尽力
「粉骨砕身」の類語の2つ目は、目的のために力を尽くすことを意味する「尽力」です。読み方は「じんりょく」で、自分ではなく他人の為に力を尽くすニュアンスが強い言葉と言えます。
辞書では、以下のように解説されています。
【尽力】
ある目的の実現のために、力を尽くすこと。
部下や同僚に対しては「尽力」を使いましょう。上司や取引先に使う場合は、敬意を表す「ご」を付けて「ご尽力」が適当です。使うときは、以下の例文を参考にしてみてください。
【例文】
・Aさんの【ご尽力】のおかげです。
・会社のために【尽力】する。
「粉骨砕身」と似ている四字熟語2つ
「粉骨砕身」と似ている四字熟語は2つあります。
1.全ての体力・精神力を注ぐ「全身全霊」
2.目的達成のために小さな努力をする「粒々辛苦」
それぞれの意味や使用例、辞書的な意味について解説します。これらの四字熟語もビジネスシーンやプライベートで十分活用できる言葉です。ぜひ覚えて、日常のシーンで使ってみましょう。
全身全霊
「粉骨砕身」と似ている四字熟語の1つ目は、全ての体力・精神力を注ぐ意味がある「全身全霊」です。読み方は「ぜんしんぜんれい」で、全身は「体力」、全霊は「精神力」を意味しています。
辞書では以下のように解説されています。
【全身全霊】
からだと心のすべて。体力と精神力のすべて。
「全身全霊を捧げる」「全身全霊を打ち込む」という言い回しをよく耳にするかもしれません。使うときは、以下の例文を参考にしてみてください。
【例文】
・自分のプロジェクトには、【全身全霊】を捧げる。
・自分には、【全身全霊】を打ち込むことがない。
粒々辛苦
「粉骨砕身」に似ている四字熟語の2つ目は、目的達成のために小さな努力をするという意味がある「粒々辛苦」です。読み方は「りゅうりゅうしんく」で、粒々は「穀物の一粒」を表しており、辛苦とは「つらく苦しいこと」を表しています。
辞書では以下のように解説されています。
【粒粒辛苦】
穀物の一粒一粒は農民の辛苦の結晶であるということ。米を作る農民の苦労をいう。転じて、物事を成し遂げるために、こつこつと苦労を重ね、努力を積むこと。
言い回しとしては「粒々辛苦して」「粒々辛苦の姿勢」などの言い回しで活用されます。使うときは、以下の例文を参考にしてみてください。
〈例文〉
・【粒々辛苦】して、貯金が100万円貯まった。
・【粒々辛苦】のすえ、やっと実を結んだ。
・どんなにつらくても【粒々辛苦】の姿勢で取り組みなさい。
「粉骨砕身」の意味を知って正しい使い方をしよう!
「粉骨砕身」は、身を粉にして精一杯努力することで、禅宗の経典である『禅林類纂』にある教えに由来します。「粉骨砕身」はビジネスシーンでの意思表明などに使えるため、ぜひ活用してみてください。
類語には「骨折り」や「尽力」があります。上司に使う場合は、丁寧な表現にする必要があるため、注意しましょう。似ている四字熟語として「全身全霊」や「粒々辛苦」があるので、使ってみてください。「粉骨砕身」の正しい意味を知って、上手に使いましょう。
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(引用すべて〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
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