口実
【口実(こうじつ)】
1.言い逃れや言いがかりの材料。また、その言葉。「病気を―に欠席する」「―を与える」「―をさがす」
2.日ごろよく口にする言葉。言いぐさ。「朝暮の―として誦しける」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「口実」とは、言い訳をして責任逃れをする際に使用する言葉です。例えば特に用はないものの片思いの相手と会いたいがために、もっともらしい理由を提示すれば、会うための「口実」を作ったと表現できます。
そのため「大義名分」を簡単な言葉で表現したいときに、「口実」を用いることも可能です。ただし、「口実」はあまり良い印象を与えないことに注意しましょう。
【例文】
・とある友人も参加する食事に行きたくなかったので、欠席する【口実】を作った。
・私は叔父に会うのが嫌だったので、仕事を【口実】に帰省しなかった。
・日本酒にぴったりなおつまみを購入したのを【口実】に、今夜は晩酌を楽しむつもりです。
建前
【建前(たてまえ)】
1.原則として立てている方針。表向きの考え。「―と本音」「―を崩す」
2.行商人や大道商人が商品を売るときの口上。売り声。「さあさあこれからがこちの商売…、ああこりゃ―どころぢゃない」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「建前」とは、表向きの方針や考えを表現するときに使用する言葉です。例えば物事の裏側で良からぬ作戦を立てていた場合、本音を隠したいときもあるでしょう。そのときに裏の意図を隠して、体裁を繕うための言葉が「建前」です。
ほかにも商人が商品を売るために述べる宣伝も「建前」と表現されます。
【例文】
・「地域を活性化させる」というのが、この計画の【建前】です。
・みんなで食事に行きたいというのは【建前】で、本当は2人きりで食事に行きたくなかった。
・政治家の多くは、本音と【建前】をうまく使い分けながら活動している気がします。
錦の御旗
【錦の御旗(にしきのみはた)】
1.赤地の錦に、日月を金銀で刺繍(ししゅう)したり、描いたりした旗。鎌倉時代以後、朝敵を征討する際に官軍の旗印に用いた。錦旗(きんき)。
2. 自分の行為・主張などを権威づけるために掲げる名分。「環境保護を―に掲げる」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「錦の御旗」とは「にしきのみはた」と読み、天皇軍の旗のことです。「錦の御旗」は天皇が討伐するように命令したときのみ掲げられていたことから、自身の主張を権威づけたいときに使用する言葉に変化しました。ただし現代では、あまり使用する機会はないでしょう。
【例文】
・大河ドラマの中で、【錦の御旗】が掲げられると興奮する。
・【錦の御旗】を掲げた瞬間、勝負の勝敗が決まるような気がする。
・この戦いに勝利すれば、【錦の御旗】を掲げて行進しよう。
免罪符
【免罪符(めんざいふ)】
1.カトリック教会が善行(献金など)を代償として信徒に与えた一時的罪に対する罰の免除証書。中世末期、教会の財源増収のため乱発された。1517年、聖ピエトロ大聖堂建築のための贖宥(しょくゆう)に対しルターがこれを批判、宗教改革の発端となった。贖宥状。
2.罪や責めをまぬがれるためのもの。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「免罪符」とは、罪や責めを免れるときに使用する言葉です。もともと、カトリック協会が罪を免れるために発行していた証明書のことを指していました。そのため、あまり良い印象を与えない言葉といえるでしょう。
【例文】
・彼が発した一言が【免罪符】となりました。
・この書類だけでも用意していれば、【免罪符】になるだろう。
・たとえ【免罪符】によって周囲からの批判をまぬがれても、私は許せない。
【目次】
「大義名分」を正しく使おう
「大義名分」とは「たいぎめいぶん」と読み、行動の根拠や口実を示したいときに使用する言葉です。建前を伝える際に使用するケースもあるため、あまり良い印象を与えないこともあるでしょう。
「大義名分」には、類義語がいくつかあります。それぞれ意味は似ているものの、詳細は異なるため、違いを理解して正しく使い分けすることが大切です。
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