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2019.06.15

「もう家には戻れない」と宣告されてから、半年【うちのダディは脳梗塞10】

アラフォーにして介護歴は4年という、元カリスマモデルの佐藤えつこさん。20代でデザイナーに転身して順調にキャリアを重ねていた35歳のとき、父親が脳梗塞で倒れ、人生が一変しました。けして他人事ではない人生の悲喜こもごもと介護のリアル。今回は、回復期病棟からの退院準備について。うちは介護はまだまだ……と思っている人も、流れを知っておくだけでも安心です。

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「退院」の言葉に反応

入院から5か月。季節は春になっていました。回復期病棟での入院期間は症状によって異なりますが、ダディのような脳梗塞、高次脳機能障害の場合は、150~180日と決められています。

前回のお話▶︎絶対に涙を見せなかった父が、子供のようにわんわん泣いた【うちのダディは脳梗塞9】

在宅生活に向けて、PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語療法士)のみなさんに対応の仕方を教わることに。内容は、車いすやベッドへの移動、オムツのつけ方、筋肉のほぐし方、自宅でのリハビリの訓練などなど。

さらにPTさんが家に来て、介護しやすい環境づくりの提案もしてもらいます。手すりの位置や段差対策、家や生活に合わせた車いす選び、介護ベッド選び、、、。

本当にやることが多いし、認知能力や言語能力が戻っていなければ、自分で判断できないことばかりです。家族がなかなか面会に行けない人や、ひとり身の人はどうするんだろう?

これまでも月に一度、医師も同席するリハビリ経過報告会で専門家からアドバイスをもらい、家族からの希望を伝える場がありましたが、最後の全体面談では、ケアマネージャー、往診の先生、訪問看護師、訪問リハビリ、介護品を扱う業者さんの紹介をしてもらいました。

これからは、この人たちとお付き合いをしていくんだ。

ダディはというと、このころになると、リハビリを受けたくなくて寝たふりをするなど、ワル知恵がついてきました(笑)。一方で、自分の友人がお見舞いに来てくれたときは、変わり果てた姿を見られたくないのか、居心地悪そうにしています。

〝退院〟という言葉がなんとなくわかってきたダディは、毎日、自分は今日退院できる…と思い込んで喜んで、、、。その都度、家族が「今日じゃないよ、10日後だよ」、「1週間後だよ」「5日後だよ」と伝えては、またそのたびにガックリ、いじけてしまうことも。この時期あたりから、ダディは同じことを繰り返すようになっていきました。

それでも、意思表示もほとんどできなかった入院当初に比べると、少しずつではあるけれど、確かな変化が表れていたんです。

2015年3月26日。

「もう、家に戻ることはできないでしょう」
医師からそう宣告されていた半年前。

国で決められた期間をフルに入院して、ダディはついに家に帰ってくることができました。

その日のダディのうれしそうな顔は、今でも忘れられません。

イラスト/佐藤えつこ 構成/佐藤久美子

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▶︎だれにでも起こりうる介護のリアルって?元モデルの介護奮闘記【うちのダディは脳梗塞】

佐藤えつこ
佐藤えつこ

1978年生まれ。14歳で、小学館『プチセブン』専属モデルに。「えっこ」のニックネームで多くのティーン読者から熱く支持される。20歳で『プチセブン』卒業後、『CanCam』モデルの傍らデザイン学校に通い、27歳でアクセサリー&小物ブランド「Clasky」を立ち上げ。現在もデザイナーとして活躍中。Twitterアカウントは@Kaigo_Diary

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