【目次】
・母の日の花として人気「カーネーション」
・栽培環境を整えよう
・育て方のポイント
・カーネーションを育てる際の注意点
母の日の花として人気「カーネーション」
毎年5月の第2日曜日は母の日。日本で初めて母の日のイベントが開かれたのは明治末期ごろだといわれています。母の日は、今では浸透している行事の一つです。
その母の日に贈られる花として人気なのが「カーネーション」。一度はどこかで見かけたことがあるはずですが、花の付き方や咲き方について知っている人は少ないかもしれません。この機会にカーネーションについて詳しく知りましょう。
ナデシコ科の多年草
母の日に贈る花として定番のカーネーションは、ナデシコ科の多年草です。カーネーションは、古来よりヨーロッパを中心に広く愛され、歴史が長いといわれています。現在では品種改良が進み、さまざまなカーネーションを見ることができます。
カーネーションの開花時期は4~6月で、切り花・鉢花として目にすることが多いでしょう。多年草のため、基本的なお手入れ方法を覚えれば初心者でも育てやすい花です。庭の花壇に植えて楽しむのもおすすめです。
花の付き方は2タイプ
カーネーションの花の付き方は、「スタンダード」と「スプレー咲き」の2タイプに分けられます。
「スタンダード」は、1本の茎の先に1輪の花が付いたものです。栄養が行き届いており、花が大きく、ボリュームがあるのが特徴です。とても華やかなので、1輪挿しにしても十分に見ごたえがあります。いつもの机の上にカーネーションが1本あると、生活の彩りが変わるかもしれません。
一方「スプレー咲き」は、枝分かれした茎の先にいくつかの花が付いたタイプです。小ぶりの花がたくさん付いた姿は、かわいらしい印象を与えます。いくつかの花を切り分けて飾ることもでき、さまざまに楽しむことができます。
花の咲き方は4種類
花の咲き方は、「剣弁咲き」「極剣弁咲き」「丸弁咲き」「一重咲き」の4種類があります。
「剣弁咲き」は、花びらの縁がギザギザしていて、いくつかの花びらが重なり合っています。昔から親しまれてきた種類で、カーネーションといえば、この剣弁咲きをイメージする人が多いでしょう。
「極剣弁咲き」は先端が尖っていて、切り込みがある細い花びらが特徴的です。「スター咲き」とも呼ばれるその姿は個性的で、菊を彷彿とさせます。
「丸弁咲き」は、切り込みがほとんどない花びらの種類です。切り込みがない分、丸く柔らかい印象を与えます。丸弁咲きは新しい品種に多いため、見かける機会は少ないかもしれません。
「一重咲き」は、花びらが重なり合っていない咲き方のことをいいます。ナデシコに似ていて、ブーケに使われることも多くあります。
栽培環境を整えよう
カーネーションを育てる場合、栽培環境をしっかり整えてあげる必要があります。耐寒性や耐暑性は弱くないですが、日当たりと水はけには注意です。
上手に咲かせるには日当たりが大切
カーネーションを元気に育てるためには、日当たりが大切です。日当たりがよくない場所に置いていると、日照不足で葉が黄色になり、元気を失ってしまいます。そのまま放置していると、花を咲かすことなく、つぼみのまま枯れてしまうこともあるのでよく観察します。室内の照明の光でも育てられますが、なるべく日当たりと風通しのよい窓辺に置くのがポイントです。
また、1日に数時間は屋外に出して、太陽の光をしっかり浴びさせてあげるのもおすすめです。日当たりがよい場所で育てると、たくさんの花を咲かせてくれるでしょう。
水はけのよい土を用意
カーネーションは、多湿環境を苦手とする植物です。そのため、水はけのよい土を用意します。水はけがよくないと、根腐れを起こしてしまうこともあるので、十分に気を付けます。特に、長年植え替えをしておらず、土を掘り返していないならお手入れが必要です。水はけが悪くなってきたら、土を入れ替えたり植え替えたりします。
また、日当たりがよいと自然に土が乾くので、日当たりと水はけのよい土はセットで考えることが大切です。
育て方のポイント
続いて、カーネーションの育て方のポイントを紹介します。大切なのは「水やり」「肥料」「剪定の仕方」です。どれか一つでも不十分だと、きれいな花を咲かせてくれないかもしれないので、よくチェックしましょう。
水のやり方
一般的な植物と同様に土が乾いたら水やりをします。しかし、水のやり過ぎで、カーネーションを枯らしてしまう人も少なくないよう。水をやり過ぎると、根腐れを起こします。特に、夏の高温多湿な季節には注意が必要です。
また、水をやるときは、なるべく花や葉に水がかからないようにします。土に直接水をやるイメージです。そうすることで、カーネーションが腐ったり蒸れたりするのを防ぐことができます。
施肥の方法
カーネーションの場合、肥料は定期的に与えます。最初に植え付けるときは元肥として固形の肥料を混ぜ込み、その後は使用する肥料のメーカーが推奨する頻度で追肥をします。追肥は、固形の肥料でも液体の肥料でもどちらでも構いません。
花が咲いているときは、意識的に肥料をたっぷりあげます。真夏以外は1カ月に3回ほど、液体肥料を水やりのときに与えると元気に育ちます。
切り戻しなどの剪定方法とタイミング
カーネーションを毎年楽しむためには、剪定が欠かせません。カーネーションの場合、「切り戻し」「花がら摘み」「摘芯」を行います。
「切り戻し」とは、花が一通り咲き終わったときに行うものです。株全体が半分くらいになるように、全ての茎を切り戻します。「花がら摘み」とは、咲き終わった花を摘み取る作業です。咲き終わった花は、その後に種を作ります。その際、栄養分がそこに集中してしまうのを避けるために行います。咲き終わった花びらが腐って病気にかかってしまうこともあるので、きちんと剪定しましょう。
また「摘芯」とは、茎が上方向に数本伸びてきたころに、茎の先端部分をはさみで少しだけ切り詰めることをいいます。切り詰めた部分から、新しく脇芽が増えてたくさんの花を咲かせます。
剪定するときは清潔なはさみを使おう
カーネーションに限ったことではありませんが、剪定は清潔なはさみで丁寧に行います。清潔でないはさみで剪定を行うと、細菌が入ってしまう恐れがあります。また可能ならば、癒合剤を塗るとよいでしょう。癒合剤とは、剪定した枝の切り口を早く癒やすために塗る薬剤のことです。
ほかにも、切り口から出る樹液に触れると手がかぶれることがあるので、手袋をして剪定することをおすすめします。これから花を咲かせるつぼみを傷つけたり、ほかの花を落としてしまったりしないように気を付けて剪定しましょう。
カーネーションを育てる際の注意点
最後に、カーネーションを育てるときの注意点を二つ紹介します。大切なカーネーションを守るために必要なことなので、参考にしましょう。
夏の高温多湿と冬の寒さに注意
ほかの植物と比べて、暑さ・寒さに弱いわけではありませんが、それでも夏の高温多湿と冬の寒さには注意したいところです。夏は高温多湿を避けるため、室内で育てるか、半日陰で風通しがよい場所に移動させましょう。気温が25℃以上になると花付きが悪くなり、場合によっては花が咲きやんでしまうことも。また、鉢の温度が上がり過ぎないよう、鉢の下にすのこなどを敷き、地面から離すことも大切です。
冬は、寒風を避ける場所が適しています。強い風を防げるならベランダでもよいですが、室内で育てるのもおすすめです。気温が0℃を下回る場合は、室内に移動させましょう。
気を付けたい病害虫
カーネーションは、ハダニやアブラムシなどの病害虫が付くことも。高温多湿な環境だったり日照時間が不足していたりすると、病害虫の被害に遭いやすくなります。
病害虫による被害を防ぐためには、風通しのよい場所で管理し、土の上に落ちた花や葉はこまめに取ることが大切です。
ハダニやアブラムシは、カーネーションの葉の裏に寄生して養分を吸い取り、カーネーションを弱らせてしまうため、見つけたらすぐに駆除します。どうしても駆除できなければ、殺虫剤などの薬品の使用も検討しましょう。
こちらの記事もたくさん読まれています
おしゃれな多肉植物を部屋に飾ろう|おすすめの種類や増やし方も紹介
ドライフラワーを作ってみよう|簡単な作り方と長持ちのコツを解説