【四字熟語】雨過天晴(うかてんせい)
「雨過天晴」は雨があがって、空が晴れてくるという情景から、悪かった状況がだんだん良い方向へと向かっていくという意味になります。「雨過天青」とも書き、読み方は「うかてんせい」です。
この語句の由来は、中国・五代後周の世宗柴の「雨過天青雲破處者般顔色作将来」という発言でした。「雨上がりの空に現れた青のような色を焼き物で再現しなさい」という意味で、中国の青磁の色をたとえる言葉でもあったとされています。
数多くある「天晴」の類語
「天晴」は、驚くほど立派であるという意味です。賞賛の意味を持った語句は数多く存在しています。褒め言葉を使う場面は少なくありません。さまざまなバリエーションを押さえておきましょう。
ここでは「天晴」の類語の中で、漢字表記のものから「絶妙」「秀逸」「最高」という3つの語句と、もともとは英語だったものが今ではカタカナの日本語となっている「ナイス」「ワンダフル」という2つの語句をご紹介しましょう。
【漢字の類語】「絶妙」「秀逸」「最高」
「絶妙」とはきわめて巧みであること、この上もなく優れていることという意味の語句です。「ぜつみょう」と読み、「絶妙の技だ」といった使い方をします。
「秀逸」とは、他のものよりも抜きんでて優れているという意味の語句です。作品や言動を評価する時にこの言葉が使われる傾向があります。「しゅういつ」と読み、「秀逸な演奏」といった使い方をします。
「最高」はもっとも高いこと、位置や程度が一番であることという意味です。これ以上はありえないという時に、「最高の仕上がり」といった使い方をします。
【カタカナの類語】「ナイス」「ワンダフル」
「ナイス」は相手の言動をほめる時などに使う言葉で素晴らしい、素敵、かっこいいなどの意味があります。使い方としては、「ナイス・タイミング!」「ナイスな発言です」「ナイス・ショット!」などが挙げられます。
「ワンダフル」は驚嘆すべきさま、素晴らしいさまという意味があります。「なんとワンダフルな建物なのでしょう!」「ワンダフルな風景だ!」というふうに使います。
「天晴」の読み方と意味を知って正しく使おう
「天晴」は「あっぱれ」と読み、驚くほど立派なさまという意味をもちます。賞賛する言葉として使われますが、発する側の驚きや感動や高ぶりも同時に伝わるところが特徴的です。言動に対して瞬間的に反応して発せられることが多い言葉でもあります。
もともとの語源は「あはれ(哀れ)」で、「ああ」という感嘆な悲嘆の気持ちを表す語句でもあり、日本の古典文学などでも多く使われてきました。「天晴」の読み方と意味を知って、正しく使いましょう。
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