Domani

働く40代は、明日も楽しい!

 

LIFESTYLEワーキングマザー

2022.01.08

「行脚」の読み方はなぜ「あんぎゃ」?

「行脚」とは、僧侶が修行を目的として諸国を歩き回ることを指す言葉です。今回は、行脚の読み方やもう一つの意味、類語、例文をご紹介します。関連する四字熟語や、なぜその読み方になったかについても解説しているため、言葉を正しく理解したい方はぜひ参考にしてください。

Tags:

「行脚」の2つの意味や読み方、語源

「行脚」とは仏教に関連してできた言葉で、2つの意味を持っています。読み方は「あんぎゃ」ですが、少々めずらしい読み方です。ここでは、「行脚」が持つ2つの意味や語源・由来とともに、読み方はなぜ「あんぎゃ」なのかについてもチェックしていきましょう。

行脚

「行脚」はビジネスシーンでも使う言葉です。例文もあわせて確認することで、自信を持ってビジネスでも使えるようになりましょう。

仏教の修行関連など「行脚」が持つ2つの意味

【行脚(あん‐ぎゃ)】
(名)スル《「あん(行)」は唐音》
(1)仏道修行のために、僧侶が諸国を歩き回ること。「雲水の―」
(2)ある目的で諸地方を巡り歩くこと。「遺跡を―する」

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

「行脚」とは、仏教の僧侶が修行を目的として徒歩で諸国をめぐることを意味する言葉です。本来の意味からすると、仏教の修行についてのみを指して使われる言葉でした。

しかし、「行脚」の言葉が使われ続けているうちに、なにかしらの目的を持ってさまざまな場所をめぐることという2つ目の意味ができました。「美味しいと有名なラーメン屋で食べるために、地方を【行脚】した」というように使われます。

「行脚」の語源・由来

先述のとおり、「行脚」とはもともと仏教に関連する言葉です。書物として残っているものでは、坐禅のマニュアルや心得が書かれた『正法眼蔵』などがあります。『正法眼蔵』は物事の本質を考える哲学書としても多くの人に読まれている、影響力が大きい本です。

そこでは「はじめて発心求道をこころざす。瓶錫(びゃうしゃく)をたづさへて行脚し」と記されています。仏教の修行や布教をおこなうために僧侶たちは徒歩で各地をめぐったのですが、この修行僧を「行脚僧(あんぎゃそう)」と呼びます。

その後、言葉が広く使われるようになっていくと、仏教に関係なく、なにかのためにいろいろな場所をめぐることも指すようになりました。本来は徒歩でめぐることを指しますが、現代ではそのほかのさまざまな移動手段を使った場合にも使われます。

「行脚」の読み方はなぜ「あんぎゃ」?

「行脚」の読みはめずらしく、読み方を知っていないと読みにくい漢字の一つです。行(あん)脚(ぎゃ)という読み方は唐音です。

漢字は中国から伝わった文字のため、中国での読みがもととなった音読みと、日本で作られた訓読みがあります。唐音とは、音読みのなかでも平安時代の中期以降~江戸時代末期までに中国から伝えられた字音がもとになっている読み方のことです。また、唐宋音ともいわれます。

唐音は特定の言葉に限って使われる読み方です。行(あん)という読み方が使われている言葉には、ほかにも「行燈(あんどん)」や「行火(あんか)」などがあります

ビジネスシーンでも使う「行脚」の例文

「行脚」はテレビや新聞などのほかに、ビジネスシーンでも使われている言葉です。例文を確認して使い方をチェックしましょう。

・大きなミスがあったせいで、毎日たくさんの取引先にお詫び【行脚】して疲れてしまった。
・セミナー講師として日本全国を【行脚】している
・今度の週末にスイーツ【行脚】してきます
・四国でお遍路さんが【行脚】していました

なお、お遍路さんも「行脚」にあたります。お遍路さんとは、空海が四国をめぐったことを由来とするものです。

空海が歩いてめぐった場所をたどる修行の旅を仏教の僧侶がおこなうようになり、これをお遍路といいました。その後、現在では僧侶以外の人もお遍路さんをするようになりました。

関連する四字熟語「雲水行脚」とは?

「行脚」に関連する四字熟語には「雲水行脚」があります。「雲水行脚」とは、僧侶が全国各地をめぐって修行することや、目的のために動き続けることを指す言葉です。

行脚

「雲水」という言葉には、動き続ける雲や水のように終わりのない修行を続ける修行僧という意味があります。先述のとおり、「行脚」は仏教の修行で各地をめぐることや、なにかのために地方をめぐることです。

そのことから、目的を持って動き続けること、または行方を決めないまま思うとおりに旅することという意味で使われています。

「行脚」の類語と対義語

「行脚」にはさまざまな類語や対義語があります。類語と対義語まであわせてチェックして、さまざまな表現ができるようになりましょう。

「行脚」の類語と対義語はそれぞれ以下のとおりです。

行脚

<類語>
遊行・巡回・漫遊・周遊・巡歴・巡行・遍歴など

<対義語>
停留・滞在・滞留・居座るなど

それでは、類語と対義語のご紹介と、意味の解説をしていきます。

「行脚」の類語

遊行……歩き回ること。僧侶が布教や修行をするために諸国をめぐり歩くこと。
巡回……ある目的を持って各地を順次に移動すること。一定の区域のなかを次から次へ見て回ること。
漫遊……気の向くままにさまざまな場所を回って旅すること。
周遊……さまざまな場所を旅行してまわること。
巡歴……あちこちをめぐり歩くこと。
巡行……各地をめぐり歩くこと。また、祭礼などで御輿(みこし)などが決められたコースを順に回ること。
遍歴……各地を広くめぐり歩くこと。いろいろな経験を重ねること。

これらはすべて行脚の類語ではありますが、見てのとおり意味が異なる部分もあるため言い換えの際には注意しましょう。

「行脚」の対義語

続いて、「行脚」の対義語の意味をそれぞれチェックしていきましょう。「行脚」はさまざまな場所をめぐることであるため、対義語は同じ場所に居続けるという意味を持つ言葉です。

停留……その場所にとどまる、またはとどめること。
滞在……ほかの場所に行き、ある期間そのままとどまること。
滞留……物事がスムーズに進まず、とどこおること。旅先でしばらくとどまること。
居座る……ある場所に座り込んだままでいること。引き続き同じ地位にいること。相場が変動しないこと。

「行脚」の意味を理解して正しく使おう

「行脚」とは、もともと僧侶が修行などのために徒歩で諸国をめぐることを意味する言葉です。その後仏教に関係なく歩いてめぐることを指して使われるようになり、近年では徒歩以外でも目的を持ってめぐることを指すようになりました。関連する四字熟語「雲水行脚」や類語と対義語もしっかりとチェックして、正しく使えるようになりましょう。

行脚

こちらの記事もおすすめ!

「釈迦に説法」とはどんな意味?ビジネスシーンで使える例文も紹介
仕事や趣味、さまざまな事柄で使える【醍醐味】の「醍醐」とはいったい何?

写真・イラスト/(C) shutterstock.com

Domaniオンラインサロンへのご入会はこちら

Read Moreおすすめの関連記事