「文武両道」の意味や読み方とは?
「文武両道」は、学校などでよく使われる言葉です。新年の抱負として書き初めをしたり、褒め言葉として使う人も多いでしょう。そこで今回は、日常生活で馴染みのある「文武両道」の意味や使い方、類語などを紹介します。普段聞き慣れた言葉だからこそ、今一度正しい意味をおさらいしてみてはいかがでしょうか。
「文武両道」とは「ぶんぶりょうどう」と読みます。意味を辞書で調べてみると、以下の通りです。
文事と武事との両方。また、勉学とスポーツの両面。(<小学館デジタル大辞泉>より)
「文武両道」とは、「学問にもスポーツにも秀でていること」です。もともとは、「文事」と「武事」に秀でた人を指す言葉で、「文事」は、数学や国語などの勉強だけではなく、絵を描くことや詩歌を読むなどの教養も含まれた言葉でした。かつては学問と教養、武芸と幅広い才能をもっている優秀な人のことを「文武両道」と表したのです。
現在では単純に「学校の成績がよくスポーツもできる優秀な人」という意味で使われていますが、褒め言葉であることに変わりありません。身近にそのような人がいたら、褒め言葉として使ってみましょう。
使い方を例文でチェック!
「文武両道」は、「文武両道を目指す」「文武両道に励む」など、主に学校生活でよく使われる言葉です。ここでは具体的な例文をあげて紹介していきます。
1:頭が良くてスポーツもできる兄は文武両道に優れた人だ
「文武両道」が使われる代表的な例です。賢くてスポーツもできる完璧な人、という意味で日常会話でもよく使いますよね。勉強とスポーツどちらかはできても、両方を完璧にこなせる人はなかなかいません。学校では憧れの存在としてモテる人も多いでしょう。
2:我が校は文武両道を目指す生徒を応援します
勉強もスポーツも優秀な学校、として「文武両道」をモットーにしている学校は多いもの。校舎に「〇〇部全国大会優勝」と旗を掲げている学校は、まさにその典型といえるでしょう。優秀な生徒を育てる設備やサポートが充実している学校は、人気の傾向があります。
3:妹は試験勉強や部活動と、日夜文武両道に励んでいる
今まさに勉強と部活動の両立を頑張っているときにも「文武両道」は使われます。忙しいなか一生懸命目標に向かって努力しているさまが伝わってくる一文です。
類語や言い換え表現とは?
「文武両道」のように「学問とスポーツに優れている」という意味の熟語はいくつもあります。「左文右武」「文武不岐」「文武兼備」「緯武経文」はいずれも「文武両道」の類語です。それぞれの正しい意味と使い方をチェックしていきましょう。
1:文武不岐
「文武不岐」は、「ぶんぶふき」と読みます。「文武両道」には、勉強とスポーツ、どちらもそれぞれ頑張るといったニュアンスがありますが、「文武不岐」は、「文」と「武」が分かれず、一体であることで相乗効果を生み出すものとしています。人として立派になるためには、どちらも欠かすことのできない要素であるといったところでしょうか。
《例文》
・我が塾では文武不岐をモットーとしている
2: 左文右武
「左文右武」とは「さぶんゆうぶ」と読みます。意味は以下の通りです。
文と武をともに重んじ尊ぶこと。文武両方を兼ね備えること。(<小学館デジタル大辞泉>より)
先述のように「文」は、学問、「武」は武道や武術を表しています。「左文右武」も文武両方に優れていることを指し、「文武両道」と同じ意味を持つ四字熟語です。
《例文》
・これからは左文右武の精神をもって励みたいと思います