茶番を演じる
「茶番を演じる姿が滑稽だ」などという使い方をされる場合は、周りからは芝居だと見透かされているのに、本人はそれに気づかず、一生懸命「見え透いた芝居」をする姿が、滑稽であるという意味です。
類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある?
「茶番」と同じ意味を持つ類語や言い換え表現についても、いくつか紹介しておきます。「茶番」の由来となったのが「茶番狂言」ということで、猿芝居や村芝居(田舎芝居)、三文芝居など、お芝居に関連する言葉が複数あります。ここでは主だったものをいくつか紹介します。
猿芝居
「猿芝居」は、見せ物芸能の一種で、猿に芸を仕込んで芝居をさせるものです。猿がする芝居、つまり、ばかばかしく下手な芝居という意味です。
出来レース
「出来レース」は、例文で紹介した、結果が最初から決まっているオーディションのような状況を言います。始まる前から結果が決まっている競争や試合、選考などのことです。
今ではほとんど耳にしませんが、昔は就職活動において「縁故採用」というものがあり、会社で高い役職に就く人物の子息などは、苦労なくその会社や関連会社、取引先に就職できることもありました。こういう縁故採用は、最初から採用が決まっているのに、わざわざ合格前提の就職面接が行われていたことも。最初から合格ありきの、「出来レース」というわけです。
三文芝居
「三文芝居」は、三文ほどの価値しかない芝居のことで、お金を払う価値がないような稚拙な芝居を意味します。
八百長
「八百長(やおちょう)」も「出来レース」と同様、最初から結果が決まっているという点では同じです。「八百長」は、金銭や地位・待遇などの授受と引き換えに、一方がわざと負けること。「八百長」は、金銭が絡むことが最大の特徴で、プロスポーツなどの場でも、過去に問題となっています。
「茶番」の英語表現とは?
「茶番」の英語表現についても紹介しておきます。「茶番」を意味する英単語は「farce」です。「とんだ茶番だ」と言いたい時には、「What a farce.」となります。
最後に
見え透いたばかばかしい行為を意味する「茶番」という言葉。「茶」という漢字が使われているのには意味があったんですね。注意して観察すると、世の中の出来事には「茶番」が溢れています。日常の中でも、「茶番」という言葉がぴったり当てはまる出来事を探して、「これは茶番だな」と確認してみるのも、言葉を自分のものにできる訓練にもなり、楽しいかもしれません。
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