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2023.06.05

土用の丑の日になぜうなぎを食べるの?その由来や意味を解説

 

「丑の日」の風習を紐解くと、その由来が見えてきます。「丑の日」には、うなぎ以外にも滋養強壮に良いとされる食べ物を食べる風習があります。今回は「土用の丑の日」期間や意味をわかりやすく解説。うなぎを食べる由来となったエピソードもご紹介します。

「土用の丑の日」の期間や意味とは?

「土用の丑の日」の「土用」は、年に4回やってきます。また、「丑」は十二支の牛を意味する言葉ですが、ここでは年ではなく日にちを数える意味で使用されています。まずは、「土用の丑の日」の期間や意味についてご紹介します。

はてなマークを浮かべる女性

「土用」の期間は年に4回

「土用の丑の日」の「土用」は、二十四節気の四立(しりゅう)にあたる立春・立夏・立秋・立冬の前の、18日または19日間を指します。二十四節気とは、1年を春夏秋冬の4つに分け、さらに細かく6つに分類したものです。四立はそのなかでも重要な節気であり、季節の始まりを意味します。

二十四節気の日付はその年によって1日程度前後しますが、「土用」が関わる四立の主な時期は以下のとおりです。

・立春 2月4日頃
・立夏 5月5日頃
・立秋 8月7日頃
・立冬 11月7日頃

「土用の丑の日」というと夏をイメージしがちですが、実際には各季節の四立の前にもやって来ることを覚えておきましょう。

2023年 夏の「土用の丑の日」はいつ?

7月30日の日曜日

立秋直前の約18日間が夏の土用の時期です。2023年の立秋は8月8日、夏の土用は「7月20日から8月6日まで」。この期間中の丑の日は、7月30日・日曜日です。土用は約18日間あるため、年によっては丑の日が2回訪れることもあります。その場合は最初の丑の日を「一の丑」と呼び、2回目を「二の丑」と呼びます。

「丑の日」の「丑」は十二支の牛のこと

「丑の日」の「丑」は、十二支の牛を意味しています。十二支というと年賀状に使う干支(えと)のイメージが強いですが、それ以外にも時間や方位、日にちを表す言葉として用いられます。カレンダーで目にする日付の1つひとつに、十二支は割り当てられているのです。つまり、約18日間ある「土用」の期間中にも「丑の日」は順番に巡ってくることになります。「丑の日」は12日周期でやって来るため、季節によっては「土用」の期間中に2度「丑の日」が当たることもあるでしょう。

夏の「土用の丑の日」にうなぎを食べる理由

夏の「土用の丑の日」にうなぎを食べる理由には、江戸時代の学者である平賀源内(ひらがげんない)が関係するという説があります。夏場の暑い時期、うなぎ屋の主人は思うようにうなぎが売れずに困り果てていました。相談を受けた平賀源内は「本日、土用丑の日」と書いた貼り紙を出すように主人に勧めます。するとうなぎ屋は大繁盛し、次第に他の店も真似るようになったというのです。

また、日本最古の和歌集「万葉集」には、夏痩せ防止のためにうなぎを勧める歌が残されています。そのため、古くからうなぎは滋養強壮に効く食べ物として注目されていたとも考えられています。

桶に入ったうなぎ

「土用の丑の日」に食べる風習がある食べ物

「土用の丑の日」には、うなぎ以外にも食べると良いといわれる食べ物があります。どれも精が付いたり、夏場の体調不良を整えたりしてくれる食べ物ばかりです。現代も、一部の地域で夏の暑さを乗り切るための風習として受け継がれています。

「土用の丑の日」に食べると良い食べ物
  1. 「う」の付くうどんや梅干し
  2. 土用餅
  3. 土用しじみ
  4. 土用たまご

梅干しを箸でもつ

「う」の付くうどんや梅干し

「土用の丑の日」は、「丑」にちなみ「う」の付くものを食べて無病息災を祈願します。なじみの深いうなぎもそのひとつです。うどんも丑の日の食べ物で、さっぱりと食べやすいことが夏場に好まれています。梅干しは、クエン酸が疲れを取り食欲を増進させ、夏バテに効果的といわれている食べ物です。

土用餅

土用餅は、餅をこしあんで包んだあんころ餅です。古来、宮中では暑気あたりをしないようにと、丸めた餅を味噌汁に入れて土用の入りに食べる風習がありました。江戸時代に入ると、餅を小豆あんで包むあんころ餅へとその姿は変化します。餅は「力持ち」、小豆は「魔よけ」に通ずることが、土用餅が無病息災祈願につながる理由です。関西や北陸地方では、今も土用にあんころ餅を食べる風習が残っています。

土用しじみ

しじみには、夏と冬の年2回、旬がやって来ます。産卵期にあたり、栄養価が高いとされているのが夏のしじみです。夏バテ防止にも効果的な夏のしじみは「土用しじみ」として「土用の丑の日」に食べられています。「土用しじみは腹薬」と呼ばれるほど、肝臓の働きを助けるといわれる食べ物です。

土用たまご

土用卵は「土用」の期間に産み落とされた卵です。栄養豊富な卵は、昔から滋養強壮の食べ物として重宝されてきました。うなぎのように、土用の卵は精が付くといわれています。食が細くなりがちな暑い時期を乗り切るため、先人たちが考えてきた風習のひとつです。

「土用」にすること、避けたいこと

「土用」は、梅雨に湿った衣類を干す「土用の虫干し」に適した時期です。一方で「土用」の時期に土を動かすことは避けた方が良いともいわれています。先人たちから受け継がれてきた知恵のひとつとして、それぞれを確認していきましょう。

晴れた青空と太陽

衣類や書物をカビから守る「土用の虫干し」

「土用の虫干し」とは、梅雨の時期に湿った衣類や書物を陰干しすることです。夏の暑い時期にあたる「土用の丑の日」に陰干しをすると、カビや虫の害を防げるといわれています。梅干しを作るときに行う「天日干し」も、土用の時期に行います。

「土用」の時期に土を動かすことは避ける

「土用」の時期に良くないといわれているのが土を動かすことです。土用の期間中、土には「土公神(どくしん・どこうしん)」と呼ばれる神様が宿るため、土いじりをすると神様の怒りをかうと古くから言い伝えられているのです。

具体的には、建物の基礎工事や農作業などは「土用」の時期を外します。季節の変わり目である「土用」に、農作業をして体調を崩さないようにという戒めも含まれると考えられています。

「土用の丑の日」の由来を知り日本文化に触れよう

「土用の丑の日」は「立春」や「立夏」といった季節の変わり目にあたる時期です。

「丑の日」は「土用」の期間に12日周期でめぐってきます。「土用の丑の日」にはうなぎだけでなく「う」の付く食べ物や土用餅などを食べる風習があることも、合わせて覚えていたいポイントです。「土用の丑の日」の由来をきっかけに、日本文化に触れつつ理解を深めていきましょう。

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