ビジネスで使える12月の時候の挨拶と例文
では早速、ビジネスで使える12月の時候の挨拶と例文について解説していきます。
・12月上旬の挨拶「初冬の候」
・12月中旬ごろまでの挨拶「師走の候」
・12月下旬の挨拶「歳末の候」
上旬・中旬・下旬で時候の挨拶は異なります。それぞれの季節についても一緒に解説するので、なぜその挨拶を用いるのかより深く理解しておきましょう。
■12月上旬の挨拶「初冬の候」
12月上旬の挨拶は「初冬の候」を用います。初冬の候とは、冬の始まりを示す言葉です。暦の上では立冬(11月7日ごろ)が終わり、大雪(12月7日ごろ)に入るまでは初冬に分類されます。実際の季節感だとすでに冬本番という感じですが、挨拶は旧暦を参考にします。
以下の例文を参考にしながら、ビジネスメールを作ってみましょう。
【例文】
・初冬の候 貴社におかれましてはますますご清栄のことと慶び申し上げます。
・拝啓 初冬の候 貴社ますますのご盛栄のこととお慶び申し上げます。
・拝啓 初冬の候 〇〇様におかれましてはお元気でいらっしゃいますか。
■12月中旬ごろまでの挨拶「師走の候」
12月中旬ごろまでの挨拶では「師走の候」を使ってください。師走の候とは、12月全般の時期という意味があります。12月になると僧侶が慌ただしく走り回ることからこの言葉が生まれたという説もありますが、はっきりとはしていません。
「師走の候」は12月全般に使える表現ですが、年末は専用の挨拶があるため、一般的には12月中旬まで使います。以下の例文を参考にしながら、ビジネスメールを作ってみましょう。
【例文】
・師走の候 平素は格別のご高配をいただき深く御礼申し上げます。
・拝啓 師走の候 〇〇様におかれましてはますますご健勝のことと慶び申し上げます。
■12月下旬の挨拶「歳末の候」
12月下旬の挨拶は「歳末の候」を用いましょう。歳末の候とは、年の暮れの時期を表す言葉です。12月下旬は会社でも新年の近づきを意識し、大掃除や年末の挨拶などを始める時期です。
そのため、年の瀬にふさわしい挨拶をメールで送ると、いい1年の締めくくりになるでしょう。以下の例文を参考にしながら、ビジネスメールを作ってみましょう。
【例文】
・歳末の候 ますますご多忙の時期に恐れ入ります。
・拝啓 歳末の候 今年も残すところあとわずかとなりました。ご多忙中にも活気あふれる日々をお過ごしのことと存じます。
12月の時候の挨拶の結びの言葉と例文
ここからは、12月の時候の挨拶の結びの言葉と例文について解説します。
・寒さについての結びの言葉
・相手の健康を祈る結びの言葉
・年末に使える結びの言葉
結びの挨拶はワンパターンではありません。相手の状況によって使い分けたほうが、いい印象を与えられるでしょう。例文もあわせてご紹介するので、参考にしてみてください。
■“寒さ”についての結びの言葉
1つ目は、寒さについての結びの言葉です。前述しましたが、12月は寒さが本格化する時期です。防寒対策が欠かせなくなり、体調を崩してしまう方も中には出てくるでしょう。寒さに関して、相手への気遣いができると印象もよくなります。
特に寒さが厳しい地域に住んでいる方におすすめです。以下の例文を参考にしながら、ビジネスメールを作ってみましょう。
【例文】
・寒さも本格的になりました。お元気で良いお年をお迎えください。
・寒い日が続きますが、どうぞお体にお気をつけてお過ごしください。
・毎年雪深くなる傾向にありますが、どうか寒さ対策に留意しつつお元気でお過ごしください。
■“相手の健康を祈る”結びの言葉
2つ目は、相手の健康を祈る結びの言葉をご紹介します。寒さで健康を崩してしまいがちな季節にはもちろん、季節を問わずに使える結びの言葉ですので、覚えていて損はないでしょう。
持病をお持ちの方だけではなく、健康な方にも使えます。以下の例文を参考にしながら、ビジネスメールを作ってみましょう。
【例文】
・寒さが厳しくなりましたので、お風邪など引かれませんよう、ご自愛ください。
・末筆ながら、皆様のご健康とご多幸を深くお祈り申し上げます。
・最後になりましたが、〇〇様のご健勝をお祈り致しますとともに、今後より一層ご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
■“年末に使える”結びの言葉
3つ目は、年末に使える結びの言葉です。12月下旬になると、新年の訪れを意識するようになります。ビジネスメールでも新たな年の訪れを感じさせる結びの言葉を意識して使っていくと、季節感のある文面を作成できます。
以下の例文を参考にしながら、ビジネスメールを作ってみましょう。
【例文】
・年末でご多忙のことと存じますが、お体の方もご自愛してくださいませ。
・最後になりますが、何卒良いお正月・新年をお迎えくださいませ。
・来年もご指導ご厚情を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
12月の時候の挨拶をする際の注意点2つ
ここからは、12月の時候の挨拶をする際の注意点2つについて解説します。
1.季語を理解してから使う
2.相手に応じた表現を使う
時候の挨拶では、季語を理解しておくことと、相手にふさわしい表現を使うことが大切です。これらの注意点を頭に入れながら、適切な時候の挨拶ができるようになりましょう。以下で、それぞれの注意点について解説していくので、参考にしてみてください。
1.季語を理解してから使う
12月の時候の挨拶をする際の注意点の1つ目は、季語を理解してから使うことです。季語を理解しないと、間違った季語を使ってしまい相手に違和感を与えることも。今はどんな季語を使うのが適切なのか必ず調べてから使いましょう。
12月の代表的な季語を挙げてみます。
・年の瀬
・年越し
・年の暮れ
・クリスマス
・冬至
知らない言葉を無理やり使うことは避けましょう。自分が使い慣れていない言葉は、相手も知らない可能性があります。誰でもわかる季語を用いた方が、相手に伝わりやすいです。
2.相手に応じた表現を使う
12月の時候の挨拶をする際の注意点の2つ目は、相手に応じた表現を使うことです。親しい間柄の相手に堅めの文章を綴ったら違和感が残ります。反対に改まった相手に、カジュアルな文面のメールを送ったら失礼に当たるでしょう。
相手に応じて表現を使い分けることが重要です。相手別の例文をご紹介します。
【親しい相手】
・クリスマスツリーが美しく飾られる頃です。ご家族皆様、お元気でお過ごしでしょうか。
【改まった相手】
・今年もわずかとなり、何かとご多忙のことと存じます。
12月の時候の挨拶を知ってビジネスで使いこなそう
12月の時候の挨拶には、代表的な3つの挨拶がありました。12月上旬の挨拶「初冬の候」・12月中旬ごろまでの挨拶「師走の候」・12月下旬の挨拶「歳末の候」です。時期ごとに適切な挨拶の表現が異なるので、送る時期を考えながらメールを作成しましょう。
また、ビジネスメールを作成するときは、季語を理解してから用いることが大切です。相手との間柄も考えながらふさわしい表現を用いて挨拶文を作成しましょう。結びの言葉も3種類ご紹介したので状況に合わせて使い分けてみてください。
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