一夜漬け
読み方は「いちやづけ」。試験の前日などに、足りない勉強量を補うために集中して勉強することを表す言葉です。試験勉強に限らず、短時間で仕事を終わらせる場合にも使われます。例文は以下の通りです。
例文
・彼の勉強法はいつも一夜漬けだ。
・仕事を溜めてしまい、一夜漬けで終わらせなければならない。
・一夜漬けで作成した資料だったが、上司から褒められた。
にわか仕込み
「にわか仕込み(にわかじこみ)」も、「付け焼き刃」とほぼ同じ意味合いで使われる言葉です。
【俄仕込み(にわかじこみ)】
1. 商品を必要になってから急いで仕込むこと。また、その商品。
2. 間に合わせるために大急ぎで覚えること。また、そのもの。「俄仕込みの英会話」「俄仕込みの隠し芸」
「にわか仕込み」には商品を仕込む、もしくはその商品そのものを意味する場合があり、その点が付け焼き刃とは異なる部分です。例文を見てみましょう。
例文
・にわか仕込みの知識では、その問題を解くことは難しい。
・予定より多くの参加があり、にわか仕込みでテーブルを用意した。
・彼女のテーブルマナーはにわか仕込みなので、どことなくぎこちない。
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「付け焼き刃」の対義語
「付け焼き刃」と、反対の意味を表す言葉もあります。「準備万端」や「用意周到」といった言葉で、どちらも急いで身につけた間に合わせの知識とは対極にある言葉です。反対の意味を持つ対義語を覚えることで、表現のバリエーションも広がるでしょう。
ここでは、「付け焼き刃」の対義語を2つ取り上げ、それぞれの言葉を使った例文も紹介します。
準備万端
「じゅんびばんたん」と読みます。物事を行う際に、必要な準備がすべて整っているという意味です。必要なものが備わっておらず、一時しのぎをするという意味の付け焼き刃とは対極の意味合いがあります。例文を見てみましょう。
例文
・準備万端怠らず、仕事に取り組まなければならない。
・試験に向けての勉強は準備万端に整えている。
・彼のことだから、今回のことも準備万端に整えているに違いない。
用意周到
読み方は「よういしゅうとう」。準備に手抜かりがないという意味で、「付け焼き刃」とは対極の言葉です。
【用意周到(よういしゅうとう)】
[名・形動]用意が行き届いて、手ぬかりがないこと。また、そのさま。
「用意周到な(の)実施計画」
「用意周到」の例文は次の通りです。
例文
・用意周到な訓練を行なっていたので、今回の地震の被害は最小限に抑えられた。
・彼はどの試験のときも用意周到に準備している。
・課長はどんなものにも気配りを怠らない、用意周到な人だ。
付け焼き刃ではない知識を身につけよう
付け焼き刃は、一時的に知識や技術を身につけることです。切れない刀にはがねの焼き刃をつけ足すという、日本刀の用語に由来しています。「間に合わせの知識などは役に立たない」というニュアンスがあり、その場しのぎの習得に対し批判的に使われる言葉です。付け焼き刃とは言われないよう、知識の習得などは準備万端に整えるよう心がけましょう。
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(引用全て〈小学舘 デジタル大辞泉〉より)
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