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2024.04.22

「一応」とは? 意味やビジネスシーンにおける使い方の注意点を紹介

「一応」は「ひととおり」や「念のために」という意味の言葉。断言できることに対しては使いません。よく使われる言葉ですが、ビジネスシーンで使う場合は注意した方がいいことも。意味などを含め、本記事で紹介します。

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「一応」ってどういう意味?

「一応」という言葉を使う人は多いでしょう。「一応」には複数の意味がありますが、「ひととおり」や「念のために」という意味合いでよく使われます。「一応」は断言できることには用いません。そのため、使う際に注意や工夫が要る言葉だと言えるでしょう。後述で注意点を紹介しますので、参考にしてください。

「一応」には複数の意味がある

【一応】
読み方:いちおう

1:一度。一回。「—も二応も」
2:一度行くこと。
3:十分ではないが、ひととおり。大略。「これで—でき上がりだ」
4:ほぼそのとおりと思われるが、念のために。「—見直しましょう」
[補説] 本来は「一往」と書く。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

よく使うのは「3」や「4」の意味ですよね。本来は「一往」という漢字表記になりますが、「一応」の方が浸透していると言えるでしょう。

「一応」の使い方

「一応」の使い方を例文で紹介します。

《例文》
・一応連絡したが、電話はつながらなかった
・完成とはいかないが、一応これで提出しよう
・おおむね問題ないと思うが、一応データを見直しておきましょう
・今日は寒いので、一応ショールを持って行こうと思う

日常やビジネスシーンで用いるのは、上記のような使い方でしょう。「十分とは言えないが終了した」「念のために」という意味で使うことが多く、断言できることに対して用いることはありません。

「一応」という言葉には曖昧さを含むため、シーンやシチュエーションによっては使わない方がいいことも。特にビジネスシーンは注意することをおすすめします。

電話と女性

(c) Adobe Stock

「一応」を使う場合の注意点

「一応」をビジネスシーンで使う場合の注意点を紹介します。意味が曖昧な言葉のため、使い方によっては相手を不快にさせるかもしれません。次のことを念頭に入れ、使い方を工夫してみてくださいね。

「一応」を控える方がいいシーン

「一応」は曖昧な意味合いを含むため、断言する場合には用いません。そのことを踏まえると、次のようなシーンでは使わない方がいいでしょう。

・方針や方向性を決断する場合
・スピーディーな判断が求められている場合
・簡潔にはっきりと伝えることを求められる場合
・目上の人や取引先、顧客とのやり取り
・クレームや問い合わせの対応
・曖昧なことが許されない場合

たとえば、商品について知りたいと考え、取り扱い企業に問い合わせをするとします。自分が質問をしたことに対して、「一応確認します」のように言われたら、相手に誠実さを感じるでしょうか? 人によっては、この対応で購入意欲がなくなってしまうかもしれませんね。

ビジネスシーンでは、曖昧さがマイナスイメージを与えることがあります。そのことを意識し、適切な使い方をしたいですね。

「一応」を別の言葉に言い換える

完全ではないため断言はできないけれど、「一応」という言葉を使いたくない場合は、別の言葉に言い換えるといいですね。特に目上の人や取引先、顧客と対応する場合は、違う表現を考えておくのがおすすめです。

ビジネスシーンに限ったことではないですが、「完全な状態」や「断言できること」は意外と少ないもの。だからこそ、失礼にあたらない表現を把握しておきたいですね。

話し合い

(c) Adobe Stock

ビジネスシーンで「一応」を言い換える場合

ここからは「一応」の言い換え表現を見ていきましょう。ビジネスシーンで言い換えると仮定し、ピックアップした表現を例文とともに紹介します。参考にしてくださいね。

「念のため」

「念のため」は、「信用していないわけではないが、万一に備えて」という意味の言葉。「一応」とほぼ同義ですが、ていねいさを感じさせることができるでしょう。

《言い換えの例》
受け取った書類を「一応」確認させていただきます
→受け取った書類を「念のため」確認させていただきます

ほぼ問題ないと思っているが、万一に備えて確認をしたいという思いを「念のため」で表現しています。「一応」よりもていねいだと感じる人が多いかもしれません。

「大事をとって」

「用心してそのことにあたる」「軽率に行動しない」という意味の「大事をとって」。この言葉も「一応」の言い換え表現になるでしょう。何に対して「大事をとって」なのかがわかるよう、言葉をそえるといいですね。

《言い換えの例》
後輩の調子が悪そうだったので、「一応」早退することを勧めた
→後輩の調子が悪そうだったので、「大事をとって」早退することを薦めた

「大事をとって」は自分以外に部下や後輩などに対しても使えます。

「念には念を入れる」

「念には念を入れる」は、注意したうえに、さらに注意をすることを表す言葉。相当な注意を払う場合に使うことが多いでしょう。十分に注意を払う、確認をするというニュアンスになるため、この言葉もていねいさを感じさせると言えます。

《言い換えの例》
打ち合わせ会場の地図を確認し、「一応」下見をすることにした
→打ち合わせ会場の地図を確認し、「念には念を入れて」下見をすることにした

「念には念を入れる」は、失敗ができない大事なシーンで用いることが多いでしょう。

紹介した言い換え表現と「一応」の意味はそれほど変わりません。しかし、受け取る言葉のイメージは異なるでしょう。目上の人や取引先、顧客に対しては、ていねいに対応することが求められますが、日常生活もそれは同じ。「一応」を使わない方がいいケースもあるはずです。

言葉のやり取りで相手を不快な気持ちにさせてしまうのは、誰もが避けたいこと。スムーズに話を進めるためにも、ぜひ言い換え表現を使ってみてください。

仕事場

(c) Adobe Stock

「一応」と混同しやすい言葉「一様」とは

「一様」と「一応」は言葉の響きが似ていますが、意味も読み方も異なります。

「一様」は「いちよう」と読み、ぜんぶが同じ様子であることや、そのさまを表す言葉。世間によくあるありふれていることを指すこともあります。

《例文》
彼の提案した打開策を読んで、チームメンバーは一様に感心していた

最後に

「一応」の意味や使い方、使う際の注意点を紹介しました。完全な場合や、断言できる場合には用いない言葉のため、ビジネスシーンで使うには工夫が必要です。シチュエーションや相手によっては、失礼にあたる可能性がありますが、相応しい言葉に言い換えて使うという方法も。言い換え表現を紹介しましたので、参考にしてくださいね。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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