1:辛酸をなめる
「辛酸をなめる」の「辛酸(しんさん)」は、つらい目や苦しい思いという意味があります。「辛酸」をなめることから、つらく苦しい思いを味わう、経験するという意味。次のように用いることができます。
(例文)この2年間、会社の業績が悪化し、辛酸をなめてきた社長の言葉には、重みを感じる。
2:堅忍不抜
「堅忍不抜(けんにんふばつ)」は、つらいことも耐え忍んで、どんな困難にも心を動かさないこと。じっと我慢することの意味。次のように使えます。
(例文)彼女はガラスの天井と言われる環境であっても、堅忍不抜の態度で業務に取り組んだ。
3:捲土重来
「捲土重来(けんどじゅうらい)」は、一度敗れて引き返したものが、再び勢いを盛り返すこと。例えば、次のように使います。
(例文)派閥争いに負けてポストを失った上司は、捲土重来を期するべく、決して諦めなかった。
対義語にはどのようなものがある?
では、「臥薪嘗胆」の対義語には、どのようなものがあるでしょう? 例文もあわせて紹介します。
1:堪忍
「堪忍(かんにん)」は、怒りを抑えて、人の過ちを許すこと。勘弁することの意味。許す前提があり「復讐」などの辛苦の意味は含まれていません。次のように使えます。
(例文)もうこれ以上のお詫びはできません。今日のところは堪忍してください。
2:安楽
「安楽(あんらく)」は、心身の苦痛や生活の苦労がないこと、穏やかで楽々していること。例えば、次のような例文です。
(例文)何不自由なく、安楽な暮らしを第一としている父のような生き方もある。
3:穏便
「穏便(おんびん)」は、物事を角立てずにおだやかに行うことや、手軽で便利なこと。例文は次の通りです。
(例文)ここは穏便にすませて、もう、なかったことにしてほしい。
英語表現とは?
「臥薪嘗胆」を英文で表現したいときには、「忍耐(力)」の意味を持つ「perseverance」や「endurance」を用いるとよいでしょう。シンプルに「忍耐」というニュアンスと解釈すると「perseverance」に。「苦心に耐える」というニュアンスであれば、「endure a long and hard struggle」(長くて厳しい自分との葛藤に耐える)などと表現するとよいでしょう。
After persevering, she finally passed the bar examination.(彼女は臥薪嘗胆の末に司法試験に合格した)
最後に
「臥薪嘗胆」は、日常会話では、まだなじみのない人もいるかもしれませんが、経営者の座右の銘としても好まれる言葉の一つです。特にビジネスシーンで知っておくと、相手の意図を把握できて、信頼関係を作りやすくなるかもしれません。また、自分が辛く苦しいときに、もしかしたら励みになる言葉になるかもしれません。一見すると難しい言葉ですがきちんと理解してみると、ビジネスシーンだけでなく、人生の視野も広がるかも。ぜひ、正しく使いこなしてみてくださいね。