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2021.05.30

運動不足すぎるとヒトの体の未来は…【専門家監修】筋肉の状態チェックリスト

「健康と筋肉」に関する意識調査を行ったところ「できるだけ動きたくない」と考える人が約4割いることが明らかに。でも実は、筋肉量は30〜40代から減りはじめていく!? 今こそ知りたい「筋肉の重要性」について、専門家に教えていただきました。

運動不足に目をつぶっていると…

外出の機会が減ったり、リモートワークが続いたり、体を動かすことが少なくなってしまっている今日この頃。特にもともと動くのがあまり好きではないと、運動不足を感じつつなんとなく気づかないフリをする…なんて日々を送ってしまいがち。

そんな中、筋トレやフィットネス用のアイテムを販売する【SIXPAD】が、30〜50代の男女1200名を対象に「健康と筋肉」に関する意識調査を実施。運動を避け気味な人には耳が痛い、アンケート結果が届きました。

できることなら動きたくない…そんな人が4割!

Q1:座り仕事が多いですか?

はじめに「座り仕事が多い」人はどれくらいいるのか、質問してみました。その結果51.4%の人が「はい」と回答。仕事中もあまり動かないという人は、半数ほどに上ることがわかりました。

Q2:インドア派ですか?

みなさんは、自分はどちらかというと「インドア派」だと思いますか?それとも「アウトドア派」?アンケートの結果によると、6割近くの人が自分は「インドア派」だと考えているよう。キャンプなどのアウトドアも流行っている印象がありますが、なんだかんだ自宅などで過ごすことが好きな人が多数派なんですね。

Q3:仕事でも私生活でも、できるだけ動きたくないと思う?

いきなりど直球な質問ですが、まず「仕事でも私生活でも、できるだけ動きたくないと思うかどうか」を聞きました。その結果「はい」と答えた人は4割という結果に。意外と仲間が多い!と安心している場合では全然ないのですが、なるべく動かないでいたいという人はやはり結構いるよう。

Q4:体調に不調がない限り、ライフスタイルを変えたくないと思う?

続いて、自分の習慣を変えることにどのくらい抵抗があるものなのか、筋トレの習慣がない人に対して「体調に不調がない限り、ライフスタイルを変えたくないと思うか」を質問しました。その結果、半数以上の人が「変えたくない」と考えていることが明らかに。

Q5:「加齢によって筋肉量は減る」ということを知っている?

さらに、筋トレの習慣がある人・ない人の両方に「加齢によって筋肉量は減ると知っているか」を尋ねました。筋トレ習慣のある人では、「詳しく知っている」と回答した人が42.5%、「何となく知っている」が53.7%で、あわせると96%。筋トレをする人のほとんどが、多かれ少なかれ「加齢によって筋肉量は減る」という知識を持っていることがわかります。

一方で、筋トレの習慣がない人で「詳しく知っている」と回答したのは16.7%で、習慣がある人に比べてかなり低い結果に。「何となく知っている」という人は6割ほどいたものの、「知らない」と回答した人も2割を超えています。そもそも「加齢によって筋肉量は減る」という知識自体がない人が、筋トレの習慣がある人と比較して多いとわかりました。とはいえ筋トレの習慣がない人も、なんとなくではあっても7割以上が「筋肉が減っていく」ことを知っているわけで…。4つ目の質問にあったように、やはり「ライフスタイルを変える」こと自体に抵抗がある人が多いということではないでしょうか。

将来元気に歩きたいなら、大事なのは今

運動をしないと1年に1%ほど筋肉が減っていく

筋肉やトレーニングについて長年研究している森谷敏夫教授によると、普段運動をしない人は筋肉量の減りが早くなってしまうそう。

「年齢とともに筋肉量は減っていきますが、日常的な運動習慣がない人は、運動習慣がある人と比べると、30〜40代以降により筋肉量が減っていきます。筋肉が弱まると、つまずきやすく歩くことが難しくなったり、寝たきりになるレベルに達する時期が早く来てしまうことが想定されます。

運動をしないと、筋肉はミオスタチンという筋肉の成長を妨げるホルモンの放出を受けてどんどん萎縮してきます。『使わないのだったら、いらないでしょう』というわけです。悪いことに、このミオスタチンは骨の形成を阻害する働きも持っています。つまり筋肉が減ってしまうと、筋肉を支える骨もスカスカになってしまうのです。

まだ若いから大丈夫と考えている方は油断大敵です。〝筋失〟が進むプロセスは30代からすでに始まっているかもしれません」(森谷教授)

▲運動しなくなった人の未来の姿はなんとも衝撃的…

次のグラフは、筋トレの習慣がある人とない人の「膝を伸ばす力」を比較したもの。

筋トレ習慣がある人は、80代でも20代の筋トレの習慣がない人に匹敵する筋力を示しています。一方で筋トレの習慣がない人は、30代以降急速に筋機能が低下していることが明らかに。筋機能が低下すると足を踏み出す力が衰え、つまずきやすくなる恐れがあります。転倒による怪我で入院や松葉杖が必要になると、さらに足を使わず筋力が下がってしまうという悪循環に陥る可能性も。

運動をしないと筋肉以外の臓器にも影響が

運動不足が続くと筋肉が減るだけでなく、体に様々な影響が生じると森谷教授は言います。

「あまり運動をしない生活をしていると、すべての臓器 (筋肉を含め) が弱体化します。筋肉が萎縮するような状態ではそれを刺激する脳機能も低下、筋肉にエネルギーを供給する心臓循環機能も低下、運動を支える骨格も衰えてしまいます。つまり、地球にいながら無重力にさらされた宇宙飛行士のように、ほぼすべての機能が一気に老化したような状態になります」(森谷教授)

筋肉が衰えると見た目も変わってくる?

さらに森谷教授は、動かない生活を続けた人類はその姿形をも変えてしまうかもしれないと言います。

「このまま動かない、歩かない、運動不足な生活を続けた場合、人類の姿は変わってくるかもしれません。

身体的な特徴としては以下が挙げられます。
・か細い肩周り
・重力に負け出っ張り垂れ下がるお腹
・お尻の筋肉 (大殿筋) が落ちてほぼフラットに
・体を支えられないくらい細い脚
・首がもっと前に垂れて脊柱が代償的に大きくS字に湾曲する

筋トレ、運動習慣がない人はこの将来の体型を思い浮かべてください。仕事の合間にちょっと体を動かしたり、家の中でも出来るようなストレッチやトレーニンググッズは多数あります。まずは出来るところから筋肉を使い、筋量を増やすよう意識してみましょう」(森谷教授)

「筋肉診断」で現在の筋肉量を知る!

そもそも自分の筋肉量はどれくらいなのか、把握している人は少ないはず。ということで、森谷教授が監修した世界初の「筋肉診断」で、自分の筋肉量を知ることからはじめてみてはいかがでしょうか。

テストは全部で3つ。それぞれの点数を合計するだけで、現在の筋肉の状態を知ることができます。

1:指輪っかテスト

【やり方】
1. 両手の親指と人差し指で輪をつくる
2. 椅子に座った状態で、利き足でない方の足の「太もも」と「ふくらはぎ」をつくった輪で囲む

2:膝立て伏せ (腕立て伏せ)

【やり方】
以下のフォームでそれぞれ何回膝立て (腕立て) ができたか、回数を計測します。
・女性→両手とひざを床につけた状態 (膝立て)
・男性→両手とつま先だけを床につけた状態 (腕立て)

1. 上半身と下半身を一直線に、手は肩幅に開く
2. 上体を床から10cmのところまで下ろして上げる。これを繰り返す

3:体脂肪率

体組成計で計測するか、健康診断の数値から体脂肪率をチェックしてください。体脂肪率がわからない場合は、1と2の点数だけでもOKです。

診断結果

それでは、3つのテストの点数を足してみてください。診断結果を発表します! (体脂肪率がわからない人は、括弧の中の点数を確認してください。)

 

 

3〜5点 (2〜3点) →「筋欠」

3〜5点 (体脂肪率がわからない場合は2〜3点) の人は、筋肉が残りわずかになってしまっている筋欠です。健康上の懸念があるため、今すぐ筋トレをはじめることをおすすめします。

6〜8点 (4〜5点) →「平筋」

6〜8点 (体脂肪率がわからない場合は4〜5点) だった人は、「平筋」。標準的な筋肉の持ち主です。衰えに負けないためにも、もう少し筋肉を増やせるといいですね。

9点 (6点) →「筋満」

9点 (体脂肪率がわからない場合は6点) の人は、お見事「筋満」です!十分な筋肉をお持ちのようです。日頃から筋トレを心がけ、ぜひ今の状態を維持してください。

みなさんの診断結果はいかがでしたか?膝立て伏せなんて久々すぎて、それだけで運動不足を実感しました…。なんとか重い腰を上げて、将来のためにも体を動かす習慣をつけたいところです。

森谷敏夫
森谷敏夫

京都大学名誉教授。1950年、兵庫県生まれ。国際電気生理運動学会、国際バイオメカニクス学会、アメリカスポーツ医学会、日本運動生理学会、日本体力医学会など、多数の学会で理事、評議員を歴任。世界で初めて、筋力増大に対する神経的要因の貢献度を評価した。発表した論文は、300本以上。著作多数。EMS(Electrical Muscle Stimulation=筋電気刺激)のトレーニング効果について40年以上研究。

【調査概要】
調査期間:2020年3月3日~3月5日
調査対象:全国の30歳~59歳の男女 1800名 (筋トレ習慣あり600名・なし1200名)
調査方法:インターネットでのアンケート調査

情報提供:SIXPAD

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