デフォルトとは? 異なる4つの意味
デフォルトとは、使うシーンによってまったく違った意味を持つ言葉です。おもな意味は以下のとおりです。
1.スマホやパソコンなどの「初期設定値」
2.ビジネスや金融における「債務不履行」
3.スポーツにおける「棄権」
4.日常会話での「定番・標準」
それぞれの意味についてチェックしていきましょう。
1.スマホやパソコンなどの「初期設定値」
デフォルトのひとつ目の意味は、「初期設定値」です。これはスマホやパソコンなど、コンピューターに関連する分野でよく使われます。
機器の工場出荷時やソフトウェアをインストールした際に、あらかじめこう動くようにとセットされている、標準設定のことです。電子機器や電化製品で多用されており、言い換え表現として初期設定値や省略時設定、工場出荷時設定などがあげられます。
2.ビジネスや金融における「債務不履行」
デフォルトのふたつ目の意味は「債務不履行」です。この意味はビジネスや金融、経済に関連するシーンでよく使われています。
通常であれば、債務は期日までに返済しなくてはならないものです。しかし、金融危機などが起こった場合には、返済が滞ってしまうケースがあります。このように債務の返済が履行できない状態を債務不履行といい、その可能性が高まった状態のことをデフォルトの危機というのです。
3.スポーツにおける「棄権」
デフォルトの3つ目の意味は「棄権」や「リタイア」です。この意味は、スポーツの試合の際に使われています。デフォルトはただ試合に参加しなかった場合ではなく、試合に出場できる資格を持っているにもかかわらず欠場したケースに使われる言葉です。
特にテニスでは、試合相手が棄権したことによる勝利を「デフォルト勝ち」といいます。以前は相手が棄権したときの勝利すべてをそう表していたものの、最近では相手がペナルティやルール違反によって失格したことで得られた勝利をデフォルト勝ちというようになりました。
4.日常会話での「定番・標準」
デフォルトの4つ目の意味は「定番」や「標準」「いつも通り」です。この意味は日常的な会話やネットスラングなどでよく使われています。
これはひとつ目の意味の、初期設定値から派生して使われるようになったものです。日常的な会話やネットスラングのシーンでは、デフォルトを短縮して「デフォ」と使う場合もあります。
デフォルトの由来とは
もともと、デフォルト(default)とは英語で「失敗する」という意味の言葉を強調したものであり、義務を怠るといった意味があります。
また、コンピューター関連の分野で使われる初期設定値の意味は、「誤りを否定する」という意味合いに由来しています。電子機器や電化製品などはプログラムを設定しておかないとエラーを引き起こしてしまうため、事前に誤りの防止を目的として初期設定をおこなうことをデフォルトというようになったのです。
デフォルトを使った3つの例文
実際にはどのように使うのか、デフォルトを用いた3つの例文でチェックしていきましょう。例文は以下のとおりです。
1.iPhoneの設定をデフォルトに戻した
2.巨額の財政赤字でデフォルトの危機に陥った
3.若年層のインスタはデフォルトで非公開設定となった
それぞれの文章で使われているデフォルトは、先述した4つの意味のうちどれを表しているのか、考えながら見ていきましょう。