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2023.11.06

【網代】とはどんな意味?由来を知って日本の文化を伝えよう

建築用語で使われる「網代垣」「網代天井」

「網代」という言葉は、建設用語や不動産用語としてもよく登場します。代表的なものは、「網代垣」と「網代天井」です。「網代垣」は割った竹を「網代形」に組んだ垣根のことです。薄く割った竹を交互に組んでいくのが基本的な作り方となっています。

「網代天井」は竹や草などの植物を薄く加工したものを材料として平面状に編んで、天井の素材として使用したものです。材料や編み方によってさまざまな種類があります。杉を矢羽根という模様に編んだ「杉柾矢羽根網代(すぎまさやばねあじろ)」が有名です。

歴史物で登場する「網代笠」「網代車」「網代輿」

「網代」という言葉は、歴史物や時代劇などでもよく登場します。代表的なのは「網代笠」と「網代車」です。

「網代笠」は、竹を薄く細く割ったものを「網代型」に編んだ笠のことで、托鉢僧やお遍路参りをする人が使用します。托鉢僧が「網代笠」をかぶるのは、雨よけや日よけの他に修行中であるために顔を隠して外界から遮断するという意味があります。

網代車」は「あじろぐるま」と読み、「網代」とも呼ばれています。平安・鎌倉時代の公家が利用した牛車のことです。車の屋形部分に竹か檜で作られた網代が張られているため、この名前がついたとされています。大臣や納言など、身分の高い公家が利用するものです。

網代輿」は「あじろごし」と読みます。竹や檜でできた網代を屋根や横に張って、黒塗りの押し縁をつけた輿のことです。近世において、親王や身分の高い公家が常用していました。

工芸で使われる「網代編み」「網代団扇」

工芸品でも「網代」という言葉がよく登場します。主なものは「網代編み」と「網代団扇」の2つです。

「網代編み」には2つの意味があります。1つ目は「網代」を編むこと、もしくは「網代」のような形に編むことという意味です。2つ目は「網代形」に交差させる編み物の編み方や、模様そのもののことを表しています。「網代編み」の手法で作られる製品の主なものは、カゴやトレイです。軽いうえに風通しが良く、湿気がたまらないという利点があります。

「網代団扇」とは、檳榔(びろう)と呼ばれるやし科の亜熱帯常緑高木の葉や檜の経木、竹を薄く割ったものなどを「網代形」に編んだ団扇のことです。戦国時代には、表面に漆を塗った「網代団扇」が「軍の指揮をとる」「家紋を示す」以外にも「敵の矢を防ぐ」という用途で使われていました。

「網代」のさまざまな意味を知って正しく使おう

「網代」にはいくつかの意味があります。定置網の漁場やよく魚群が集まってくる場所、竹や草を編んで作った魚を獲る仕掛けなどです。また、竹を互い違いに編む手法によって作られたさまざまなものにも「網代」という名前がついています。

網代

網代天井・網代垣・網代笠・網代車・網代編み・網代団扇…などのように網代は日本の文化や暮らしと密接に関わっている言葉です。「網代」のさまざまな意味と使われているものについての知識を深めて、正しい使い方を押さえましょう。

写真・イラスト/(C) shutterstock.com

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