「兼ねてより」ではなく「予てより」と表記する
かねてよりを漢字表記する場合には、「予てより」と表記するようにしてください。それぞれ漢字には以下の意味があります。
・兼ねて:2つ以上のものを組み合わせる、前もって
・予て:前もって
兼ねてには、別の意味もあるため紛らわしい印象を与えてしまいます。1回で意味が通じるように、予てよりを使ったほうが親切です。
かねてよりの類語4つ
かねてよりは、ビジネスシーンで頻繁に使う言葉のため、連発していると不自然になります。意味が通じるように4つの類語を使って会話をしてみてください。
かねてよりと同じ意味がある「かねてから」
1つ目の類語は、かねてよりと同じ意味がある「かねてから」です。「以前から」や「前もって」の意味があり、言い換え表現として使うこともできます。
かねてからは鎌倉時代(1185〜1333年)・室町時代(1336〜1573年)から使われた言葉のため、かねてよりと比較すると新しい言葉です。以下のように使ってみてください。
【例文】
かねてからご提案しておりましたプランの詳細をご説明いたします。
言い換えには使えない「あらかじめ」
2つ目の類語は、言い換え表現には使えない「あらかじめ」です。意味は「将来を見据えて前もって物事をおこなっておく」です。かねてよりと似ていますが、未来のことを考えて行動を起こす言葉なので、言い換え表現としては使えません。
以下のように使ってみましょう。
【例文】
お時間を頂く場合がございますこと、あらかじめご了承くださいませ。
これまでのことを指す「従来」
3つ目の類語は、これまでのことを指す「従来」です。「以前から今まで」や「今までと変わらず」のような意味があります。かねてよりは過去から現時点の話で用いますが、従来は過去・現在・未来まで続くことを述べる意味合いが強いです。
以下のように使ってみましょう。
【例文】
こちらの製品の従来の価格を変更いたします。
事前にやっておくこと「前もって」
4つ目の類語は、事前にやっておくことを意味する「前もって」です。「事前に物事を済ませておく」意味があるので、あらかじめとほとんど同じです。そのため、言い換え表現に使うのは避けておくのが無難でしょう。
以下のように使ってみましょう。
【例文】
定例会議に遅刻してしまう場合は、前もって連絡をお願いいたします。
以前からという意味があるかねてよりを正しく使おう!
かねてよりには「以前から」という意味があります。使うときのシチュエーションや注意点をご紹介したので、使う際には頭に入れながら正しく用いましょう。特に目上の人や取引先に使うと丁寧な印象を与えられます。
かねてよりには「かねてから」や「あらかじめ」などの類語もありますが、言い換えできない言葉もあるため、用いるときには注意してください。
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