歳神様の目印 しめ飾り
「しめ飾り」は、しめ縄にさまざまな縁起物を取り付けた飾りです。門松と同様に、歳神様が迷わずに来られるよう目印として飾ります。比較的コンパクトなサイズのものが多く、門や出入り口などに飾るのが一般的です。
しめ飾りに使われる縁起物は、「松竹梅」を始めさまざまあります。主なものを見てみましょう。
・ゆずり葉:子孫繁栄を表わす
・橙(だいだい):「代々」の意味で子孫繁栄を表わす
・裏白(うらじろ):長寿を表わす
・水引(みずひき):慶事に使われる飾り
・昆布:「よろこぶ」に通じ慶事に使われる
・幣束(へいそく):家に災いが入るのを防ぐ
上記はごく一般的なしめ飾りですが、地方によって飾られる縁起物は異なります。また、形状も縦長だったり横長だったりとさまざまです。
【目次】
お正月の食べ物を紹介!
お正月が近付くと、お正月料理の準備に追われる家庭は多いのではないでしょうか。お正月の食べ物は、いずれも験の良い縁起物です。一年の多幸を祈って、家族みんなでおいしくいただきましょう。
お正月ならではの食べ物をご紹介します。
縁起物がぎゅっと詰まったおせち料理
お正月の食べ物の定番といえば、やはり「おせち料理」です。正月三が日の間中食べられるよう、傷みにくい料理が詰められています。
おせち料理は、「御節供(おせちく)」に由来するといわれます。これは元々、季節の節目となる「節日」ごとに神様にお供えしていた料理です。本来は年始だけではなく、季節の変わり目に食べられていました。しかし、月日が経つにつれ他の節日の習慣は廃れていきます。現在では、一年で最も重要な節日であるお正月の御節供だけが、「おせち料理」として残っているのです。
ごく一般的な縁起物のメニューと意味は、以下を確認しましょう。
・数の子:子宝や子孫繁栄を願う
・黒豆:「まめ(=健康・真面目)」に過ごせますように・働けますように
・栗きんとん:商売繁盛や金運向上
・田作り:五穀豊穣を願う
・伊達巻き:正月料理らしい華やかさを添える
ただし、おせち料理のメニューは地域によってさまざまです。おせち料理を作るときは、地域の習わしを確認してみることをおすすめします。
歳神様への供物 鏡餅
お正月に「鏡餅」を飾るのは、家を訪れた歳神様がこれを「依代(よりしろ)」にして宿ると考えられているためです。
餅は米から作られており、稲の霊が宿っているといわれます。非常に縁起の良い食べ物で、古来、神様へのお供え物としては定番でした。松の内が明けると、鏡餅は小さく割って雑煮や焼き餅などで食されます。これは神様が宿った餅をいただくことで、その魂を分けていただくという意味があるのです。
また、鏡餅は「歯固め」の儀式に由来するともいわれます。これは、年に一度固い物を食べて歯を強くするための儀式です。何でも噛める強く丈夫な歯は、長寿に欠かせません。昔の人は、固くなった鏡餅などを食べ、健康と長寿を祈願しました。
無病長寿を願う お屠蘇
「お屠蘇(とそ)」は、無病長寿を願っていただく薬酒です。起源は唐代中国にあるといわれ、複数種類の漢方を混ぜ合わせた「屠蘇散(とそさん)」「屠蘇延命散」を使って作られます。
このお屠蘇の元は現在でもスーパーなどで販売されているので、お屠蘇作りに利用すると便利です。大みそかに日本酒やみりんに浸しておくだけで、元旦の朝にはいただけます。
お屠蘇を飲む前には、次のような準備が必要です。
・屠蘇器(とそき)という朱塗りのお銚子と三段重ねの盃を使う(無い場合は、お正月にふさわしい器を準備する)
・元旦の朝一番の水で手を清める
・神仏にごあいさつする
・家族で新年のあいさつを済ませる
お屠蘇を飲むのは、おせち料理をいただく前です。
・東を向く
・飲む人の右からお屠蘇を注ぐ
・年少者から年長者へ盃を進める
年少者からいただくのは、その生気を年長者が受け取れるとされるためです。ただし、厄年の人は最後に飲むとされています。
なお、お屠蘇にはアルコールが入っています。未成年や運転者は口にするのを避けてください。飲む振りだけでも、縁起物としてご利益が期待できるでしょう。
※妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがありますので、お控えください。
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