「閑静」の読み方や意味とは?
「閑静」という言葉は、「閑静な住宅街」など、場所を説明する時に聞くことが多いですよね。なんとなく意味は知っているという方も、あらためて「閑静」の意味を理解しておきましょう。
読み方や意味とは?
「閑静」は「かんせい」、もしくは「かんじゃく」と読むことができます。言葉の意味は、「静かで落ち着いたようす」、「ざわめきがなく、物静かなようす」です。
もともと「閑」という漢字が、「静かで落ち着いているようす」をあらわします。この「閑」に、「物音がなく、静かなようす」という意味の漢字「静」を組み合わせたのが「閑静」です。
注意したいのは、「閑静」は、土地や住まいなどの場所に対して使う言葉ということ。「閑静な人」、「閑静な女性」など、人に対しては使いませんので、誤って使わないように気をつけましょう。
「閑静」と「閑散」の違いは?
「閑静」と似ている言葉に「閑散」があります。「閑散」は「かんさん」と読みます。意味は3つあり、「しんとして静まりかえっていること」、「仕事がなく、暇なこと」、「売買や取引が少ないこと」です。1つ目の意味が「閑静」と似ていますが、「閑散」は、「もの寂しい」というニュアンスを含みます。
そのため、「閑静な住宅街」と「閑散とした住宅街」では、印象が異なります。「閑静な住宅街」は、単に静かで落ち着いた住宅街をあらわしますが、「閑散とした住宅街」では、静かでもの寂しい雰囲気の住宅街という表現になります。このように、似ている言葉ですがニュアンスが異なるため、文脈に注意して使うようにしましょう。
使い方を例文でチェック!
次に、「閑静」の使い方を例文で紹介します。主に、場所や住まいなどについて使う言葉ですので、さまざまな場面で使ってみましょう。
「次に引っ越すなら、人が多い都心ではなく、郊外にある閑静な住宅街にしよう」
「閑静」という言葉を一番使うのは、住居のエリアについてではないでしょうか。交通の利便性や通勤のしやすさを考えると、都心の方が良いですが、落ち着いた環境でゆっくりと過ごすには、郊外の方が適していますよね。この例文では、「人が多い都心」と「郊外の閑静な住宅街」というように、対照的な言葉を並べることで、その対比を強調しています。
「大通りは賑やかな雰囲気だが、小道に入ると閑静な街並みが広がっている」
大通りは人が多くて騒がしかったのに、通りを一本入ると、さっきまでの喧騒が嘘だったかのように、静寂な雰囲気が広がる小道ってありますよね。そのような場面を表現した文です。単に「静かな街並み」と言うよりは、「閑静な街並み」と言った方が、物音がなく、落ち着いた雰囲気であることが伝わるでしょう。
「そのホテルは、山の奥にあり、自然が豊かでとても閑静だ」
この例文のように「閑静」は、特定の場所についても使うことができます。駅から近く、飲食店やお土産屋さんが周辺に多くあるホテルは、比較的賑やかですが、山奥にあるホテルは静かでゆったりとした時間が流れています。旅行で訪れた場所が「閑静」だった場合には、こうした表現を使ってみてください。
「先日商談した企業は、閑静なオフィス街にあった」
訪れた会社が「閑静なオフィス街」にあった時の例文です。「閑静」と聞いて、嫌な印象を受ける方は少ないので、相手の方に「周辺はとても閑静ですね」と実際に伝えてみるのも良いかもしれません。
類語や言い換え表現とは?
「静かで落ち着いたようす」をあらわす「閑静」と同じような意味の言葉を紹介します。すべて「静かであること」は共通していますが、受け取る印象が異なりますので、1つ1つ見ていきましょう。
:物静か
最初に類語として挙げられるのは「物静か」です。「物静か」は、「ひっそりとして静かなようす」、「落ち着いていて穏やかな」という意味の言葉。「閑静」とほぼ同じ意味ですので、たとえば「閑静な住宅街」を「物静かな住宅街」、「閑静なホテル」を「物静かなホテル」と言い換えることができます。ただし、「閑静」と違い、「物静か」は、人に対しても使うことができます。
ひっそり
その他の類語は、「ひっそり」です。「ひっそり」の意味は、「物音や人の声が聞こえず、静かなようす」です。「ひっそりとした家」、「ひっそりと静まりかえった住宅地」などと使うことができます。しかし、「ひっそり」には「寂しく静かな」というニュアンスが含まれることを覚えておきましょう。