死中に活を求める(しちゅうにかつをもとめる)
「死中に活を求める」は、絶望的な状況で、なんとか生きる道を模索することを意味します。厳しい状況で力を尽くす、「背水の陣」の言い換え表現として利用できます。
「死中に活を求める」は、『後漢書・公孫述伝』に由来を持っており、ビジネスシーンでも活用される機会の多い表現です。例えば「死中に活を求め、代替案の提出をしたところ納得してもらうことができた。」のように、厳しい状況の打開策を講じるシーンで使えるでしょう。
前門の虎後門の狼(ぜんもんのとらこうもんのおおかみ)
「前門の虎後門の狼」は、使われている言葉から状況がイメージしやすい言葉でしょう。ひとつの災難をなんとか乗り越えても、また次の災難が待ち構えている状況を表します。
「背水の陣」と同じように、厳しい状況に置かれている場合に用いられます。一方で「背水の陣」とは違い、「その状況で最善を尽くす」という意味は含まれていないのを知っておきましょう。
「背水の陣」の使い方と例文
「背水の陣」には、絶体絶命の追い込まれた状況にあることと、そこでできるベストのことを行うという2つの意味が含まれています。
つまり、難題に挑む前の気持ちを表現する際に利用できる表現です。自分や周りに言い聞かせて、士気を上げるシーンでも使えるはずです。
実際の例文を挙げながら、「背水の陣」を使いこなすコツをご紹介します。
難題に挑む覚悟を表す時に使う
「背水の陣」は、難しい問題に挑戦する前の覚悟を示したり、目的を再確認しあったりする際に使える表現です。ビジネスシーンにおいても、状況を打破するきっかけを模索するシーンで用いられます。
例えば、どんな提案も断られ八方ふさがりの状態でも、諦めずに解決策を探そうとする場合に「背水の陣でアイディアを出し合おう!」と声を掛ければ、チームの結束を高めるきっかけになるかもしれません。
「背水の陣」を使った例文
「背水の陣」という言葉は、普段からニュースや小説で見聞きしている人も多いはずです。仕事とプライベート両方で使える表現であるため、例文を確認して使い方のイメージを持っておきましょう。
【例文】
・【背水の陣】だが最後まで諦めずに挑戦するぞ!
・【背水の陣】を覚悟して挑んだ試験に合格した。
・成功の保証はないけれど、【背水の陣】を敷くつもりです。
・彼が出世したのは【背水の陣】で努力をしたからだ。
「背水の陣」での対応がカギになる!
「背水の陣」は、追い込まれた状況でも、自分にできることを精一杯に取り組む様子を意味します。絶望的な状況でも希望を捨てずに努力する、前向きな表現であるといえるでしょう。
混同されやすい「四面楚歌」は、諦めのニュアンスが含まれる表現であるため、「背水の陣」の言い換えとしては利用できません。同じ意味を持つ言葉には、死中に活を求めるなどがあります。
プライベートでも仕事でも、「背水の陣」を敷いて取り組まなければならない状況は訪れるでしょう。そんな時、「背水の陣」の精神を思い出して、諦めずに力を尽くせるようにしておきたいですね。
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(引用全て〈小学舘 デジタル大辞泉〉より)
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