対義語は「嘘も方便」「オブラートに包む」
「身も蓋もない」の対義語は、「嘘も方便」と「オブラートに包む」の2つです。どちらの表現も、本心をそのままストレートに表現するという意味の「身も蓋もない」とは、反対の意味を持っています。
・「嘘も方便」:よい結果を得るためには時には嘘が必要だということ
・「オブラートに包む」:刺激的な表現を避け、遠回しな言い方をすること
「身も蓋もない」の使い方と例文
「身も蓋もない」の基礎知識を付けられたところで、使い方のポイントと例文をご紹介します。次の3つのシーンで使うのを意識すると、「身も蓋もない」を上手く使いこなせますよ。
1.相手にピシャリと断られた時に使う
2.相手に厳しい言葉を浴びせられた時に使う
3.自分の発言を緩和させる時に使う
それぞれの場面における使い方と、実際の使い方の参考にできる例文を分かりやすく解説します。
【使い方1】相手にピシャリと断られた時に使う
相手から何の躊躇もなく露骨な言葉で断られてしまった状況を描写するのに、「身も蓋もない」はピッタリの言葉です。例えば、好きな人に長年の想いを告白したシーンで「あなたとはありえない!」なんて心の痛む返事が帰って来た場合などです。
そんなふうに言わなくても……というニュアンスを含めて使うと、「身も蓋もない」が上手に使えるでしょう。
【使い方2】相手に厳しい言葉を浴びせられた時に使う
自分の意見や目標、夢を話した際に、相手があまりにも心無い言葉で否定したり、絶望させるようなことを言ったりした際にも「身も蓋もない」が使えます。
オーディション合格に向けて、歌の練習を一生懸命している子に対して友達が「歌手になんてなれるはずない」「頑張っても意味ない」なんて言葉をかけたとしたら、それは「身も蓋もない」発言だと指摘できます。
【使い方3】自分の発言を緩和させる時に使う
これまでご紹介した2つの使い方は、「身も蓋もない」発言に対してその様子を描写するための用法でした。最後は、自分のこれからする発言を柔らかくするために「身も蓋もない」を前置きとして使う場合です。
コミュニケーションとしては、いつも率直で露骨な表現が好まれるわけではありません。どうしても自分が露骨な発言をしなければならない場合には「身も蓋もないのは承知ですが……」のように文頭に置くと、聞く人も心の準備ができます。
「身も蓋もない」を使った例文
「身も蓋もない」を自然に使いこなすために、ご紹介する例文を参考にしてみてください。
【例文】
・望みが薄いのは分かっていたが、あんなに【身も蓋もない】発言をされて心が折れた。
・意を決して告白したが、帰って来たのは「タイプじゃない」という【身も蓋もない】一言だった。
・【身も蓋もない】のですが、もうこのプロジェクトが成功する可能性はありません。
「身も蓋もない」発言には気を付けよう
「身も蓋もない」とは、表現が露骨で全く風情が感じられないさまを意味します。主に誰かの「身も蓋もない」率直すぎる意見をたしなめる際に用いられます。
「身も蓋もない」発言は、コミュニケーションの継続を妨げてしまうかもしれません。会話は相手とのキャッチボールだという点を意識しながら、お互いに気分よく意思疎通が取れるとよいですね。
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(引用全て〈小学舘 デジタル大辞泉〉より)