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2021.02.17

ひし餅の食べ方とは?ひな祭りの起源やそのほかの行事食も紹介

お雛さまを飾るとき、ひな人形の周りに屏風やぼんぼり、「ひし餅」を置きます。当たり前のようにひな飾りのセットに入っていますが、ひし餅にはどのような意味が込められているのでしょうか?ひし餅の起源と食べ方、ひな祭りの行事食についてご紹介します。

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【目次】
ひし餅の起源とひな祭りの関係
中国の上巳節が起源
ひし餅はどうやって食べるの?
ひし餅以外の行事食

ひし餅の起源とひな祭りの関係

菱餅(ひしもち)」は、ひな祭りのお供え物の1つで、赤・緑・白の3色のひし形の餅が重なっています。なぜひな祭りのときに飾ったり、食べたりするのか、ひな祭りの歴史と共にご紹介します。

菱餅

中国の上巳節が起源

ひな祭りは本来「上巳の節句」、別名「桃の節句」といいます。その起源は、西暦300年ごろの古代中国で始まった「上巳節」です。上巳節とは、3月上旬の巳の日(十二支で数えた日付)に水辺で穢れ(けがれ)を祓う祭祀のことで、のちに3月3日に行われるようになりました。この上巳節が遣唐使によって日本に伝わると、禊(みそぎ)の神事と結びつき、人の形をした紙や草を流すようになりました。

平安時代に入ると貴族の女の子の間で人形を使ってままごとをする「雛遊び」が流行り、この雛遊びと上巳節が結びついて、「ひな人形」に厄を託して川に流すようになりました。現在でも一部の地域で行われている「流し雛」は、この名残りです。

江戸時代に五節句が制定されると、3月3日の「上巳(桃)の節句」は「女の子の節句」として定着します。紙やわらで作られていた「ひな人形」は高級化し、流すものから飾るものへと進化しました。こうして、女の子の健やかな成長を願い「ひな人形」を飾ってお祭りをすることから「ひな祭り」と呼ばれるようになりました。

ひし餅の色や形とその意味

古代中国では上巳節に「母子草」を入れた餅を食べる風習がありました。それが日本へ伝わると、邪気を払う力があるとされる「よもぎ」を入れた餅に変化しました。江戸時代に入ると、よもぎ餅に「ひしの実」が入った白い餅を重ねるようになり、明治時代に「くちなし」で色づけされた赤い餅も重ねるようになりました。

この3色のカラーと重ねる順番には諸説ありますが、以下のような意味があるといわれています。

・緑:厄除け、健康
・白:子孫繁栄、長寿
・赤;魔除け、先祖を尊ぶ心、解毒作用
・下から緑→白→赤の順:雪の「下」には新芽が芽吹き、桃の花が咲いている
・下から白→緑→赤の順:雪の「中」から新芽が芽吹き、桃の花が咲いている

「ひし餅」がひし形をしているのも、繁殖力が強い「ひしの実」を模している、四角を伸ばして長寿を祈願した、心臓の形を模した、など諸説あります。

ひし餅はどうやって食べるの?

ひし餅はひな祭りの行事食です。供えた後は必ずおろして食べましょう。ひし餅の縁起がよい食べ方やアレンジ方法を見てみましょう。

菱餅

角を取って丸くしながら食べる

ひし餅を食べる際は、手でひし形の角をちぎり、角ばった形を丸くしながら食べると縁起がよいといわれています。

理由としては、「角が立たずに生きる」ことにつながり、家庭円満や人の輪が広がっていくという意味があるからとされています。

定番は焼いて食べる

元々3色の餅を重ねているので、手ではがせる場合には、はがして分けます。

手ではがせない場合には、包丁を使っても差支えありません。切り方にとくに決まりはないため、1色ごとでもよいですし、3色の層が見えるように切ってもよいでしょう。

分けたら、通常の餅と同じような食べ方で楽しみます。焼いてしょうゆやきなこを付けたり、海苔に巻いて食べるのもおすすめです。

煮たり揚げたりしてアレンジ

色がカラフルで縁起物ではありますが、お馴染みの切り餅と同じようなアレンジが可能です。煮て食べれば3色の餅が美しく、よもぎの香りを漂わせながら、お雑煮やお汁粉を華やかに彩ってくれます。

手軽につまめるおかきとして食べることもできます。適当な大きさにカットし、乾燥させてから、200℃の油で色づくまで揚げます。揚がったら仕上げに塩をふって完成です。

ひし餅以外の行事食

ひし餅以外にも、ひな祭りにふさわしい行事食があります。それぞれの意味を知れば、より一層思いを込めて準備ができるはず。3月3日に食べたい、縁起のよい行事食をご紹介します。

菱餅

ひなあられ

昔はひな人形を持って海や山へ出かけて、人形に春の景色を見せるという風習がありました。そのお出かけのときに食べていたのが、「ひなあられ」と考えられています。ひなあられはひし餅と同じ「赤・白・緑」の3色ですが、これはひし餅を外でも食べられるようにと砕いて作られたことが関係しているようです。

同じひなあられでも、関東では米状、関西では丸い粒状と形が異なり、味も違います。

はまぐり

はまぐり」は、潮汁にしていただきます。はまぐりをはじめとした二枚貝は、2枚の貝がぴたりとはまり、ほかのものは絶対に合わないことから「女性の美徳と幸せ」「夫婦和合」につながるとされました。

ひな祭りの際は、1つのはまぐりに2つ分の身を乗せ(開いたはまぐりの両側に身をのせて盛り付ける)、幸せを祈っていただきます。

ちらし寿司

ちらし寿司」は、見た目が華やかで、縁起のよい山海の幸が用いられていることから、ひな祭りに食べられるようになりました。

ひな祭りのちらし寿司には、長生きを意味する「エビ」、見通しがきくことを意味する「れんこん」、まめに働くという意味の「豆」、蓄財を意味する「錦糸玉子」、根を張ることを願う「にんじん」など縁起のよい食材を用います。さらに三つ葉や菜の花、でんぶなどで彩りを添え、春の喜びを表します。

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『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)

季節の行事を親子でいっしょに学べる絵本形式の実用書です。ものごとの由来やしきたり、遊び方、箸の持ち方、衣服のたたみ方など、行事を子育てに役立てるコツを豊富なイラストで楽しく紹介。文化と愛情を伝える「行事育」が手軽に実践できます。

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和文化研究家

三浦康子

古を紐解きながら今の暮らしを楽しむ方法をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web、講演などで提案しており、「行事育」提唱者としても注目されている。連載、レギュラー多数。All About「暮らしの歳時記」、私の根っこプロジェクト「暮らし歳時記」などを立ち上げ、大学で教鞭もとっている。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)ほか多数。

写真/Shutterstock.com

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