本当は、「対処」ではなく…?
痛みの根本的な原因に対してではなく、そのときの症状を軽減するために行われる治療法のことを【対処療法】と言…うと思っていませんか? 実はこの【対処療法】は正しい言葉ではありません。
ケガなどに対して「対処」するので合っているような気もしますが、いったいどこが違うのでしょうか?
ヒントは、“その時の症状を軽減するために行われる治療法„であること。
【療法】はそのままで、【対処】の部分が注目ポイントです!
【対処療法】の正しい漢字表記とは??
正解は…
対【症】療法
でした!
【対症療法:たいしょうりょうほう】
1.病気の原因に対してではなく、その時の症状を軽減するために行われる治療法。痛みに鎮痛剤を与えるなど。姑息的療法。
⇔原因療法。
2.根本的な対策とは離れて、表面に表れた状況に対応して物事を処理すること。
「―では問題は解決しない」
~「症」と「処」の漢字を改めておさらい~
「症」
【症】
〈音読み〉
ショウ
1.病気の性質や状態。
「症候・症状/炎症・軽症・重症・難症・病症」
2.特定の症状の現れる病気。
「既往症・狭心症・後遺症・不眠症」
「処」
【処】
〈音読み〉
ショ
〈訓読み〉
おる おく ところ
1.ある場所に身をおく。おる。
「処世」
2.世の中に出ないで家にいる。
「処士・処女/出処」
3.物事をしかるべく取りさばく。
「処刑・処断・処置・処罰・処分・処方・処理/善処・対処」
4.ところ。場所。
「処処/死処・随処」
(引用すべて〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
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