言い換えで注意したいポイント
類語であってもニュアンスが異なると、言い換えをした際に意味や印象が異なってしまうため、言い換えで注意したいポイントをチェックしましょう。
「馬耳東風」と「馬の耳に念仏」は、どちらの言葉も「話をしても聞き入れてもらえず、効果がないさま」を表現しています。しかし、「馬耳東風」は「意見をあえて聞き入れない」意味が含まれるのに対して、「馬の耳に念仏」を使った場合には「良い話を理解できない」というニュアンスになる点が異なっているのです。
「馬耳東風」の対義語は「呼牛呼馬」など
「馬耳東風」の対義語は、以下のとおりです。
【呼牛呼馬(こぎゅうこば)】
相手が自分を牛と呼べば牛だと思い、馬と呼べば馬だと思うこと。相手に何を言われていても逆らわないで受け入れること。
【付和雷同(ふわらいどう)】
自分でしっかりとした考えを持っておらず、一定の主義や主張がない状態で、安易に他の説に賛成してしまうこと。
同じく「馬」を使っている言葉
「馬耳東風」と同じく、「馬」を一部に使っている言葉の例は以下のとおりです。
【馬に経文(きょうもん)】
馬にありがたい経文を聞かせても、なんの効き目もないことをたとえた言葉。
【馬を牛に乗り越える】
良いものを捨てて、悪いものに変えてしまうこと。
【馬の耳に風】
他人の意見を少しも気にせず、聞き流すこと。
【馬が合う】
よく気が合うこと。意気投合すること。
これらのほかにも、たくさんの「馬」を使って表現している言葉があります。
「馬耳東風」の意味を理解して正しく使おう
「馬耳東風」とは忠言や批評などに対して気に留めたり反省したりすることなく、聞き流してしまうことを指す言葉です。なにを言われていてもひょうひょうとした態度を崩さない場合などに使いましょう。
馬耳東風の類語と対義語はたくさんあり、同じように「馬」を使って表現している言葉も多いです。言い換えで注意したいポイントもチェックすると、自分の表現したい内容がより正確に伝えられるようになります。
言葉の持つ意味や語源、類語、対義語などをまとめて確認し、言葉を正しく使えるようになりましょう。
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