【相槌を入れる】は誤用なんです
友人の話を聞いているときなどに、「うんうん」と言葉で反応したり、顔を上下に動かしたりと、コミュニケーションの中で“相手の話に調子を合わせて、受け答えをする„ことを表す慣用句があります。
それが【相槌を○○】。
「合いの手を入れる」と混ざって誤用されがちなのですが、相槌を”入れる”だと想っている人は間違いなのでご注意を!
この言葉は江戸時代に遡り、鍛冶職人のエピソードから生まれたと言われています。鍛冶職人が刀などを作るときのとある動作が関連しているのです。
話にあわせて受け答えをすること=「相槌を○○」。
果たして○○に入る言葉とは??
正解は…
相槌を【打つ】
でした!
【相槌を打つ:あいづちをうつ】
相手の話に調子を合わせて、受け答えをする。
「友人の主張に―・つ」
〔補説〕
「合いの手を入れる」と混同して、「相槌を入れる」とするのは誤り。
「鍛冶職人の師匠と弟子がお互いに槌を打つ動作」から生まれたことば
“相手の話に調子を合わせて、受け答えをする„ことを、なぜ【相槌を打つ】というのでしょうか。
それは江戸時代の鍛冶職人から来ていると言われています。
刀をつくるとき、槌という道具を使って熱した鉄を打つ作業があります。師匠が打ち、その後に弟子が打ち、2人がお互いに息をあわせて鉄を打ち、整えていくのです。
この作業のことを「相槌」と呼ぶようになり、転じて“相手の話に調子を合わせて、受け答えをする„ことを【相槌を打つ】というようになりました。
~この慣用句知ってますか?気まぐれ慣用句紹介~
その1:馬には乗ってみよ人には添うてみよ
【馬には乗ってみよ人には添うてみよ:うまにはのってみよひとにはそうてみよ】
馬のよしあしは乗ってみなければわからず、人柄のよしあしはつきあってみなければわからない。何事も自分で直接経験してみよということ。
その2:頭から水を浴びたよう
【頭から水を浴びたよう:あたまからみずをあびたよう】
突然の出来事に、驚き恐れてぞっとするさま。
その3:面も振らず
【面も振らず:おもてもふらず】
わき目も振らず。まっしぐらに。
(引用すべて〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
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