里帰り出産のお礼を贈ろう
出産は何かと不確定なことが多く、不安も募りがちです。そんなときに「安心して頼れる実家に戻って出産したい」と考える人が多いのは当然で、里帰り出産を選択する人は少なくありません。
出産のために実家に戻るときは、どのようなお礼を用意すべきなのでしょうか? 里帰り出産のお礼の必要性や金額の目安について考えてみましょう。
感謝の気持ちをお礼で表そう
たとえ慣れ親しんだ実家でも、自分はすでに家を出て別世帯を築いている身です。感謝の気持ちとしてお礼の品を持参する方が、お互いに気持ちよく過ごせるでしょう。
自分が実家に戻れば、その分、光熱費や食費がかさみます。その上、病院の送迎・必要品の買い足しなども必要となれば、両親には多くの負担をかけることになるかもしれません。
「帰ってきてくれるだけでうれしい」「お礼なんて気にしないで」などと言われた場合でも、それを鵜呑みにするのは避けた方が賢明です。できれば里帰りした当日は夫婦でお礼の品を渡して、「しばらくお世話になります」と頭を下げましょう。
金額の目安
実家に戻ってお世話を受ける場合、1カ月につき2~3万円を用意するのが一般的です。出産が2人目以降で、子どもも一緒にお世話になる場合は、5000円から1万円上乗せしていくと気が利いています。
とはいえ、一口に里帰り出産といっても、各家庭の事情はさまざま。「商品券やお米券をあわせて渡したい」「運転してもらうことが多いから、ガソリン代も多めに必要」などの事情がある場合は、渡す現金が相場より少なかったり多かったりするケースもあり得るでしょう。
大切なのは、実家・わが家それぞれがモヤモヤしない金額を渡すことです。里帰り出産の前に夫とよく相談し、わが家の里帰り出産に見合った金額を設定しましょう。
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代表的なお礼の品
里帰り出産のお礼は「これにすべき」と決まっているわけではありません。「何を贈るべき?」と悩んでしまう人は、先輩ママたちがチョイスしたお礼を参考にしてみるのがおすすめです。里帰り出産の定番ともいえる代表的なお礼の品を紹介します。
「現金」
里帰り出産のお礼として、最も多く選ばれているのが現金です。里帰り出産では、実家に金銭的な負担を掛けてしまうケースが少なくありません。親子とはいえ、掛かった分のお金を負担するのはマナーにかなっています。
「親に現金を渡すのに抵抗がある」という場合は、渡すときに一言添えるとカドが立ちません。「これでおいしいものを食べてね」「家のテレビはもう古いから、買い替えるのに使ってほしい」などと言えば、両親も気軽に受け取りやすくなるはずです。
「カタログギフト」
「現金を贈っても、断固として拒否されそう」などと感じるなら、カタログギフトはいかがでしょうか。現金ではなく商品を贈るかたちとなるため、受け取る側も抵抗感が少なくなります。「この中から好きな物を選んでね」と伝えれば贈る側の負担も軽減でき、一石二鳥です。
近年は、カタログギフトによる返礼が一般化しており、選べる商品のバリエーションも増えてきました。
ブランド好きな両親にはブランド品のカタログ、アクティブな両親ならさまざまなアクティビティを楽しめるカタログ、グルメな両親にはグルメカタログなど、大まかなテーマを決めて、カタログを探してみましょう。
「お菓子」や「お取り寄せグルメ」など
お菓子やグルメなどはいわゆる「消え物」に該当し、受け取る側に負担を感じさせたくないときにぴったりです。
両親の好きな系統のお菓子・グルメを持参して「みんなで食べよう」などと言えば、両親も気兼ねなく受け取りやすくなります。
消え物を里帰り出産のお礼とするとき注意したいのは、どこででも手に入るような安価過ぎるものを選ばないことです。お礼としての特別感がないものは、感謝の気持ちを伝える上では不十分であるともいえます。お礼としてお菓子やお取り寄せグルメを贈る場合は「普段自分では買わないような高級なもの」を意識しましょう。
ほかにも! 里帰りのお礼におすすめのギフト
現金やカタログギフト・食品など以外にも、喜ばれる里帰り出産のお礼はたくさんあります。定番以外ではどのような商品が選ばれているのか見ていきましょう。
「旅行券」や「ギフトカード」
旅行好きの両親なら「旅行券」もすてきなお礼の品です。
「私たちのお世話が終わった後、のんびり温泉にでも行ってきて」と伝えれば、両親もあなたたち夫婦の心遣いをうれしく感じてくれるに違いありません。
また、現金の代わりに「ギフトカード」を選ぶ夫婦も増えています。現金と同様に使える自由度の高さがあり、お礼として失敗しにくいのが魅力です。
ただし、一口にギフトカードといっても「国際ブランドの加盟店で使えるギフトカード」「特定の加盟店で使えるギフトカード」「特定の商品で使えるギフトカード」など、種類はさまざまです。両親の買い物方法や使い勝手に合うギフトカードを選びましょう。
「デジタルフォトフレーム」や「家電」
「消え物ではなく残るものを贈りたい」という場合は、デジタルフォトフレームや家電も喜ばれる選択肢の一つです。
赤ちゃんが生まれれば、「写真を送ってね」と言われることも増えるもの。このとき両親宅にデジタルフォトフレームがあれば、いつでもかわいい孫の画像を眺められます。赤ちゃんの動く姿・声までも楽しんでもらいたいなら、動画ファイル対応のものがおすすめです。
また、「古くなった家電」「欲しがっていた家電」などがあれば、そこからお礼の品の当たりを付けてみてはいかがでしょうか。両親が新しいもの好きなら、最新の調理家電や生活家電に顔がほころぶはずです。
お礼を渡すタイミングやマナー
実家とはいえ、「親しき仲にも礼儀あり」です。里帰り出産でお世話になる場合は、きちんと礼を尽くしましょう。
お礼を渡すタイミングや渡すときのマナーについて紹介します。
いつ、だれが渡す?
里帰り出産のお礼は、実家に到着したその日に渡すのが一般的です。
「お世話になった後でもよいのでは?」という意見もありますが、初日に渡してしまった方がお互い気持ちよく過ごせます。「今日からお世話になります」と言って渡しましょう。
また、実家へのお礼は、世帯主である夫から渡すのがマナーです。たとえ実の娘だとしても、戸籍上はすでに別々になっています。「別世帯にお世話になる」と考えて、夫がきちんと前に出る必要があるのです。
万が一、夫が付き添えない場合は、後で電話をしてお礼を伝えてもらいます。この場合、お礼は妻から渡して構いませんが「夫がよろしく言っていた」という旨の一言は加えておきましょう。
のしやのし袋は必要?
里帰り出産のお礼では、品物にはのしを付けます。一方、現金を贈る場合は、新札をのし袋に入れるのが一般的なマナーです。
なお、のしやのし袋を使うときは、水引と表書きに注意しましょう。
まず出産のお礼の水引は『紅白の蝶結び』を選びます。出産は何度繰り返してもよい『慶事』です。そのため、何度でも結び直せる蝶結びを表に付けるのがふさわしいと考えられています。
また、表書きに記す言葉は、『感謝』『御礼』などです。このとき水引より下の部分に夫婦の名前を入れれば、マナーにかなったお礼となります。
お礼の手紙も添えよう
里帰り出産のお礼を渡すとき、手紙を添えるとより丁寧です。長々と書く必要はありませんが、「お世話になります」「受け入れてくれてありがとう」などの言葉は入れておきましょう。
普段両親とメールのやりとりはしていても、手書きの手紙をやりとりする機会は少ないのではないでしょうか。マナーにかなった手紙を添えれば、両親はあなたが良識を備えた立派な女性になったことを実感します。その事実が、お礼の品物以上に両親を喜ばせるはずです。
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