悪口
・友達とその場にいない人の悪口を言ってしまって後悔することがある。自分のこともどこかでこんな風に言われているんじゃないかと勘繰ってしまう (40代・岐阜県・子ども2人)
思っていた生活と違う
・今の生活が自分が思い描いていたものと違うので。 (30代・富山県・子ども1人)
子どもに見せたくない姿を見せた
・自宅で夫と飲むことが多いのですが、酔っ払っている姿を子どもに見せてしまったこと。「昨日ママ、すっごく酔っ払ってたよ…?」と言われて、本来なら見せるべき姿じゃなかったのでは?親としてどうなんだろう?と感じてしまったこと (40代・京都府・子ども2人)
有給で
・自分が有給の日に子どもを保育園に預ける時。いつも平日は仕事で構ってあげられないんだから、有給を取ったなら保育園を休ませてどこか連れて行った方が喜ぶよなと思いつつ、買い物や自分のメンテナンスへ行ってしまう (30代・徳島県・子ども3人)
過去を思い出して
・若い頃のやんちゃ。若いから世間を知らず、悪い事と思っていなかった自分を、今思い返して背徳感を感じる。あの時、迷惑をかけた親や周りの人たちに本当は謝りたい (40代・東京都・子ども1人)
妊娠を喜べなかった
・第3子妊娠がわかった時、経済面が不安で素直に喜べなかった。お腹の中の赤ちゃんに申し訳ない気持ちが産んでからしばらく消えなかった (30代・新潟県・子ども3人)
臨床心理士が伝える、「背徳感」との付き合い方
「背徳感とは、〝人としてこうあるべき〟 だとわかっているのに、そうできなかった時に感じる後ろめたさ、罪悪感です」と話すのは臨床心理士・吉田美智子さん。
「この〝こうあるべき〟 というのがくせものですね。〝こうあるべき〟 と言われると、〝 それだけが正しく、従えないのは間違い〟のように、正解はひとつだけで他は不正解だ、と決めつける頑なさ、柔軟性のなさがあります。でも、人には誰でも〝正しいとわかっているけど、そうはできない事情〟があると思いませんか?」と吉田さん。
「例えば、電車の中でお年寄りが来たら席を譲ろうと思っているけど、今日は自分も具合が悪くて立てなかったとか、できるだけ子どもには穏やかに接しようと思っているけど仕事で疲れている時はできなくなる、のように、私たちの日常は、〝人としてこうあるべき〟だと分かっていても、そうはできない事情がたくさんあります」(吉田さん)。
では背徳感を感じた時にはどう対処したら良いのでしょうか。「〝人としてこうあるべきだ〟 を〝わたしはこうなりたいな〟 に置き換えてみましょう。そして自分のありたい姿に対して、今の自分がそうできなくても、自分を否定する必要はありま
せんよね。ありたい姿に向けてコツコツ努力は続けるけど、できない日もあるし、自分にご褒美が必要な日もある。おおらかに捉えると、〝後ろめたい、罪悪感〟 から〝今日はちょっとサボっちゃったから明日がんばろう〟 というふうに適度な努力を続けることができますよ」(吉田さん)。
意外と身近にある背徳感ですが、あまり厳密に断罪せずに、柔軟に受けとめられるといいですね。
写真/(C)Shutterstock.com
▼あわせて読みたい