【目次】
・そもそもお正月とは?
・正月飾りの意味
・お正月の食べ物を紹介!
そもそもお正月とは?
日本全国がおめでたい雰囲気に包まれるお正月。お正月ならではのしきたりや準備には、どのような意味があるのでしょうか?具体的に見ていきましょう。

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歳神様をお迎えする期間
正月は、「歳神様(としがみさま)」と呼ばれる新年の神様がそれぞれの家庭にやってくるとされる期間です。
正月前になると、多くの家庭が「門松」を飾ったり「鏡餅」を置いたりしますよね。こうしたお正月にまつわるあれこれは、全て歳神様をお迎えするための準備です。
そもそも「お正月」とは、「1月」の別の呼び方であるといわれます。古くは、新年最初の月をこのように呼んでいました。
しかし近年は、1月全体を「正月」ということはほぼありません。現在「正月」というときは1月1日~3日までの「三が日」、7日までの「松の内」、さらには15日までの「小正月」の期間を指すのが一般的です。
歳神様とは?
お正月に各家にやってくるといわれる歳神様は、歳徳神(としとくじん)、お正月さま、としこしさまなどと呼ばれることもあります。子孫繁栄や五穀豊穣に深く関わる神様で、お正月に各家を訪れて1年の幸福をもたらしてくれると言われています。
歳神の「歳」「年」とは、もともと稲の実りや穀物を司る神様を指す言葉です。稲は農耕民族である日本人とって、非常に大切な穀物でした。かつての日本人は新年の始めにその年の豊穣を願って、穀物の神様に祈りを捧げていたのです。
時を経てお正月は「歳神様をお迎えしてお祀りするための期間」として広く浸透し、さまざまな準備や行事が行われるようになりました。
正月飾りの意味
日本のお正月では、新年を迎える前にさまざまな正月飾りをする習わしがあります。いずれも歳神様をお迎えするために必要とされ、飾り一つにも大切な意味が込められています。

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正月飾りの意味について、代表的なものをご紹介します。
松・竹・梅をあしらった門松
「門松」は歳神様が訪れるとき、迷わないようにするための目印です。ただ庭に常緑樹を立てておくだけの時代もありましたが、江戸時代以降は玄関や門前に一対の門松を配置するのが習わしとなりました。向かって右側が「雌松」、左側が「雄松」です。
また、門松には、以下の飾りを付けるのが一般的です。
・松:一年中緑の常緑樹で神様をお迎えするのにふさわしい
・竹:まっすぐに力強く伸びる生命力の象徴
・梅:新春一番に咲く縁起の良い花
いずれも「縁起物」として好まれる傾向にあり、歳神様を迎える上でふさわしいとされています。
なお、門松を飾るのは12月27〜28日ごろがおすすめです。29日は「苦立て」、31日は「一夜飾り」と考えられ、縁起が良くありません。門松は歳神様が滞在される期間、すなわち「松の内」の間はずっと飾っておきます。
歳神様の目印 しめ飾り
「しめ飾り」は、しめ縄にさまざまな縁起物を取り付けた飾りです。門松と同様に、歳神様が迷わずに来られるよう目印として飾ります。比較的コンパクトなサイズのものが多く、門や出入り口などに飾るのが一般的です。
しめ飾りに使われる縁起物は、「松竹梅」を始めさまざまあります。主なものを見てみましょう。
・ゆずり葉:子孫繁栄を表わす
・橙(だいだい):「代々」の意味で子孫繁栄を表わす
・裏白(うらじろ):長寿を表わす
・水引(みずひき):慶事に使われる飾り
・昆布:「よろこぶ」に通じ慶事に使われる
・幣束(へいそく):家に災いが入るのを防ぐ
上記はごく一般的なしめ飾りですが、地方によって飾られる縁起物は異なります。また、形状も縦長だったり横長だったりとさまざまです。
お正月の食べ物を紹介!
お正月が近付くと、お正月料理の準備に追われる家庭は多いのではないでしょうか。お正月の食べ物は、いずれも験の良い縁起物です。一年の多幸を祈って、家族みんなでおいしくいただきましょう。

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お正月ならではの食べ物をご紹介します。
縁起物がぎゅっと詰まったおせち料理
お正月の食べ物の定番といえば、やはり「おせち料理」です。正月三が日の間中食べられるよう、傷みにくい料理が詰められています。
おせち料理は、「御節供(おせちく)」に由来するといわれます。これは元々、季節の節目となる「節日」ごとに神様にお供えしていた料理です。本来は年始だけではなく、季節の変わり目に食べられていました。しかし、月日が経つにつれ他の節日の習慣は廃れていきます。現在では、一年で最も重要な節日であるお正月の御節供だけが、「おせち料理」として残っているのです。
ごく一般的な縁起物のメニューと意味は、以下を確認しましょう。
・数の子:子宝や子孫繁栄を願う
・黒豆:「まめ(=健康・真面目)」に過ごせますように・働けますように
・栗きんとん:商売繁盛や金運向上
・田作り:五穀豊穣を願う
・伊達巻き:正月料理らしい華やかさを添える
ただし、おせち料理のメニューは地域によってさまざまです。おせち料理を作るときは、地域の習わしを確認してみることをおすすめします。
歳神様への供物 鏡餅
お正月に「鏡餅」を飾るのは、家を訪れた歳神様がこれを「依代(よりしろ)」にして宿ると考えられているためです。
餅は米から作られており、稲の霊が宿っているといわれます。非常に縁起の良い食べ物で、古来、神様へのお供え物としては定番でした。松の内が明けると、鏡餅は小さく割って雑煮や焼き餅などで食されます。これは神様が宿った餅をいただくことで、その魂を分けていただくという意味があるのです。
また、鏡餅は「歯固め」の儀式に由来するともいわれます。これは、年に一度固い物を食べて歯を強くするための儀式です。何でも噛める強く丈夫な歯は、長寿に欠かせません。昔の人は、固くなった鏡餅などを食べ、健康と長寿を祈願しました。
無病長寿を願う お屠蘇
「お屠蘇(とそ)」は、無病長寿を願っていただく薬酒です。起源は唐代中国にあるといわれ、複数種類の漢方を混ぜ合わせた「屠蘇散(とそさん)」「屠蘇延命散」を使って作られます。
このお屠蘇の元は現在でもスーパーなどで販売されているので、お屠蘇作りに利用すると便利です。大みそかに日本酒やみりんに浸しておくだけで、元旦の朝にはいただけます。
お屠蘇を飲む前には、次のような準備が必要です。
・屠蘇器(とそき)という朱塗りのお銚子と三段重ねの盃を使う(無い場合は、お正月にふさわしい器を準備する)
・元旦の朝一番の水で手を清める
・神仏にごあいさつする
・家族で新年のあいさつを済ませる
お屠蘇を飲むのは、おせち料理をいただく前です。
・東を向く
・飲む人の右からお屠蘇を注ぐ
・年少者から年長者へ盃を進める
年少者からいただくのは、その生気を年長者が受け取れるとされるためです。ただし、厄年の人は最後に飲むとされています。
なお、お屠蘇にはアルコールが入っています。未成年や運転者は口にするのを避けてください。飲む振りだけでも、縁起物としてご利益が期待できるでしょう。
※妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがありますので、お控えください。
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