や競泳用水着に限定した、洗い方と扱い方の注意点を紹介します。
新しい水着を初めて洗うときのポイント
新品の水着は、見た目には問題がなくても、製造段階で加工剤や染料が表面に残っている場合があります。そのまま使うと肌トラブルや色落ちにつながる可能性があるため、最初に“水通し”をしておくと安心です。ぬるま湯だけで軽く押し洗いし、タオルで水分を取り、陰干しをして、しっかり乾かします。洗剤は使わなくて構いません。