自社のブランディングを推進する役割
「広報」には、「自社と社会を繋ぐ役割」があると述べました。社会のトレンドに敏感でなければならない「広報」は、消費者のニーズを推測し、ブランディングを推進する役割。社会を冷静に、かつ常に広い視野を持つことが求められます。
コミュニケーターとしての役割
コミュニケーションハブとも言います。「広報」とは、社内外問わずステークホルダーとのコミュニケーションを図る役割があります。ちなみに、ステークホルダーとは、英語の「stakeholder」が由来となっており、利害関係者という意味です。ビジネスシーンで用いられる場合は、経営者や株主を始め、従業員や消費者(顧客)、取引先などが含まれています。つまり、「広報」とは、会社に関係するすべての人との関係を良好に保たせる重要な役割も担っているのです。
「広報」を行うメリットとは?
社外広報を行うメリットは、やはり自社の商品やサービスを広く知ってもらうことが出来る点です。何も知らない状態では、商品やサービスを買うどころか、検討すらしてもらえません。「こんな商品、サービスがあります!」「こんな良いところがあります!」というアピールを行うことが重要です。
また、社内広報のメリットは、社内でのコミュニケーションを活発に取ることが出来るため、社内での不明確な情報の拡散を防止できるのです。その上、社内広報を上手に活用することで、従業員の気持ちを一体化させるとともに、士気を高めることも出来ます。
さらに、社内広報を行うことで、社内全体にブランディングの土台を共有することも出来るのです。
「広報」に求められるスキル
今まで解説した通り、「広報」は会社になくてはならない重要な役割を担っていることが分かりました。そのため、いかにうまく「広報」を行えるかが会社を支えるポイントに。「広報」に求められるスキルとはどのようなものがあるのか、見ていきましょう。
まず、「コミュニケーション能力」が非常に重要になります。特に「広報」が意識するべきコミュニケーションとは、「会社の顔として、正確で分かりやすく情報を相手に伝える」ということです。
もう一つ、重要なスキルとして挙げられるのが「想像力」です。具体的にどのような「想像力」かというと、「ステークホルダーが求めるものをイメージする力」と「伝えたい情報が、ステークホルダーにどのように伝わるのかをイメージする力」。ステークホルダーとの信頼関係を築くためには、自社内外の関係者の心理をよく理解する必要があるのです。
類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある?
「広報」には、似た意味を持つ言葉がいくつかあります。ややこしく、混乱しやすいので整理するようにしましょう。
販促
「販促」は「はんそく」と読みます。「広報」も「販促」も、どちらも商品やサービスを認知してもらうための活動を指し、同じ意味に思われがちですが、実は大きな違いがあります。
「広報」は、担当者が報道機関に報道してもらえるように活動を行い、新聞や雑誌等の記事に取り上げてもらうことで無償で商品やサービスをアピールするのです。
一方、「販促」は、会社が予算を組み、その予算を使いあらゆる方法でアピールします。
IR
「IR」とは、「Investor Relation」の略称です。「Investor Relation」とは、投資家との関係性という意味になります。つまり、「広報」が消費者に向けた情報を発信する活動なのに対して、「IR」は、投資家向けに、自社の経営の情報などを発信することです。
最後に
今回は、ビジネスシーンで用いられる「広報」について詳しく解説しました。「広報」は、社外の人に、自社の商品やサービスを宣伝する活動のみを指すのだと思っていた方は多いのではないでしょうか。しかし、社内でも「広報」は重要な役割を持っています。会社の中でも従業員の士気を高めたり、会社のブランディングの土台作りを行ったりと欠かせない存在です。もしも「広報」への転職を考えている方がいたら、ぜひ参考にしてみてください。
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