ビジネスでは「ご配慮」のほうがベター
報告書や企画書などのビジネス文書に訓読みの和語はふさわしくありません。ビジネス文書で使うのであれば、音読みの「ご配慮」のほうが適しています。
ただし職場においてプレゼントやお花などをもらった際に「お心遣い」を使うのは構いません。たとえば病気や怪我でお見舞いのお花や金品をもらった場合、「お心遣い」を用いて感謝の気持ちを伝えるのは問題ないでしょう。
「お心遣いありがとうございます」の返事は?
相手から「お心遣いありがとうございます」と言われたら、どのような返事が正しいのでしょうか。ここでは返事についてご紹介しましょう。
「とんでもないことでございます」が定番表現
「どういたしまして」は適していません。「とんでもない」の丁寧語である「とんでもないことでございます」が定番表現です。また「滅相もない」の丁寧語である「滅相もございません」も使えます。
感謝された場合に、謙遜や遠慮の意味を込めて「感謝されるほどのことではありません」の意味合いの言葉を使うのが一般的です。
ビジネスではより丁寧な返事も
ビジネスシーンではより丁寧に、「お力になれたのであれば幸いです」や「お役に立てて光栄に存じます」も使えます。「あなたのお役に立てて私も嬉しいです」という気持ちを丁寧な言葉で伝えましょう。
「お心遣いありがとうございます」のほかの言い方
ここでは、「お心遣いありがとうございます」のほかの言い方を2つご紹介しましょう。
「ご高配ありがとうございます」
「ご高配ありがとうございます」の「高配」とは、相手や他人が払ってくれる配慮に対して敬意を払う言い方です。会話で使うのではなく社外への文書に用いられます。
たとえば、取引先への文書やメールの文頭に「平素は格別のご高配を賜り〜」、また末尾に「ご高配を賜りますようお願い申し上げます」と添えるのが一般的な使い方です。いくつかの例文を挙げましょう。
【例文】
・内容を検討のうえ、ご高配を賜りますよう、何卒お願い申し上げます。
・平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
・身に余るご高配を賜り、心より感謝申し上げます。
「ご深慮ありがとうございます」
「ご深慮ありがとうございます」の「深慮」とは、「深く思い巡らすこと、慮る(おもんぱかる)こと」を意味します。「ご深慮ありがとうございます」は、相手が自分のために思いを巡らせてくれたことに対する感謝の言葉です。次の例文のように使います。
【例文】
・この度は身に余るご深慮を賜り、誠にありがとうございます。
・格別のご深慮をいただきまして、深く感謝いたします。
「お心遣い」で感謝の気持ちを丁寧に伝えよう
「お心遣い」は相手の温かい思いやりや配慮を意味し、受け止めた際の柔らかい印象を人に与える言葉です。
「お心遣いありがとうございます」はビジネス文書には不向きですが、口頭や職場での会話のなかで使うのは問題ありません。特別な配慮や温かい思いやりを受けたときには、ぜひ使いたい言葉のひとつです。似た言葉もいくつかあるため、そのシーンにぴったりの言葉を使えるようになりましょう。
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