鯰尾兜
「鯰尾兜(なまずおのかぶと)」とは、蒲生家が桃山時代に好んで作っていたことで有名な兜の1つです。「鯰」は大地震を起こす大きな力を持っている魚と言われ、合戦時には縁起が良いとされていたことから、蒲生家以外にも「鯰尾兜」は作られています。「鯰尾兜」で有名な物は、蒲生氏郷の「銀の鯰尾兜」、南部利直の「黒の鯰尾兜」、前田利家の「金の鯰尾兜」などです。
鯰絵
「鯰絵」は、江戸時代に出版された「鯰」を題材にした錦絵版画のことです。日頃は鹿島神宮の要石で地底に抑えられている大鯰が、地下で大暴れをすることで、地震が発生するという民間信仰に基づいていて、安政の大地震後に多く作られました。
中でも一部は、地震除け護符として、お守りとして扱われていたとのことです。当時はものすごく人気があり、政府が版木を没収をする事態になるほど。ですが「鯰絵」は、現在でも200種類以上残されている人気の題材の錦絵です。
鯰江城
「鯰江城」は、現在の滋賀県東近江市鯰江町にある鯰江氏の居城です。室町時代に勢力を伸ばしましたが、柴田勝家らにより落城し、今は土塁の一部や石碑があるだけで、住宅街になっています。落城後、鯰江定春は豊臣秀吉に従い、大阪にも鯰江という地名があります。
「鯰」の英語名は?
「鯰」は英語で「catfish」です。「cat」は猫で直訳すると、「猫魚」となります。「猫」と「鯰」の共通点が、パッとは浮かばないような気がしますが、猫のヒゲと、「鯰」のヒゲが似ていることが由来だそうです。
また、ネット時代の現在、SNSスラングにも「catfish」と「catfishing」という言葉が存在します。意味は、「人を欺くために、身元を偽り、活動する」ことです。由来は、2010年アメリカで公開されたドキュメンタリーの「catfish」の中で、「鱈」と「鯰」を同じ水槽に入れていると「鱈」は活発になるという俗説が語源であると言われています。
英語で「catfish」を使う時は、スラングも存在することを頭に入れておきましょう。
最後に
「鯰」について、様々な角度からお伝えしましたが、普段馴染みがないだけに、知らないことが多かったのではないでしょうか。最近地震も増えてきている日本では、また「鯰」が注目されることがあるかもしれません。これを機会に、「鯰」について色々と知識を入れておきましょう。
▼あわせて読みたい