「秀才」は論理的、「天才」は感覚的
「秀才」は、目標に向かって勉強する過程で、学問に必要な思考を身に着ける人が多いため、論理的なタイプが多いといえます。「天才」は、元から備わっている能力を発揮するため、何かを決めたり、行動する時も直感や感覚で決める人が多いでしょう。
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「秀才」の類語・言い換え表現とは?
「秀才」や「天才」の他にも、ずば抜けた能力を持っている人物を表す言葉がいくつかあります。次に「秀才」の類語・言い換え表現を見ていきましょう。
「鬼才」
「秀才」によく似た言葉の一つに「鬼才」があります。「鬼才」とは、
【鬼才(きさい)】
人間とは思えないほどの鋭い才能。また、その持ち主。
<小学館 デジタル大辞泉>より
という意味の言葉です。「映画界の鬼才」などと、クリエイティブな分野で独特の個性を発揮している人物を表すときに使われます。「鬼才」の「鬼」が、「想像上の怪物」を指すように、凡人には理解しがたい性格や行動をとる人のことを「鬼才」と呼ぶことが多いようです。
「奇才」
「奇才」も、「秀才」の類語の1つとして挙げられる言葉です。辞書で調べてみると、
【奇才(きさい)】
世にまれな、すぐれた才能。また、その才能の持ち主。
<小学館 デジタル大辞泉>より
という意味です。実際会話の中では「奇才と呼ぶにふさわしい人だ」というように使います。そもそも「奇」という文字は、「珍しいこと、不思議な様子」という意味。「少し変わった人」というようなニュアンスを持つ言葉であるかもしれません。
「英才」
「英才」を辞書で調べると、
【英才(えいさい)】
すぐれた才能・才知。またその持ち主。秀才。
<小学館 デジタル大辞泉>より
という意味になります。代表的な表現としては、「英才教育」という言葉があります。才能のすぐれた児童に対して、その能力を伸ばすため特別な教育を行うことをいいます。「英才」も、主に学問的能力に対して使われる言葉であるため、「秀才」と非常に似たニュアンスを持つ言葉といえるでしょう。
天賦の才がある
「天賦(てんぷ)の才がある」とは、「天から与えられた才能、生まれつきの才能がある」という意味です。「天賦の才能」とも言います。「賦」という漢字には、「配る」という意味があります。先天的な才能であることから、「天才」と近い意味を持つ言葉。「自分には天賦の才能があるはずだ」「天賦の才を活かした仕事を選んだ」というように使われます。
「秀才」の対義語
「秀才」の対義語には「凡才」「非才」「凡庸」「常人」などが挙げられます。それぞれ詳しく解説します。
凡才
「凡才(ぼんさい)」とは平凡で、特にすぐれたところのないことを表す言葉です。また、アルバート・アインシュタインの名言に「天才とは努力する凡才のことである」という言葉がありますね。凡才とは特にすぐれたところのないことですから、最初から天才はおらず、努力が天才を作るという意味になります。
ぼん‐さい【凡才】
平凡で、特にすぐれたところのない才能。また、そのような才能の人。
〈引用(小学館 デジタル大辞泉より〉
非才
「秀才」は非常にすぐれた学問的才能を表す言葉ですから、才能の乏しいという意味の「非才(ひさい)」は対義語と言えるでしょう。自分のことをへりくだりたい時にも使える言葉で、学問、知識ともに乏しく、かつ才能もないことを表したい場合は「浅学非才(せんがくひさい)」を使っても良いでしょう。例えば賞をもらう際に「浅学非才の私にこのような賞をいただき、身に余る光栄です」というように使うことができます。
ひ‐さい【非才/×菲才】
才能がないこと。才能の乏しいこと。また、自分の才能をへりくだっていう語。
〈引用(小学館 デジタル大辞泉より〉
凡庸
「凡庸(ぼんよう)」は、際立った特徴がなく、平凡でとりえのないことを表す言葉です。似たような物事がほかにあるかどうかは関係なく、特別に優れた点がない場合に使われます。「凡庸な才能」「凡庸な思考」などのように使うことが可能です。
ぼん‐よう【凡庸】
[名・形動]平凡でとりえのないこと。また、その人や、そのさま。
〈引用(小学館 デジタル大辞泉より〉
常人
「常人(じょうじん)」は才能や考え方などが普通の人や、並みの人であることを表す言葉です。「常人の私には理解し難い」や「常人には一生かかっても届かない」というように使うことができます。
じょう‐じん〔ジヤウ‐〕【常人】
才能や考え方などが普通の人。並みの人。じょうにん。
〈引用(小学館 デジタル大辞泉より〉
「秀才」の英語表現とは?
「秀才」の主な英語表現は、「talented person」です。「talented」は「才能をもっている。有能な」という意味があります。会話の中で使う場合は、「You are a talented person 」(あなたは優秀な人ですね)と表現してみると良いでしょう。
その他にも、「brilliant(優秀な)」や、「bright(素晴らしい)」という単語を使って、「秀才」を表すこともできます。「the brightest student in a class 」(クラスで一番の秀才)などと表現します。
秀才と天才の違いや言い換え表現を理解して活用を!
「秀才」の意味をご紹介しました。もとは、中国の試験「科挙」の科目が由来である言葉だったことは驚いた方もいるでしょう。昔から、学問の能力に秀でている人物は称賛の的だったのかもしれません。「秀才」は天才とは異なり、自分の努力によって身につけた能力。日々努力をして少しでも「秀才」に近づけると良いですね。
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