ライラックとはどんな花?
ライラックはヨーロッパ原産の落葉樹で、日本では主に北海道でよく見られます。ライラックの花が咲く時期や、色や香りなど花の特徴を見ていきましょう。
春に花を咲かせる落葉低木
ライラックは4月ごろ花を咲かせる「モクセイ科」の落葉低木。本来「ライラック」は英語ですが、日本ではフランス名の「リラ」という呼び名でも知られています。耐寒性があり、花が咲く期間が長いのがライラックの特徴です。主に北海道のような寒冷な地域で街路樹や公園の木として活用され、人々に親しまれています。花の色は薄紫が多く、他には白やピンク、濃い紫色の花もあります。
【lilac:ライラック】
モクセイ科の落葉低木。幹は枝分かれしてよく茂り、葉は広卵形。4月ごろ、枝先に香りのある紫色の花を円錐状につける。花が白・赤・青色などの品種もあり、観賞用。バルカン地方の原産で、日本には明治中期に渡来。リラ。むらさきはしどい。【(フランス)lilas:リラ】
ライラックの別名。
(引用すべて〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
甘い香りとインパクトのある花房
ライラックの花は、モクセイ科なので「金木犀」や「ジャスミン」が仲間なので香りが高く、甘く優しい香りが魅力です。ライラックの香りにはリラックス効果があるともいわれており、香水などにも使われています。
ただし花を切るとすぐに香りが薄れてしまうため、花から天然の香り成分を抽出するのは難しいようです。また、ライラックは枝の先に小さな花が集まって、房のようになって咲きます。ボリューム感のある花の集合体はインパクトがあり、春の庭を華やかに彩ってくれると木としても人気です。
ライラックの花言葉と由来
花言葉の意味や由来を知れば、ライラックへの理解がより深まります。全体の花言葉と、色別の花言葉を見ていきましょう。
ライラックの花言葉とは?
花の色に関係なく、ライラックに共通する花言葉は「友情」「謙虚」「青春の思い出」「純潔」です。フランスでは白いライラックが青春のシンボルであり、葉がハートの形に似ていることから、若々しい友情やほのかな恋を連想させる花言葉が生まれたとされています。この花言葉から、ライラックは送別会などで友人に贈る花としても人気です。
白いライラック
白いライラックの花言葉は「無邪気」「青春の喜び」。ヨーロッパでは「若者の純潔」という花言葉も知られています。小さくて真っ白な花が密集して咲く様子が純潔さを想起させ、この花言葉の由来となったそうです。
一方で、イギリスではこのようなエピソードもあります。庶民の娘が貴族の青年と身分違いの恋に落ち婚約したものの、青年の心変わりによって婚約を破棄されました。ショックのあまり自殺した娘の墓に、友人が紫のライラックを供えましたが、翌日、その花の色が白に変わっていたそうです。こうしたエピソードから「無邪気」や「青春の喜び」といった花言葉に、どこか空しさを感じるという一面も。花の色の移り変わりによって、人の心がいかに変わりやすいものであるかを教えてくれているようにも感じます。