新型コロナウイルスの拡大を止めるため、3月下旬から州全体でロックダウンに入ったハワイ。テレビではゴーストタウンになった光景が報道されていましたが、実際はどうなのか?現地ママ友(mimi horiuchiさん)から届いたハワイの”いま”を紹介します。
ウィンウィンに支え合える、粋なキャンペーンが話題に。
ハワイでは他の国はおろか、ハワイ州外、他の島からもオアフ島に来た場合は14日間の自己隔離が義務付けられ、観光客は激減。3月のハワイの失業保険の申請者は10万人を超えたそうです。3月23日には「Stay at home, Work at home order」が出され、違反者には5,000ドル(日本円で約54万円)以下の罰金または2年以下の禁固、もしくはその両方が科される事態に。
そんななか、食でハワイの経済危機を救うキャンペーン「Keep Hawaii Cooking」が話題になっているんです。これはハワイのローカル銀行「セントラル・パシフィック・バンク」とその財団が始めたもの。キャンペーンに参加しているローカルレストランでテイクアウトすると、その代金の50%を払い戻してくれるという制度(1日1回100ドル(約10,900円)までの会計を上限とし、返金額が100,000ドル(約1,090万円)になるまで続くそう)で、返金して欲しい人は購入した食べ物の写真を撮り、SNSに投稿するだけ。最後にレシートの写真をとって「Keep Hawaii Cooking」に贈ると、返金申請のWebサイトのリンクが送られてきて、そこに必要事項を入力すれば完了!という、なんとも簡単システム。在宅勤務が続き、自宅で料理をすることが多くなる中、こうやってローカルスーパーで買い物をし、ローカルレストランのテイクアウトを利用するキャンペーンはとてもいいアイデアですよね。日本でもQRコード決算会社が○%キャッシュバックキャンペーンをやっていますが、銀行が主導となって地元の食をサポートするのは、ハワイならではの粋なはからいですよね。
地産地消の食材宅配「カウカウボックス」でクオリティの高い”おうちご飯”を!
また、おこもり生活のご飯作りに疲れ果てた人に、新鮮な魚や果物、野菜、スープにデザート、卵やパンにいたるまで、グルメシェフが選んだ地元の食材が玄関先に届く宅配サービス「カウカウボックス」も話題に。こちらは自宅の冷蔵庫にあるものと組み合わせると、約1週間分のご飯になる構成で135ドル(約14,700円)。HPにはこの「カウカウボックス」だけでなく、こんな状況でも季節のイベントを楽しく、手軽に取り入れることができる”イースターボックス”まで用意されているのだから驚きです♡
ちなみにホールフーズやタイムススーパーマーケットなどの現地のスーパーでは、営業時間前の1時間を「シニアアワー」として設定しており、お年寄りや持病持ちの方のみが優先的に買い物できるシステムになっているんだそう。日本ではいまだトイレットペーパーやパスタなどの保存食が品薄ですが、このような取り組みもあって、ハワイでは「トイレットペーパーはもういらないわ!」なんていう、老夫婦にも遭遇したのだとか。素敵すぎる、アロハ・スピリット!
日本では出会えないハワイ限定のマスク
マスクをする=重病人という考えがあり、日本のようにマスクを着用する習慣がないのですが、4月に入りハワイでも外出時のマスク着用が要請されることになりました。どのお店も品切れが続いているそうですが、日本との大きな違いはそのハッピーなデザイン!
▲現地からHOTな情報を提供してくれたのは、プロサーファーであり、GoProフォトグラファーでもあるMimi Horiuchiさん。
例えば、ABCストアで売られているマスク(1枚7.99ドル(約870円)、2枚で14ドル(約1,500円))は、かわいらしいプルメリア柄がプリントされたもの。しっかりとしたキャンバス地とコットンのリバーシブルになっており、ゴム部分は黒になっているので、メイク汚れも目立たないというスグレモノ。
スーパーにマスクがなくても、自宅にある布でマスクを作り、カバーするだけでも十分!という見解から、カウアイ市長自らが古いTシャツを再利用してマスク作りのデモンストレーション動画を投稿するなど、どんな状況でもハワイアンが大切にするアロハ・スピリット(助け合いや親切、寛容の精神)を忘れずに、ポジティブに取り組む姿勢に大好きなハワイを感じました。
写真・文/川口ゆかり
※本記事の情報は取材時(2020年4月9日現在)のものです。
エディター
川口ゆかり
女性誌やWeb広告でエディターとして活躍するかたわら、JSIA飾り巻き寿司1級インストラクター資格を取得。2016年夏より、東京・青山で料理教室『おもてなしごはん東京』をスタート。不定期に飾り巻き寿司レッスンを開催しながら、ファッション誌のフードスタイリングや企業のレシピ開発なども行う。プライベートでは2児の母。おしゃれ業界人がたびたび登場する本人のインスタグラムも話題。
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